多摩川の府中市と稲城市の間にある大丸用水堰では、2019年の台風19号を受けた『多摩川緊急対策プロジェクト』により、2021年度から堰の改築工事が行われています。
工事は渇水期(秋~春)のみで行われており、今期も工事が行われています。今期は堰の府中市側の改築工事が行われていて、今回で大丸用水堰の工事は終了する見込みです。
現地の状況
現在行われている工事は「R4多摩川大丸床止設置他工事」で、2025年3月31日までの予定で、西松建設株式会社が施工しています。
大丸用水堰は、稲城市を流れる大丸用水の水を分水するために設けられているものでしたが、2019年に発生した台風19号(令和元年東日本台風)による豪雨では計画高水位を約1.35m超過するなど危険な状態となり、堰の撤去工事が行われています。
大丸用水は、大丸用水堰のさらに上流に帯工を設置して分水することとし、大丸用水堰は床止に改築されています。既に分水部分は工事済みで大丸用水は帯工から分水されています。昨年度は大丸用水堰の右岸側(稲城市側)の改築工事が実施され、今年度は残る左岸側(府中市側)の改築工事が行われています。
工事は河川を砂利等で区切り瀬替えを行いながら実施されています。
工事に伴い、左岸側(府中市側)の高水敷(河川敷)の一部が工事用地となっています。
高水敷はバーベキュー場として利用されていましたが、その一部は立ち入りできなくなっています。
堰の解体自体は概ね終わっているように見え、この少し上流の高水敷には、大割されたコンクリートが仮置きされていました。
是政橋の上流付近には、床止で使用すると見られるコンクリートブロックが製作され置かれています。
なお、付近を渡るJR武蔵野線の橋梁では、JR東日本八王子支社発注による橋脚の耐震補強工事が実施されていて(施工=ユニオン建設)、施工ヤードが隣接しています。
大丸用水堰改築工事は今年度で終わる予定で、『多摩川緊急対策プロジェクト』も当初から1年延長して来年度で終わる予定です。2024年度補正予算関係で、この周辺の河道掘削なども発注予定に入っています。
昨年度施工部分
これまで、この部分の右岸(多摩市・稲城市側)には低水護岸が存在しませんでしたが、昨年度までの工事で大栗川合流付近までの区間で低水護岸が完成しました。
ただ、サイクリングロードのように一般に開放されているわけでもなく、大栗川を跨ぐ橋梁も整備されていないため、通り抜けることができません。
サイクリングロードは各自治体が河川占用許可を得て整備・管理しているものであるため、多摩市と稲城市にはこの部分の整備をしてほしいなと思います。
撮影日:2025年1月11日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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