関戸橋架替事業[2018年9月] 仮橋設置が完了

多摩川関戸橋で行われている架け替えの進捗状況を見てきました。

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

最近の発注状況

工事
発注年度工事名称受注者
2015年度関戸橋仮橋設置工事(27南東-関戸橋)巴山建設株式会社
2016年度関戸橋仮橋設置工事(28南東-関戸橋)巴山建設株式会社
2017年度関戸橋仮橋設置工事(29南東-関戸橋)松井・巴山建設共同企業体
2017年度関戸橋架け替えに伴う仮橋舗装工事及び取付道路改修工事(29南東-関戸橋)木本建興株式会社
2017年度関戸橋架け替えに伴う擁壁設置工事(29南東-関戸橋)有限会社藤篠
2018年度関戸橋整備工事に伴う取り付け道路改修工事及び排水管設置工事(30北南-関戸橋)木本建興株式会社
2018年度関戸橋架け替えに伴う照明設置工事(30南東-関戸橋)デジタル産業株式会社
2019年度旧橋撤去工事及び下部工事(左岸側)(北南-関戸橋その2)オリエンタル白石株式会社
2019年度旧橋撤去工事及び下部工事(右岸側)(北南-関戸橋その3)株式会社ノバック
2019年度関戸橋仮橋補修工事(31南東-関戸橋)株式会社ノバック
2020年度旧橋撤去工事(北南-関戸橋の4)株式会社鴻池組
2020年度仮締切撤去工事及び下部工事(北南-関戸橋の5)成友興業株式会社
2020年度旧橋撤去工事(北南-関戸橋の6)ロード建設株式会社
2021年度旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の7)ノバック・林建設共同企業体
2021年度下流橋下部工事(3南東-関戸橋の8)村本建設株式会社
2021年度旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の9)ロード建設株式会社
2022年度下流橋下部工事(4南東-関戸橋の10)坂田建設株式会社
2022年度旧橋撤去工事(4南東-関戸橋の11)ロード建設株式会社
2022年度下流橋下部工事(4南東-関戸橋の12)株式会社フジタ
2023年度橋脚基礎洗堀防止工事(5北南-関戸橋の13)ハネイシ建設株式会社
2023年度関戸橋(5)鋼けた製作・架設工事三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社
2023年度関戸橋取付道路路面補修工事(その14)株式会社北前建設
委託
発注年度委託名称受注者
※これ以前は情報収集していません
2023年度関戸橋詳細補足設計(その8) セントラルコンサルタント株式会社
2024年度関戸橋架替えに伴う道路詳細設計(6南東-関戸橋) セントラルコンサルタント株式会社
2024年度関戸橋(上流橋)詳細設計 セントラルコンサルタント株式会社
この表の注意事項
データ収集期間:工事すべて、委託2023年度~(それ以前は収集していません)
最終更新日:2024年11月24日

自治体等が運営する入札情報サービスなどをもとに情報を収集しています。見落とし等をする可能性があり、すべての契約を網羅しているとは限りません。また、入札後随時更新することは労力がかかりすぎて不可能であるため、データ収集開始日以前及び最終更新日以降の情報は掲載できていません
発注年度は入札日を基準としています。工事や業務は複数年にまたがる場合があります。
次の委託・工事は原則掲載しません。
・入札情報サービスに掲載されない契約(特命随契、少額随契、見積合わせ、オープンカウンター方式による契約など)
・用地の管理工事
・維持・修繕等の単価契約価契約
・入札不調や取り下げられた案件(公表する一部自治体除く)
・占用企業者による工事
・物件補償や土地鑑定
・積算照査や発注者支援業務
など


この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

仮橋は設置完了

左岸側から見た仮橋

2015年秋ごろから行われていた仮橋の設置工事は、予定通り3年かけて設置が完了しました。2018年6月~7月頃だったかと思います。

長かったような、短かったような、そんな3年でした。青色の桁が目立つ13径間の橋です。多摩川中流部では初めての仮橋を用いた橋の架け替えだそうです。

上部の舗装工事が行われている

設置が完了した仮橋は現在、舗装工事が行われています。

仮橋(右側)と上流側橋(北行き車線)(左側)

仮橋は既に区画線の工事のほか、照明設置工事

周辺工事も進む

左岸側(北側・府中側)の鎌倉街道

北側では仮橋にスムーズに車線が流れるよう、NECの用地に暫定的に道路築造が行われています。(NECは左側)

左岸上流側の多摩川通り

鎌倉街道と交わる多摩川通りも交差点付近の拡幅工事が行われています。ほんの少しの拡幅です。

左岸下流側の多摩川通り

こちら側も若干手が加えられています。

都合上撮影できていませんが、このほか右岸側(多摩市側)でも工事が行われています。

なお、工事によって一時的に片側1車線になっている箇所や車線減少している箇所がありますので注意が必要です。

年内に仮橋を使用開始し交通切替か

北側から撮影した関戸橋(左から下流側橋・上流側橋・仮橋)

仮橋の完成に伴い、年内にも交通の切り替えが行われる予定です。

府中市議会録によると、「車道、歩道の交通切りかえを順次実施し、本年(2018年)12月上旬に全ての切りかえが完了する予定」とのことです。

以下に交通切替後(完全に切り替えた後)の車線図を多摩市側(右岸側)から。

設計図を参考に作画。カラー舗装・一部道路標示・一部交通安全施設は表記していません。描き漏れがあっても責任は負いかねます。車線の切り替えは段階的に行う予定です。

橋前後のカーブ
北行き車線の分離
上流側橋の対面通行
には特に気を付けたいですね。

そろそろ見納めとなる下流側橋(旧橋)

下流側橋(旧橋)の撤去はこれから行う予定です。1年目は「橋脚躯体4基・橋脚基礎3基・橋面撤去工L=375.7m、床版・桁撤去工7径間」の撤去と、「工事用道路工1式、市道切回し工1式」を行うようです。

8月末に開札があり、その業者が決まりました。

業者は「松井・巴山建設共同企業体」で、落札金額は「814,320,000円」とのこと。
この「松井・巴山建設共同企業体」は「関戸橋仮橋設置工事その2(2年目の工事(」、「関戸橋設置工事その3(3年目の工事(」の施工業者でもあり、とりわけ巴山建設株式会社については「関戸橋仮橋設置工事(1年目の工事)」の施工業者でもあります。連続して同じ業者となりました。

工期は「契約確定の日から平成31年 7月12日まで」となっていますので、来年の夏には旧橋が一部分無くなっていることでしょう。ちょっと寂しい気もします。

撮影日:2018年9月6日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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