横浜市旭区及び瀬谷区で事業が行われている旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業の進捗状況を見てきました。
といっても、事業規模が大きすぎて全体像を追うことは既に困難です。2023年度から既に500億円近い工事が発注されています。
ということで、環状4号周辺を通ってきたので記録しておきます。
追記
環状4号(海軍道路)の切回し道路への切替は、2024年12月18日午後2時とのことです。
2027年に「国際花と緑の博覧会」が予定されています。
事業概要
横浜国際港都建設事業旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業は、横浜市旭区及び瀬谷区の一部で行われている土地区画整理事業です。施行者は横浜市で、面積約248.5haです。
旧米軍上瀬谷通信施設があった地区で、2015年6月に返還され、公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を図ることを目的に事業が行われています。
なお、区域の一部では、2027年に「国際花と緑の博覧会」を開催する計画です。
基本データ
施行者 | 横浜市 |
事業の実施位置 | 横浜市旭区上川井町並びに同瀬谷区上瀬谷町、北町、瀬谷町及び中屋敷三丁目 |
面積 | 約248.5ha |
都市計画決定 | 2022年4月15日 |
事業計画決定 | 2022年10月5日 |
第1回事業計画変更 | 2023年10月5日 |
事業施行期間 | 2022年10月5日~2039年3月31日 |
2024年4月1日時点 |
最近の発注状況
工事 | |||
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発注年度 | 工事名称 | 受注者 | 契約金額(当初) |
※これ以前は情報収集していません | |||
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設解体工事(その1) | 株式会社児島工務店 | 221,430,000 |
2023年度 | 令和5年度旧上瀬谷通信施設地区仮囲い設置工事 | 渡栄企業株式会社 | 12,563,100 |
2023年度 | 令和5年度旧上瀬谷通信施設地区土壌除去工事(その1) | 宮本土木株式会社 | 220,082,428 |
2023年度 | 令和5年度旧上瀬谷通信施設地区仮設道路整備工事 | 株式会社日工 | 163,079,325 |
2023年度 | 令和5年度旧上瀬谷通信施設地区土壌除去工事(その2) | 敷地建設株式会社 | 95,927,634 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設解体工事(その2) | 門倉工業株式会社 | 132,420,434 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その2) | 株式会社紅梅組 | 267,496,406 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その1) | 小雀建設株式会社 | 238,833,757 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園中央エリア3地区整備工事 | 藤・生駒建設共同企業体 | 317,218,000 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園中央エリア2地区整備工事 | 田澤園・小林園建設共同企業体 | 236,060,000 |
2023年度 | 令和5年度旧上瀬谷通信施設地区代替農地整備工 | 株式会社加藤組 | 168,985,303 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業相沢川雨水調整池建設工事 | 大成・大豊・NB建設共同企業体 | 9,089,614,600 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業大門川雨水調整池建設工事 | 戸田・TSUCHIYA・横浜建設共同企業体 | 3,344,992,750 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園東エリア2地区整備工事 | 藤・田澤建設共同企業体 | 339,900,000 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園東エリア1地区整備工事 | 田澤園・横浜植木建設共同企業体 | 254,441,000 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その3) | 株式会社新世 | 118,573,000 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園照明施設整備工事 | ステーション工業株式会社 | 184,300,820 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園デッキ整備工事 | 横浜化工建設株式会社 | 194,466,431 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園北エリア整備工事 | 濱田園・アライグリーン建設共同企業体 | 472,746,555 |
2023年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園植栽基盤工事 | 堀江・横庭建設共同企業体 | 787,057,897 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業基盤整備工事(その3) | 鹿島・東鉄・馬淵・小雀建設共同企業体 | 8,453,621,550 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業基盤整備工事(その2) | 大成・青木あすなろ・奈良・NB建設共同企業体 | 8,593,400,750 |
