世田谷区の目黒通りを延伸し、川崎市に至る道路のうち、多摩川を横断する等々力大橋(仮称)の本体工事が今年度着工されるので見てきました。
2018年11月以来2年ぶりの訪問です。今回も橋の前後の区間も一緒に見てきました。
追記
等々力大橋の工事は、川崎市議会録によると契約まで行われたようですが、結局、何らかの理由により2020年度は工事着手されませんでした。
東京都側の都市計画道路名は放射第3号線、神奈川県側は川崎3・3・10号宮内新横浜線です。この道路のほかに、多摩堤通りや多摩沿線道路、府中街道なども一部改良します。
2021年6月12日追記
等々力大橋の工事について、入札も行われ施工者も決まっていましたが、2020年度中には着工されませんでした。
事業概要
目黒通りを延伸し、多摩川に橋を架け、川崎市側も道路を新設する事業が行われています。
東京都側の都市計画道路名は「放射第3号線」、神奈川県側の都市計画道路名は「川崎3・3・10号宮内新横浜線」で、橋の名前は「(仮称)等々力大橋」です。
放射第3号線
放射第3号線は港区芝白金台町一丁目から世田谷区玉堤二丁目神奈川県界に至る延長約10,000mの都市計画道路です。このうち、等々力不動前交差点から多摩堤通りに至る延長約775mで事業を行っています。
事業認可は1990年6月28日で、施行者は東京都です。
幅員25~33mで、片側2車線の道路となる計画です。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約775m |
幅員 | 25~32m |
事業施行期間 | 1990年6月28日~? |
2020年7月26日現在 |
川崎3・3・10号宮内新横浜線ほか
川崎3・3・10号宮内新横浜線は川崎市中原区宮内1丁目(東京都界)から川崎市高津区蟹ヶ谷悝槍ヶ崎(横浜市界)に至る延長約4,560mの都市計画道路です。このうち、宮内1丁目、2丁目地内の約720mで事業を行っています。
また、これに関連する街路として、川崎3・4・3号鹿嶋田菅線や、市道幸多摩線などの事業も行っています。
事業認可は2011年1月4日で、施行者は川崎市です。
幅員22~34mで4車線となる計画です。
施行者 | 川崎市 |
延長 | 約720m(宮内新横浜線のみ) |
幅員 | 22~34m |
事業施行期間 | 2011年1月4日~2031年3月31日 |
2021年3月30日現在 |
(仮称)等々力大橋
多摩川を横断し、東京都世田谷区と神奈川県川崎市中原区を結ぶ橋として事業が行われています。
事業主体は東京都・川崎市、施行主体は東京都です。橋長は約390mで、鋼4径間連続鋼床版箱桁橋となります。
事業主体 | 東京都・川崎市 |
施行主体 | 東京都 |
延長 | 約390m |
上部工形式 | 鋼4径間連続鋼床版箱桁橋(ケーブル補剛) |
下部工形式 | 橋台 2基(場所打ち杭) |
橋脚 3基(ニューマチックケーソン) | |
2020年7月26日現在 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
写真等
東京都側
撮影位置はこの通りです。あわせて整備される関連道路については記載していません。
環八通り~多摩堤通りまでの区間は2年前と全く変わっていません。記録のため掲載しておきます。
このあたりは暫定車線数による運用が行われています。
徐々に幅員が絞られていきます。
このあたりから先は歩道等も暫定整備になっています。変わっていません。
右側では谷沢川分水路の工事が本格化していました。大雨の際などに分水されるトンネルで、2024年度の完了を目指しています。
工事箇所は道路予定地でもあります。
多摩川を横断する部分には等々力大橋(仮称)が設置される予定で、11月から河川区域内の工事が始まる予定です。11月4日と19日に見に来たんですがまだ始まっていませんでした。(もう暫くは来ません)
既に過年度までに搬入路設置工事や低水護岸設置工事などは行われていますが、橋梁本体の工事が行われるのは今年度が初めてとなります。
今年度行われる工事件名は「等々力大橋(仮称)下部工事(その1)」で、飛島建設株式会社が施工します。
工事は多摩川の渇水期にあたる秋~春の間のみ行われます。
今回行われる工事は3つある橋脚の真ん中、P2橋脚の設置工事です。
工事にあたっては、工事用仮橋(仮桟橋)なども設置されるようで、結構大掛かりな工事になるようです。工事用通路は東京都側から、既に昨年度設置したものが使用されます。
現場の看板の写真を借りると、赤線で囲んだものが建設される感じです。
神奈川県側
撮影位置はこの通りです。(キャノンはキヤノンの誤りです。あわせて整備される関連道路は記載していません。)
川崎市HPによると、2020年3月末現在の用地取得率は46%。
