関戸橋架け替え事業 6年目の工事が終了

多摩川関戸橋で行われている架け替え事業ですが、6年目の工事が終了しました。

全体で16年掛かる計画で、夏季は河川の水量が多くなる時期のため、次の工事は秋ごろから再開される見込みです。

事業概要

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

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今年度行われたの工事

今年度は、株式会社鴻池組成友興業株式会社ロード建設株式会社の3社によってそれぞれ工事が行われました。

工事件名はそれぞれ、旧橋撤去工事(北南-関戸橋の4)仮締切撤去工事及び下部工事(北南-関戸橋の5)旧橋撤去工事(北南-関戸橋の6)です。

今回の工事によって、旧橋の上部がすべて撤去されたことになります。

写真等

府中市側(左岸)から見た様子

6月12日現在、今回の工事はすべて完了しています。高水敷に工事機器の一部がまだ置かれていましたが、サイクリングロードなども元通り復旧しています。

完成したA1橋台

今回の工事によって、府中市側の橋台(A1橋台)が整備されました。

5年目の工事により設置されていた仮締切を撤去し、橋台を設置するもので、成友興業株式会社が施工しました。支承などは設置されていません。

旧橋のP3~P6径間があった部分

写真中央付近には、旧橋のP3~P6径間上部が存在していましたが、今回の工事によって撤去されました。株式会社鴻池組が施工しました。

この撤去により、旧橋の上部はすべて撤去されたことになり、地上部分から見える旧橋は、多摩市側のA2橋台の一部だけとなりました。なお、地中には、一部橋脚の基礎部分が残されているはずです。

梁部分も完成したP4橋脚

5年目の工事で梁部分が施工されなかったP4橋脚は、今回の工事によって梁部分も完成しました。コンクリートの色が少し違うのがわかると思います。

あわせて、隣の橋脚と繋ぐ隔壁も設置されています。橋脚が隣接していると、乱流が発生し、橋脚周りを洗堀する可能性があることから、その対策だそうです(出典)。

旧P12橋脚があった付近

この付近の地中に存在していた、旧橋P12橋脚基礎部分の撤去も行われたはずです。ロード建設株式会社が施工しました。

撮影日:2021年6月12日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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