2023年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業基盤整備工事(その1) | 前田・西松・宮内建設共同企業体 | 7,585,769,950 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その4) | 株式会社大勝 | 184,438,210 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その5) | 横浜建設株式会社 | 202,265,815 |
2024年度 | 環状4号線(北町地区)道路整備工事(橋りょう上部工) | JFEエンジニアリング株式会社 | 1,603,800,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その6) | 株式会社加藤組 | 193,195,283 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その7) | 奈良建設株式会社 | 261,217,886 |
2024年度 | 環状4号線(北町地区)道路整備工事(橋りょう基礎工) | 奈良建設株式会社 | 549,616,917 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設公園(仮称)パークセンター1新築工事 | 不調(2024.8.8) | |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その8) | 奈良建設株式会社 | 256,539,621 |
2024年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園中央エリア1整備工事 | 横浜植木・港南植木ガーデン建設共同企業体 | 410,850,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その9) | 株式会社岡田建設 | 262,800,423 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その10) | 河本開発工業株式会社 | 277,359,228 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業大門川雨水調整池建設工事(その2) | 戸田・TSUCHIYA・横浜建設共同企業体 | 242,000,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設埋設物解体工事(中央地区C2) | 不調(2024.10.4) | |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設埋設物解体工事(中央地区C1) | 不調(2024.10.4) | |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設埋設物解体工事(中央地区B2) | 馬淵建設株式会社 | 223,740,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設埋設物解体工事(中央地区B1) | 風越・中村建工建設共同企業体 | 376,860,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業既存施設埋設物解体工事(中央地区A) | 不調(2024.10.4) | |
2024年度 | (仮称)旧上瀬谷通信施設公園整備工事(その1) | 相武・田澤園建設共同企業体 | 262,350,000 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業準備工事(その11) | 中鉢建設株式会社 | 190,798,608 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業基盤整備工事(その5) | 土支田建設株式会社 | 283,439,447 |
2024年度 | 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業基盤整備工事(その4) | 新栄重機土木株式会社 | 279,727,440 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
写真等
撮影位置はこの通りです。
既に周囲を仮囲いで囲って工事に入っています。入札情報に引っかかる工事だけでも40件以上で、この2年だけで当初契約金額で500億円近くになっています(関連事業含めるとそれ以上。当然債務負担行為あり。EXPO協会発注工事を除く)。
工事の看板はいくつかありましたが、詳しい施工内容は不明です。
~愚痴~
いつも記事を書くにあたって情報公開請求をしたりして図面入手するなど正確性に努めているんですが、横浜市の情報公開請求は電子データでも1ページ10円という謎の金額を取りやがるので、1つの工事で1000円超えたりするんですよね。多くの自治体で紙コピー1枚10円、CD1枚100円とか、それは実費ということで納得できるんですが、電子データのその課金は意味わからないです。知る権利を阻害していると思います。すぐにでも改めていただきたい。
この情報公開請求については、意外とネット上にやり方とか書いていないので、需要があれば解説記事でも書いてみてもいいかもしれません。
ということで、500億円近い工事を開示請求したらいくらになるかわからないので、今回は請求していません。なので工事の詳細は分かりません。
土地区画整理事業のため面的に整備を進めており、また旧米軍基地であるという特性から、中の工事の様子は一部の開口部を除いてほとんどわかりません。
環状4号切回しへ バイパス道路整備中
環状4号(海軍道路)の上記地図で示した区間では、道路を一時的に切回すための仮設のバイパス道路の整備が進んでいます。将来的には元の位置で拡幅する計画ですが、花博開催中は一部区間を遊歩道として開放し、バイパス道路での開放とする模様です。
横浜市が発行している『旧上瀬谷通信施設地区まちづくりニュース』第5号(2024年10月発行)によると、年内にも切り替えを予定しているとのことです。
既に道路照明などの設置は進んでいますが、歩車道境界縁石はないなど、簡易的な道路であることが見てわかります。
途中にある上瀬谷小学校東側交差点部分も切替準備中で、既に信号機の設置が行われていました。
現在の上瀬谷小学校東側交差点は特に大きな変化はありません。
