関戸橋架け替え事業 9年目の工事が開始

府中市多摩市を結ぶ、多摩川関戸橋で行われている架け替え事業ですが、9年目の工事が開始されました。

事業概要

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

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写真等

関戸橋の工事は、多摩川の非出水期となる秋~春にかけて行われています。

今期は1件の工事が現場で行われています。

工事件名は「橋脚基礎洗堀防止工事(5北南-関戸橋の13)」で、2024年3月12日までの予定で、ハネイシ建設株式会社が施工しています。

今年度の工事は、橋梁周辺の護岸・護床工事と、新設橋梁と既設上流側橋梁とを繋ぐ隔壁を設置します。

右岸側(多摩市側)から見た様子

去年までの工事で、旧橋の撤去はすべて完了するとともに、新設橋脚・橋台の設置もすべて完了しています。

11月19日現在、河川内の一部をオレンジ色のネットで囲って立ち入りできなくしている状況です。

なお、これより下流の大丸用水堰の撤去工事も行われており、搬入路が関戸橋付近から設けられている関係で、部分的に工事エリアが重複しています。

関戸橋の上流側

工事に伴い、多摩川の澪筋を多摩市側に寄せる”瀬替え“を行う予定で、関戸橋の上流側では掘削が行われている状況でした。

施工済みの隔壁

既設上流側橋梁(旧府中方面車線)と新設橋梁との間には隔壁が設置される予定です。P4橋脚の隔壁は既に設置済みで、これと同じようなものをP1橋脚を除く他の橋脚にも設置します。

2つの橋脚が近接しているため、水の流れを整えて洗堀を防止する目的があるようです。

左岸側(府中市側)

府中市側は高水敷も一部立ち入り禁止になっています。

右岸側では護床工を行うためとみられるコンクリートブロックの製造が行われていました。

関戸橋では、上部工を施工する「関戸橋(5)鋼けた製作・架設工事」の入札が4月6日に行われ、三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社が落札しています。工期は2026年7月2日までとなっています。
今期はこれらの架設工事は行わない模様で、架設は来年度以降となりそうです。

全体工期16年とされていますが、若干遅れているような気もしなくもないですがどうなんでしょう?

撮影日:2023年11月19日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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