八王子市で事業が行われている国道20号八王子南バイパスの進捗状況を見てきました。
概ね西側より工事が進められています。相武国道事務所の事業概要によると、今年度は当初予算で79億円の事業費が付いていて、今年度も工事がかなり進んでいきそうです。
さて、4月28日に公表された相武国道事務所事業概要において、八王子市大船町~館町間について今後5か年程度で開通すると、新たに見通しが公表されました。八王子南バイパスの未開通区間の開通見通しが公表されるのは、これが初めてです。
ここでいう、大船町~片倉町間は下記で示した通りです。
ただ、ここを先行して開通させて、片倉町交差点や打越交差点などが渋滞しないか、少々心配ではあります。
2024年5月追記
2024年5月に開催された「国道20号八王子南バイパス・日野バイパス(延伸)連絡調整会議(第1回)」において、硬質な頁岩による作業効率の低下が発生したため、「具体的な開通予定時期については改めてお知らせする予定」と、事実上開通見通しの延伸がされました。
この記事は掲載当時の情報です。
事業概要
八王子南バイパスは八王子市北野町から八王子市南浅川を結ぶ全長約9.6kmの道路です。都市計画道路名称は八王子3・3・2号東京八王子線。
事業者は国で、国道として整備が計画されています。現在既に暫定的に整備されている部分は市道となっている部分もありますが、将来は国道となる見込みです。開通時期は「お答えできない」として現時点では未定・非公表のようです。2021年4月27日付の記者発表により、八王子市大船町~館町間(ロピア付近より以西)について、今後5か年程度での開通と発表されました。
道路規格は第4種第1級で、本線部分は往復4車線、設計速度は60km/hで計画されています。現在の国道20号のバイパスとして建設が進められています。
なお、現在のように高尾山インター方面に至るルートは、1997年2月24日の都市計画変更によって決定されました。
それまでは北野町から西へそのまま伸び、現在の椚田遺跡公園通りが八王子3・3・2号で町田街道とぶつかる予定でした。
この都市計画変更によって椚田遺跡公園通りの東側区間や八王子3・4・8号大塚小比企線などのルートも一部変更された他、同時に八王子1・3・1号首都圏中央連絡道路(圏央道)の高尾山インター(当時は八王子南インターという仮称だった)~神奈川県境間も都市計画決定されました。
八王子南バイパスは大部分が他の幹線道路と立体交差する計画で建設されています。
施行者 | 国 |
延長 | 約9.6km |
幅員 | 22~51.6m |
事業化 | 1997年度 |
部分開通 | 町田街道~高尾山インター間 約2.6km 2010年7月31日15時 |
都道八王子城山線~市道めじろ台寺田線間 約300m 2015年3月27日14時 | |
2020年5月7日現在 |
八王子南バイパスの東側では、別に日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)Ⅱ期の事業が行われています。日野バイパス(延伸)・Ⅱ期については下記をご覧ください。
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
写真等
今回は、既に開通している浅川トンネルを除く、全区間の様子を見てきました。
記事の構成上、下記の通り分割して掲載します。(この記事独自の分割構成です)
工事の看板等は5月3日に現地で確認したものであり、見落としている可能性もあります。また、工事内容は現場の看板や入札公告等から得られたものです。設計変更などが行われている場合もあります。
①八王子医療センター付近
八王子医療センター付近では、上記図の赤色で示したような工事が行われています。工事位置や内容は異なっている可能性があります。
八王子南バイパスと町田街道が交差する医療センター入口交差点周辺では、八王子南バイパスがオーバーパスするための陸橋工事などが行われています。工事入札などでは「館高架橋」と記載されています。
館高架橋 床版工事
浅川トンネル起点側坑口と町田街道との間では、床版工事が行われています。床版とは、橋の床板のようなものです。
この部分では、過年度の工事によって橋桁の架設が終了しており、今回の工事はこの橋桁の上に床版を載せる工事のようです。
工事件名は、「R2国道20号八王子南BP館高架橋床版工事」で、2021年9月30日までの予定で、株式会社ナカノフドー建設が施工しています。
館高架橋 橋脚・橋台工事
医療センター入口交差点の都心側では、P1橋脚とA1橋台の設置工事が行われています。
前回、小雀建設株式会社が均しコンまで施工した続きの工事で、これが完成すると館高架橋の下部工は概ね完成するものと思われます。
工事件名は、「R2国道20号八王子南BP館地区改良他工事」で、2021年6月30日までの予定で松本土建株式会社が施工しています。
この工事は、下記で記載する医療センター交差点前の切土工事と抱き合わせの工事です。
入札情報サービスによると、館高架橋では、2021年02月24日開札で以下の入札が行われました。
・R2国道20号八王子南BP館高架橋上部その6工事
入札公告によると、この工事は、A1~P3径間の上部「鋼3径間連続細幅箱桁橋」の製作・架設を行うもののようです。
入札の結果、エム・エムブリッジ株式会社が落札しています。
擁壁工事
館小中学校の北側斜面では、擁壁工事が行われています。UR管理道路と八王子南バイパス下り側道の間に擁壁を設置するものです。
工事件名は、「R2国道20号八王子南BP館地区改良その16工事」で、2021年6月26日までの予定で、成友興業株式会社が施工しています。
この部分では、3月下旬までの予定で大木建設株式会社が深礎杭の設置工事などを行っていました。
今回はその深礎杭の下側の土砂の掘削と、隔壁、擁壁表面の施工などを行うようです。
この工事でこの部分がさらに広がることになります。
医療センター交差点前の切土工事
医療センター交差点前では、切土工事が行われています。
設計図面によると、写真正面にある館ヶ丘団地方面に至る市道横山92号線を医療センター駐車場正面に付け替えるために、正面の山を掘削するものです。(市道横山92号線の付替えは別途工事)
工事件名は、「R2国道20号八王子南BP館地区改良他工事」で、2021年6月30日までの予定で松本土建株式会社が施工しています。
上で書いた橋脚・橋台工事と抱き合わせの工事です。
館第二トンネル
館小中学校前付近~都立翔陽高校東側付近まで、八王子南バイパスの本線はトンネル構造となる予定です。入札等では「館第二トンネル」と記載されています。
そのトンネルの函渠工事が2021年3月10日開札で入札が行われ、鹿島建設株式会社が落札しました。
5月3日現在、まだトンネル工事は始まっていませんが、現地には樹木の伐採工事を予定していることを知らせる看板が設置されていました。
将来的にはこの地下に本線のトンネルが設置される予定です。
入札公告には、今度の函渠18基を設置すると記載されています。工事設計書等がまだ公表されていないので、どの部分の工事なのかよくわかりません。
医療センター東側ではこのような並木になっていて、ほぼすべて(すべて?)の樹木に、伐採予定であるとの張り紙がされています。
この記事は2ページ目以降もあります。
コメント
館第二トンネルは、規模的に中堅ゼネコンかと思いきや鹿島なんですね。スーパーゼネコンでもこの規模の工事を受注しないとやっていけないくらい経営が大変なんでしょうね。
入札調書を見ると、準大手や中堅といわれるようなゼネコンも応札しているようです。
予定価格60億円なのでスーパーゼネコンが入ってもおかしくはないかなと思いました。
建設業界の厳しさはどこもありそうですね。
館町団地に住んでいる者です。殿入会館付近からトンネルを抜けるゆりのき台の地上部の側道部がよくわかりません。やはり本線トンネルの上に側道のトンネルで通すのでしょうか?
地上部の側道は地上を通ることになります。
館町団地自治会のサイトにイメージ画像が掲載されています。