東村山市で事業が行われている西武新宿線、国分寺線及び西武園線(東村山駅付近)連続立体交差事業の進捗状況を見て来ました。
2025年6月29日(日)初電から西武新宿線の下り線が高架に切り替えられる予定です。
6月1日には、高架化に先立ち、東村山市在住の方及び一般の参加申込者を対象に施設見学会「レールウォーク」が実施されました。が、撮影動画をSNSに掲載禁止ということなので、その趣旨を鑑みると画像も同じかなと思うので掲載しません(許可が得られたら掲載します→掲載不可とのことなので掲載しません)。

事業概要
西武新宿線、国分寺線及び西武園線(東村山駅付近)連続立体交差事業は東村山市の東村山駅付近の線路を連続立体交差する事業です。
東村山駅には西武新宿線、西武国分寺線及び西武西武園線が乗り入れており、東村山駅付近の約4.5kmの区間の線路を高架化します。これにより、付近の5箇所の踏切が解消されます。
2012年10月2日に都市高速鉄道の都市計画決定及び周辺の関連する都市計画道路の都市計画変更を行いました。その後、2013年12月10日に事業認可を得て、東京都が道路事業の一環として事業を行っています。
2024年3月1日には、この事業に係る仮線工事(東村山都市計画都市高速鉄道事業西武鉄道新宿線、西武鉄道国分寺線及び西武鉄道多摩湖線に伴う仮線工事(東京都東村山市本町四丁目地内から同市本町一丁目地内まで、同市久米川四丁目地内から同市久米川五丁目地内まで及び同市本町一丁目地内から同市美住町二丁目地内まで)が、土地収用法に基づく事業認定がされました。※事業本体は、都市計画法の事業認可をもって土地収用法の規定が適用されます。2013年に都市計画法の事業認可を受けています。※事業認定されたからと言ってすぐに強制収用されるわけではありません。
事業名称 | 西武新宿線、国分寺線及び西武園線(東村山駅付近)連続立体交差事業 |
施行者 | 東京都 |
延長 | 約4.5km(新宿線約2.3km、国分寺線約0.8km、西武園線約1.4km) |
事業施行期間 | 2013年12月10日~2029年3月31日 |
構造形式 | 高架方式 |
解消される踏切数 | 5箇所 |
高架化 | 新宿線下り線:2025年6月29日~ |
2025年4月9日現在 |
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写真等
東村山駅部

東村山駅部の高架は、現駅ホームの直上に構築されています。
高架ホームは2面4線となる計画で、既に2面4線分の高架構築がされています。
施設見学会時見たところによると、既に高架ホームも2面4線分構築されていて、そのうち6月29日に使用開始する下りホーム1面2線のみホームタイル舗装やホームドア、階段、エレベーターなどの設置がほとんど出来上がっている状態でした。
高架上りホームはホーム床版などは出来上がっていましたが、タイル舗装やエレベータ設置などはまだといった状況でした。

下り地上ホームの脇には、高架ホームへ至るコンコース予定地が見えるようになっていました。内装なども出来上がりつつあるのがわかります。
将来は地上に改札階ができる予定です。しばらくは高架ホームと地下改札階への行き来が大変になりそうです。

下りホームが隣接する西口側は、高架ホームの外装などが出来上がりつつありました。「八国山の自然」や「菖蒲」をデザインモチーフとして採用した外装で、マンションが隣接した部分を除き、透過性を確保した材料が使用されています。(マンションが隣接した場所はプライバシー保護のため曇りパネル使用)

上りホームが隣接する東口側の外装はまだ工事中ですが、骨組みなどは出来上がっていました。
東側は作業構台を置いたりしていることもあり、今後どうやって工事を進めていくのかわかりませんが、駅部だけで言えばもう少しのような感じです。
東口駅前広場では、レイアウト変更を伴う再整備が計画されています。
東口駅前広場の改修についてはこちら

西武新宿線(東村山第5号踏切)

所沢方は東村山第5号踏切を越えたところまで下り線線路の敷設が進んでいて、架線の設置も行われていました。
西武新宿線(久米川第2号踏切)

