関戸橋架け替え事業 6年目の工事が開始 旧橋上部は見納めに

多摩川関戸橋で行われている架け替え事業ですが、11月より6年目の工事が始まりました。

全体で16年掛かる工事も今回で6年目。意外とあっという間です。

今回も昨年に引き続き下流側橋(旧橋)の一部撤去と、新橋の一部新設を行います。

事業概要

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

今年度の工事

工事はこれまでと同様に、多摩川の渇水期(非出水期)にあたる11月~5月の間に行われる予定です。今回は3件の工事が並行して行われます。

①株式会社鴻池組 施工

株式会社鴻池組が施工する工事件名は「旧橋撤去工事(北南-関戸橋の4)」で、5月下旬までの予定です。

旧橋

情報公開されている工事設計書によると、現在河川内に残されている旧橋(P3~P6径間)の撤去が主な内容です。一部の橋脚基礎は撤去されません。

工事にあたっては、現在のサイクリングロード迂回路をさらに堤防側に移設したうえで、瀬替えも行います。

②ロード建設株式会社 施工

ロード建設株式会社が施工する工事件名は「旧橋撤去工事(北南-関戸橋の6)」で、4月下旬までの予定です。

この辺りの地中にP12橋脚基礎がある

情報公開されている工事設計書によると、右岸側(多摩市側)の地中に埋まっているP12橋脚ケーソン基礎を撤去する工事です。

P12橋脚の躯体は昨年の工事で撤去済みです。

③成友興業株式会社 施工

成友興業株式会社が施工する工事件名は「仮締切撤去工事及び下部工事(北南-関戸橋の5)」で、5月31日までの予定です。

A1橋台

情報公開されている工事設計書によると、工事の主な内容は、左岸側(府中市側)A1橋台の仮締切(鋼管がそれ)を撤去し、新A1橋台を新設します。

A4橋脚(左)

また、昨年度の工事で未完成となっていたP4橋脚の梁部分を新設します。

P4橋脚は昨年度、株式会社ノバックが施工していました。当時開始当初の工事設計書には梁部分も施工するよう書いてありましたが、どういうわけか未完成で工事が終わりました。昨年度は台風被害もあって工事内容を変更したんですかね。

関戸橋の工事はこれで6年目。今年度の工事で旧橋の地上から見えている部分はA2橋台を除いてほとんど撤去されることになります。事業開始から意外とあっという間でした。

撮影日:2020年10月10日、17日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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