府中市及び国立市で事業が行われている府中3・2・2の2号東京八王子線及び国立3・3・2号東京八王子線の進捗状況を見てきました。東八道路の未開通区間である新府中街道~甲州街道を整備しているものです。
現在、全線に渡って工事は行われておらず、小休憩状態となっています。
JR南武線との橋梁前後の斜路付き階段建設に伴う基礎工事は完了していますが、その続きとなる上部工事は今のところ現場着手していないようです。
また、4月公表の年間発注予定時点では発注予定となっていた、横断歩道橋の基礎工事及び上部工事は、工事が発注されないまま掲載が消えています。

事業概要
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府中3・2・2の2号東京八王子線及び国立3・3・2号東京八王子線(府中市西原町二丁目~国立市谷保間)建設事業は東京都府中市~国立市で事業中の都市計画道路です。
現在の東八道路を延伸し、日野バイパスに接続します。
事業認可は2011年7月5日で、2015年11月18日に東京都環境評価条例に基づく着工の届出がされたことが同年12月7日に公告されました。

事業延長は約1300mで、計画幅員は36~41mの4車線となる計画です。
基本データ
| 施行者 | 東京都 |
| 延長 | 約1300m |
| 幅員 | 36~41m |
| 事業期間 | 2011年7月5日~2026年3月31日 |
| 2020年4月23日現在 | |
用地取得率の推移
※データ出典は各点にカーソルに合わせた際に表示します。
※取得できたデータのみ表示しています。
※市議会答弁は日付の言及があるものはその日付、ないものは発言の日時点
最近の発注状況
| 工事 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 工事名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2017年度 | JR南武線跨線橋(仮称)下部工事(29北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 株式会社入江建設 |
| 2017年度 | JR南武線跨線橋(仮称)PC桁製作工事(29北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 株式会社安部日鋼工業 |
| 桁架設工事(西府・保谷間31k020m付近本宿原こ線道路橋新設工事) | 東京都がJRと協定を結び委託し、JRが発注(鉄建建設株式会社) | |
| 2018年度 | 街路築造工事に伴う擁壁設置工事(30北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 奥山建設株式会社 |
| 2019年度 | 街路築造工事に伴う擁壁設置工事(31北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 巴山建設株式会社 |
| 2019年度 | 街路築造工事のうち排水管設置工事(31北南-府中3・4・5及び国立3・4・5ほか1路線) | ライチ株式会社 |
| 2019年度 | 街路築造工事のうち排水管設置工事(31北南-府中3・2・2の2)その2 | 株式会社ティーディーイー |
| 2021年度 | JR南武線跨線橋(仮称)上部仕上げ工事(3北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 株式会社エージ―テクノス |
| 2021年度 | 街路築造工事のうち排水管設置工事(3北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 株式会社エージ―テクノス |
| 2022年度 | 電線共同溝設置工事(4北南-府中3・2・2の2) | 光建設株式会社 |
| 2022年度 | 街路築造工事(4北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 協立舗道株式会社 |
| 2023年度 | 街路築造工事のうち排水管設置工事及び電線共同溝設置工事(5北南-府中3・2・2の2及び府中3・4・5) | リアル建設株式会社 |
| 2023年度 | 街路築造工事のうち排水管設置工事及び電線共同溝設置工事その2(5北南-府中3・2・2の2)及び府中3・4・5ほか1路線 | 株式会社エージーテクノス |
| 2024年度 | 取付階段基礎設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 双栄基礎工業株式会社 |
| 2024年度 | 取付階段上部設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)その2 | 東綱橋梁株式会社 |
| 委託 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2023年度 | 地質調査(5北南-府中3・2・2の2) | 日本物理探鑛株式会社 |
| 2023年度 | 横断歩道橋及び昇降設備予備詳細設計(5北南-府中3・2・2の2) | 株式会社高島テクノロジーセンター |
| 2024年度 | 道路詳細修正設計及び電線共同溝詳細修正設計(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 宏栄コンサルタント株式会社 |
| 2025年度 | 自然環境調査委託(7北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 株式会社地域開発コンサルタンツ |
| 2025年度 | 道路詳細修正設計(7北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2) | 取下げ? |
| 2025年度 | 道路詳細修正設計(7北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)その2 | 和合建設コンサルタント株式会社 |
近隣の道路
都市計画道路放射第5号線・東京八王子線は東京都千代田区の半蔵門交差点から東京都八王子市の高尾山ICに至る都市計画道路です。上記の通り未開通の区間で事業中です。
23区内:放射第5号線
三鷹市内:三鷹3・2・2号東京八王子線
小金井市内:小金井3・2・2号東京八王子線
府中市内:府中3・2・2の1号東京八王子線、府中3・2・2の2号東京八王子線
国立市内:国立3・3・2号東京八王子線
日野市内:日野3・3・2号東京八王子線
八王子市内:八王子3・3・2号東京八王子線
それぞれの区間については下記をご覧ください。
①放射第5号線(高井戸東)
②放射第5号線(高井戸西)
③放射第5号線(久我山)
④三鷹3・2・2号東京八王子線
⑤府中3・2・2の2号東京八王子線及び国立3・3・2号東京八王子線
⑥国道20号日野バイパス(延伸)
⑦国道20号日野バイパス(延伸)Ⅱ期
⑧国道20号八王子南バイパス
府中3・4・5号新奥多摩街道線及び国立3・4・5号立川青梅線
事業者サイト
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この道路の記事一覧
タグ:東八道路(府中~国立間)
写真等
これまでの工事