この桜並木を見られるのも残りわずかですし、今年の桜が最後でした。
切回し道路の北側分岐箇所は、旧道へ分岐するトの字形の交差点付近です。
こちらから見ても一部アスファルト舗装未施工の箇所があるものの、ほとんど完成しています。横浜市の道路工事の雑さ勢いの良さを見ると、線を引いてすぐにでも切替えができそうな状態です。
上川井瀬谷1号線切り回し道路
区域の南側及び東側を囲む都市計画道路上川井瀬谷1号線のうち、南側部分は現道を拡幅するような形になる計画です。
この部分でも現道の切回しが予定されているようですが、通ったときは気づきませんでした。まだ囲いの中なのかな。
目黒交番前交差点立体化へ工事着手
環状4号と八王子街道(市道五貫目第33号線)が交差する目黒交番前交差点は、環状4号をオーバーパスさせることにより立体交差させる計画です。
2023年11月に事業説明会が行われたところですが、もうすでに下部工事に入っています。早すぎ。
工事件名は、「環状4号線(北町地区)道路整備工事(橋りょう基礎工)」で、2025年3月31日までの予定で、奈良建設株式会社が施工しています。
なお、工期は契約から半年ほどしかなく、繰越しを前提にしていると思われます。
入札情報によると、工事内容は、場所打ち杭工、橋脚フーチング工3基、橋台工2基などとのことです。
横浜市説明会資料では橋脚は4基見えますが、1基はフーチングなしの可能性もあり、これで大方下部はできるのですかね。
上部工もすでに入札済みで、工事件名「環状4号線(北町地区)道路整備工事(橋りょう上部工)」で、JFEエンジニアリング株式会社が受注しています。
既に中央分離帯部分の撤去が行われています。交差点北側はほとんど手つかずでした。
現在のところそれっぽい工事はまだ始まっていませんが、今後一気に規制帯を張りながら施工すると見られます。
八王子街道(市道五貫目第33号線)の拡幅についてはこちら
その他部分の工事
土留めをして何かを整備中でした。
工事用ゲートはありましたが、道路整備の様子は見えませんでした。
まだ地面部分の基盤整備をしている状況でしょうか。
造成工事が進んでいます。中の様子がわからないのが残念ですね。
撮影日:2024年12月1日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
横浜市はボッタクリだな〜
電子データの1ページ10円って
何を言ってるの?ってレベルだね
工事設計書などは、受注者等が受注のための研究や調査などで頻繁に請求するようなものです。横浜市も金入り設計書については一定期間無償公開をしていますが、図面などはその対象外で、請求が必要となります。
以前横浜市に請求した時は、頻繁に請求されるようなものなのにもかかわらず、開示期限MAXを使って開示してきました。また、3日程度期限を遅れて開示通知を出したのにも関わらず、開示期限延長通知をよこさなかった条例違反も見られました(大事にはしませんが)。
なお、東京都は公開サイトを作っており2年間は無償でダウンロードが可能ですし、東京都内の多くの自治体では情報公開請求よりも簡便な情報提供制度により、数日で提供されることが多いです。(まず不開示はありえない)
2027年に開催予定の園芸博覧会、現状でさえ保土ヶ谷バイパスと東名高速道路の横浜町田IC周辺は渋滞が多発しているのにそんなモノを開催しようものならば、さらに混むことは必至ではないでしょうか。
2005年の愛・地球博に行った時には、会場から遠く離れた場所に駐輪し、そこからシャトルバスで往復しました。博覧会の会場がどの程度の規模になるか分かりませんが、西側に広大な農地があっても一時的に駐車場にする可能性は低そうですから、駐車場と渋滞対策を十分に講じた上で開催して欲しいと思います。
渋滞は必至だと思います。
横浜市は上位計画との整合性が全く取れていない大型開発をすることが多々あるほか、実施計画(ここでは詳細なまちづくり計画等をいいます)と上位計画との整合も取れていないことが散見されます。また、実施計画も、肝心な実施個所などが「随時更新する」などという意味不明な記述も見られます、そこが一番重要なのに(例として横浜市自転車活用推進計画)
上瀬谷に関しても、横浜市の都市マスには「緑農地域」と書いておきながら、土地区画整理後にできるのは「商業地」「工業地」(上瀬谷テーマパーク等)がドーンですから、すでに上位計画との整合性が破綻しています。
こういうのを見ると、ぽっと出のように陸橋を作ったり、インターチェンジの計画ができたり、新交通システムの計画ができたと思ったら消えたりと、住民の意見を取り入れた”計画的な”まちづくりができているとは到底思えません。(都市マスは住民の意見を取り入れるよう措置を講じなさいと法律に記載あり)
ついでに上瀬谷以外の横浜市のまちづくり市政に対して疑問を書いておきます。都市計画道路について、通常は都市計画変更をして都市計画を確定させてから事業説明会を開催し、事業に着手することが通例です。多くの自治体ではこうやっています。横浜市は、先に事業着手(認可)してから都市計画を変更し、ここで説明会をやるという意味不明な手順を辿っている路線があります。これが法令違反かと言われると違反ではないと思いますが、事業地及びその附近地の住民への態度としてはよくないと思います。
情報ありがとうございます。
どんどん変わっていってしまいますね。面影もなくなるんだろうなと思ってます。
職場が近くにあります。混雑するのではと憂鬱な気持ちと楽しみな気持ちもちょっとあります。
なにしろ車通勤なので混雑が怖い、、
テーマパークはこんなところで成立するのかと少々疑問があります。
三菱地所はその次も考えて投資しているのかなぁと思えてなりません。
あきる野市の武蔵引田駅北口の区画整理も形になってきてますね
なんで、あそこまで徹底的に壁で隠しているんでしょうか?
埃やそうおんを防ぐ為ならば、もっと限定的なもので十分ですよね?
今だと、あの広い土地全体に、猫の子一匹入れませんね。
コストもバカにならないと思います。
環境アセスメント対象事業であり、たとえば騒音の項目において鋼製仮囲い(高さ3m)の設置に伴う回折減衰を考慮した評価をしており、高さを低くしたり設置しないのはよくないと思います。ただ、一部をクリアパネルにするなどの対応はできたと思います。
比喩表現だとは思いますが、猫が入れないのはそっちの方がいいんじゃないでしょうか。中は危ないですし。
せっかくこれだけ大きな事業を税金でやっているのですから、通る人に工事の状況を見せて期待を抱かせるような市民還元もしてほしいものです。