川崎市側でも河川の工事を行っていますが、橋の工事とは直接関係なさそうでした(サイクリングロードの拡幅工事等)。
用地は少しずつ進んでいるようですが、正直橋の完成に間に合うのか心配なレベルです。
写真に写っている範囲でも、2年前と比べると少し進展があります。
このあたりは工場のようなものがあった場所です。
「宮内新横浜線の工事着手迄の暫定利用です。」と書かれた看板とともにコインパーキングが営業していました。
ストリートビューを見ると住宅が建っていた場所のようです。
このあたりも特に変わらず。
正面の土地には食品メーカーの建物がありましたが、現在は西宮内保育園の仮園舎が建っています。西宮内保育園はここから200mほど行った場所にある市営の保育所でしたが、建て替え・民営化することになり、道路用地を使って仮園舎を運営しているようです。
2021年4月からは元の場所の新園舎で民営化し、「(仮称)エクセレント西宮内保育園」として開園予定とのことです。
食品メーカーの建物があった土地のうち、道路予定地外の土地(左奥)にはセブンイレブンができています。
このように、まだ住宅が建っています。
このあたりは準工業地域で工場も多く、移転先を見つけるのも難しいことが考えられ、なかなか進んで行かないような気がします。
あわせて行われる交差点付近の府中街道拡幅も少しずつ。
橋梁は2025年度の完成を目指しているとのことですが、川崎市側の進捗大丈夫ですかぁぁぁ。
撮影日:2020年11月4日、19日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
等々力大橋、気になっていました。
10年ちょっと前、等々力に勤務していた頃に建設計画が発表された時の周囲の反応は「そんなこと言っても完成は10年先になるだろう」という反応でしたが、まだまだ甘い観測でしたね。今後は着々と進展することを祈ります。元気なうちに渡ってみたいです。
『俺の居場所』、いつも楽しみに拝読しています。街並みが開けていく情報をこんなに丁寧に提供してくれるサイトはほかにありません。(最近の記事更新のハイペースぶりには驚いています。)今後も健康と調査中の事故に用心しながら続けてくださるようお願いいたします。
「等々力大橋の整備に関する基本協定締結」を都・川崎市が締結し事業化したのが2010年ですからちょうど10年前ですね。(その前の色々な調整があると考えると、仰るように建設計画の発表は10年ちょっと前ですね)
橋梁は令和7年度を目標に整備をするそうですが、関連道路などの整備がしっかり進んで行くのか、特に川崎市側は気になるところです。お元気なうちに渡れるはずです。
最近はシェアサイクルを使うようになって移動がしやすくなったこともあり、1日で数カ所、多い日には10カ所程度は回ることができるようになったので、ネタが溜まりがちです。情報の鮮度が落ちないうちにと毎日更新しています。それでも掲載が1ヶ月遅れになりそうです。
最近はコロナがまた流行りだしているようなので外出の頻度を減らすかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
世田谷通りから多摩堤通りに繋がる道路も予定されていて、慢性的な二子玉川駅周辺の渋滞解消には絶対に必要な橋ですよね。渋滞が酷いコヤマ教習所から二子橋の間の道路整備や、台風被害を受けた地域の堤防工事などの予定などあったりするんですか?
記事には関係ありませんが、外環道の工事で、東名高速の高架下に仮橋が架かりましたよ。野川上流部に架かってるのと同じような物ですが。それと京王線、百草園~高幡不動の間の道路拡張工事の記事化、お願いします。
丸子橋~二子橋まで4.5kmほど一般道の橋がなくどちらも交通が集中することもあり、等々力大橋の重要性はかなり高いと思います。
多摩堤通りのうち、二子玉川駅前から国道246号橋梁下付近までの区間は優先整備路線(2025年度までに優先的に整備すべき路線)に選定されていいます。いまのところ事業化はされていないはずです。
台風被害を受けた二子玉川の無堤地区は、台風以前より堤防の建設が計画されていたところですが、台風被害を受けて策定された「多摩川緊急治水プロジェクト」においても堤防整備が位置付けられています。今後整備が行われるものと思われます。
仮橋の件は知りませんでした。ちょっと何の仮橋なのか気になるところです。
川崎街道・北野街道の拡幅ですが、よく通る道なので記録しておこうと思っているところです。
とある情報によると、色々あって今年度は中止になったようです💦
関係した業者は辛い目にあったそうな…
そういうことだったんですね。ありがとうございます。
Twitter上の画像を見てもなかなか工事が始まっている様子がなかったので不思議でした。