府中街道と交差する久米川第2号踏切では、既に高架橋が準備済みです。
準備されている高架橋は上下線一体となったもので、現在は仮橋台(ベント)を設置して南側にずれています。おそらく上り線の高架工事が進んだ段階で横にずらすものと思われます。同様の工法は、西武拝島線の西武萩山立体交差でも行われました。
西武園線
西武西武園線も高架工事が進んでいますが、(園)東村山第3号踏切の前後が少し遅いかなという状況です。
資機材搬入の都合で、踏切から遠い奥から工事を進めてきたようにも見えます。
国分寺線

西武国分寺線は、一部区間に仮下り線を撤去しないと工事が始められない箇所があると見られます。
国分寺線と西武園線は、現在は東村山駅の西側ホームに到着していますが、高架化後は2面4線ある真ん中の線に到着するようになります。西武新宿・国分寺方では、国分寺線と西武新宿線下り線は立体交差します。立体交差部は高架構築が進んでいて、国分寺方の橋台も見えました。
撮影日:2025年6月1日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
自分も行きました。
西武園線は新宿線下りと共用、国分寺線は新宿線上りと共用と聞きました(工事関係者なのでダイヤまでは分からないと思う)が、
ネット情報をみると、国分寺線と西武園線は直通運転するようですね。
正確なことは一切わかりませんが、国分寺~西武新宿方面の乗り換えは小川でやればいいので(場合によっては乗換回数増えますが)、東村山では川越方面との乗り換え利便性を持たせるのかなぁなんて想像していました。
すなわち、国分寺線東村山止まりを西武新宿線下りと接続、東村山始発を西武新宿線上りと接続。国分寺線の1/2は西武園方面と接続、残り1/2は留置線を使って折返し・・・なんて思いましたが、ダイヤが結構複雑になりそうなので、それはないのかなぁ、とも思ったり。
いつも綿密な取材レポートありがとうございます。東村山市民としては西武新宿線の連続立体交差化事業は常時渋滞のネックとなっている府中街道踏切(久米川第2号踏切)や踏切内で道路が複雑に交差する大踏切(東村山第1号踏切)などが解消されて喜ばしい事なのですが、一つ解せないのが府中街道「久米川辻交差点」から諏訪町へと抜ける道路と交差する東村山第5号踏切が立体交差化されないところです。現在は府中街道から公事道を経由して二瀬橋交差点、所沢西口方面への抜け道として利用され交通量がとても多いところです。将来的には府中街道の計画新道が開通すればこの踏切への交通量が減ると見込んでのことなのか?或いは第5号踏切から所沢駅方向に向かっては崖の中腹を走るようにして二瀬橋交差点、柳瀬川と交差する橋梁へと半立体化されているから良しとされてしまったのか?
おそらくですが、連続立体交差事業の要件(要するに国庫補助の対象となるかどうか)を満たさなくなるからだと思います。
連続立体交差事業の要綱はここに載っています。
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_tk_000020.html
連続立体交差事業は道路事業の一環として行われる事業であり、大きな目的は道路の改良です。この東村山駅付近の立体化の大きな目的は、府中街道の踏切(久米川第2号踏切)の解消です。
久米川第2号踏切を含む形で連続立体交差事業とする場合、鷹の道(久米川第3号踏切)はボトルネック踏切のため要件を満たす踏切道で、次の東村山第1号踏切も都道でボトルネック踏切です。さらに現在事業中の東村山3・4・10号も幹線道路に含み、ここまでが連続立体交差事業の要件を満たす区間となります。その先、東村山第2号踏切と、(園)東村山第3号踏切は勾配の関係で立体化はやむなしですが、さらにその先570mほど離れた東村山第5号踏切まで立体化させるのは、採択基準を満たさなくなると見られます。
東村山第5号踏切は、改良すべき踏切道やカルテ踏切ではなく、あの程度の交通量ではボトルネック踏切でもない普通の踏切と思われます。また、幹線道路(都道府県道や都市計画道路)でもありません。
さらにその先、まだ事業化されてはいない東村山3・4・35号については、連続立体交差事業の新規着工準備採択がされた2009年時点では計画決定されていませんし、さすがに離れすぎているので単独で立体化させた方が安上がりと思われます。
あくまでも想像です。
久米川2号、ホント詰まるポイントなので早く片側だけでも高架化進めて欲しい