多摩川 大丸用水堰撤去にむけ改築工事開始

多摩川府中市稲城市の間にある大丸用水堰では、改築工事が始まりました。大丸用水堰を撤去し、床止め、帯工を設置する予定です。今年度は右岸側の低水護岸工を行います。

大丸用水堰(2017年撮影、写真が古いため現在とは状況が異なっている可能性があります。)

概要

大丸用水堰多摩川の是政橋上流にある堰です。その名の通り、稲城市~川崎市多摩区内を流れている大丸用水の取水堰となっています。

国土交通省の資料によると、2019年の台風19号(令和元年東日本台風)による豪雨で、大丸用水堰付近の右岸側では計画高水位を約1.35m超過するなど、非常に危険な状態となりました。

その後まとめられた『多摩川緊急対策プロジェクト』の中で、大丸用水堰の改築が位置付けられ、2021年度よりその工事が始まりました。

国土交通省の資料によると、改築では、大丸用水堰を撤去し、床止め、帯工を設置します。大丸用水はより上流側(大栗川号中附近)に取水施設を設置し、堤外水路によって取水を確保します。また、河床の掘削を行い、河道断面を確保します。

これにより、2019年の台風19号と同等の洪水でも約1.5mの水位低下を見込んでいるとのことです。

今年度の工事と状況

今年度は2件の工事が行われています。

1件目は「R2多摩川右岸大丸低水護岸工事」で、2022年3月31日までの予定で、若築建設株式会社が施工しています。

今回施工予定の低水護岸工事のうち、上流側を施工するとのことです。

現地に掲載されていたお知らせ

現地に掲載されていたお知らせによると、この工事の工事車両等は関戸橋側から搬入するようです。

2件目の工事は、「R2多摩川右岸大丸用水堰低水護岸工事」で、2022年3月31日までの予定で、株式会社加藤建設が施工しています。

低水護岸工事のうち下流側を施工する予定のようです。

この工事の車両等は是政橋側から搬入するようです。

関戸橋側から撮影

2021年11月7日現在、関戸橋付近にはネットフェンスが設置され、高水敷に立ち入れなくなっています。大栗川合流地点付近には工事ヤードが設けられていて、根固めブロックなどもここで製作されるみたいでした。

工事ヤード

是政橋~関戸橋間の右岸には管理用通路(サイクリングロード)が存在していませんが、この事業が完了すると整備されるのでしょうか?ないかな?

是政橋側から撮影

是政橋側も同様にネットフェンスが設置されています。JR南武線交差付近から先には立ち入れないようになっていました。

改築工事は多摩川の非出水期にのみ行われます。国土交通省の資料によると、来年度以降、堤外水路等の工事を行い、事業完了は2024年度となる見通しです。(計画は変更になることがあります)

堰堤はしばしば水害の原因となることがあり、多摩川では、1974年に狛江市の二ヶ領宿河原堰で発生した破堤(多摩川水害)や、2001年の台風15号で府中市の四谷本宿堰が被災するなどしています。特に多摩川水害では後の裁判で国が敗訴しています。

撮影日:2021年11月7日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0000)

コメント

  1. 是政住民 より:

    前から何か工事してるな、と思って検索してたらこちらに辿り着きました。新しい堰を作ってたんですね。ついでに右岸のサイクリングロードも!と私も思いましたが、やっぱり無理でしょうね…

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      新しい堰を作っているわけではなく、大丸用水堰を壊し、新しい取水施設を作っているのです。新しい取水施設には堰はできません。

      右岸側のサイクリングロードはどうなんですかね。できるといいんですけど、急傾斜地でそこそこ危険なのでないんじゃないかなと予想しています。

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