これまでの主な工事の状況はこの通りです。
多くの区間で排水管設置が行われたほか、半分くらいの区間で電線共同溝の設置が行われました。
前回訪問時点からの変化を見ると、「街路築造工事のうち排水管設置工事及び電線共同溝設置工事その2(5北南-府中3・2・2の2及び国立3・4・5ほか1路線」と「取付階段基礎設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)」は完了しています。
2025年2月入札が行われた「取付階段上部設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)その2」はまだ現場着手していませんでした。
現地の状況

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)

西原町交番付近の、府中3・4・5号分岐点付近では、全面的に防塵舗装がされ、仮囲いの範囲も変更されています。
これまでは一部防草シートの区域もありました。
国立市のさくら通り方面に至る府中3・4・5号新奥多摩街道線はあまり変化がありません。


西原町公園前の家屋はなくなっていました。一部道路端部に未取得用地が残っているように見えるものの、これにより、この事業で開通のために明らかに支障となる物件は無くなったものと思われます。
東京都のサイトによると、2025年4月1日時点の用地取得率は99%とのことです。

このあたりは、これまでと大きく変わった点はありません。

2024年3月14日に2車線で暫定開放されたJR南武線を越える橋梁は、現在も2車線で、区域内道路としての性格を帯びたローカルな道路のままです。

JR南武線を越える橋梁の暫定開放に伴い、直下の踏切「本宿原踏切」は廃止されています。その踏切への道路跡地に、橋梁へ昇降するための斜路付き階段が設置される予定です。
斜路付き階段の基礎部は、「取付階段基礎設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)」で完了しているようでした。
階段本体となる上部工事は、「取付階段上部設置工事(6北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)その2」は2025年2月に開札されていますが、現在も現場着手していないようで、看板類は見当たりませんでした。

年間発注予定(9月29日公表分)によると、「街路築造工事のうち電線共同溝及び排水管設置工事(7北南-府中3・2・2の2及び国立3・3・2)」が10月上旬に公表予定となっています。(執筆した10月16日時点で公表なし)
建通新聞の報道では、来年度発注予定との記載もあります。(記事の工事がこの年間発注予定の工事と断定できないが)
撮影日:2025年10月13日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。




コメント
東八道路。
八王子南バイパスと併せて全線開通すればかなり便利になると思っていたけど、現状でも分かる通り信号だらけで且つ赤信号に引っかかる確率が高い。
一部立体交差にする計画はあるも、代わりに出来たのは無駄とも思える自転車通行帯。
八王子南バイパスを含めて全線開通してもスイスイ進めるのは国道区間(特に八王子市内)だけ。国立以東は国道20号(甲州街道)の車の量が少し転移するかな程度で結局は渋滞だらけになりそう。
23区~多摩地区の道路は甲州街道、(新)青梅街道も貧弱なモノばかりで、精々新大宮バイパスレベルの道路は欲しいところですね。
レポートありがとうございます。
全くの個人的な意見で恐縮ですが、この区間さえ開通してしまえば八王子と23区間の移動が本当に楽になると思うので、一刻も早く開通して欲しい所です。
未取得地がどこの場所かわかりませんが、
9月26日の「くるまニュース」
ttps://kuruma-news.jp/post/951779
には用地交渉中で強制取得はしないと書いてありました。
共同溝設置も残っているようですから開放はいつになるやら?
既に一部の土地で土地収用法に基づく裁決手続き及び収用が行われており、具体的な出典のない当該記事の情報の信ぴょう性は疑わざるを得ません。
ただし、将来の歩道端部の未取得地となると、道路開通に当たって取得せずとも一応の道路機能として開通させることはできることから、積極的な収用手続きを行わない可能性は十分ありえます。
なお、この道路で整備されるのは電線共同溝であり、共同溝ではありません。
あの家が解体撤去されたということは、本文で触れている歩道に干渉しそうな箇所を除いて車道はすぐにでも工事に取りかかれそうですが、原材料費等が高騰しているので入札が順調に行われるか未知数な気がします。
私は今でこそ高速バスで都内へ乗り入れていますが、この区間が開通していたら間違いなくこっちを使うと思います。それだけ、今の国道20号線の混雑は激しい(渋滞こそしませんがノロノロ運転=特に「五十日や月末」は尚更)ですから。
ところでここが開通したら、ここが新たな国道20号線になり、現道は日野橋みたいに都道になるのでしょうか?
国道にはならないと思います。
ここが開通すると甲州街道のバイパスとしてかなり東八道路がかなり重要になってくるので早期開通してほしいですね。
一方で、東八に接続する小金井・新小金井・天文台通り・新武蔵境通りあたりがさらに渋滞悪化しそうな予感もするので、交通渋滞の解消って難しいですね。
いつもレポートありがとうございます。
「取付階段上部設置工事」については、10月末〜2026年3月末までの工事予定である旨、近隣にチラシが配布されました。ご参考まで。
取付階段上部のうち、北側の方は躯体(と言えばいいのかな)が設置されました!工場製作だからか、ある日気付いたらできてた、という感じですね。