多摩川「大丸用水堰」撤去に向け2022年度も工事開始 今年度は流入水路等を施工

多摩川府中市稲城市の間にある大丸用水堰では、今年度も改築工事が始まりました。今後数年かけて大丸用水堰を撤去し、床止め、帯工を設置する予定です。

昨年度から工事が始まっており、昨年度は右岸側(多摩市・稲城市側)で低水護岸・高水敷の設置工事が行われました。今年度は、大丸用水の流入水路等の設置工事が行われる模様です。

 

 

この事業の概要については、前回記事をご覧ください。

今年度の工事

多摩川の河川区域内での工事は、非出水期(渇水期)となる秋~冬~春にのみ行われます。夏は台風などで増水することが多いため、工事ができません。

現場に置かれていたパンフレット及び情報提供により入手した図面によると、今年度以降(2025年3月頃まで)は上図の工事等が行われる計画です。複数年で施工する計画です。このほかゲート設備工事も発注済みです(記載していません)。

工事は、大丸用水堰を撤去することが主な目的です。ただ、大丸用水堰では、多摩川を塞き止め大丸用水を分水させているため、上流側に帯工とゲートを設けて、大丸用水は上流側から分水させる計画です。

大丸用水
多摩川の大丸用水堰から分水し、稲城市平野部を網の目状に広がり、登戸方面へと流れる用水路です。(参考

1つ目の工事は、「R4多摩川大丸床止設置他工事」で、2025年3月31日までの予定で、西松建設株式会社が施工しています。

工事内容は、大丸用水堰の撤去、床止工、低水護岸工、帯工、プレキャストボックス工(一部)などです。

なお、現場に置かれていたパンフレットによると、今年度(2022年秋~2023年春)の工事は、プレキャストボックス工、帯工の半分程度を施工し、大丸用水堰は手を加えないようです。

2つ目の工事は、「R3多摩川右岸大丸流入水路設置工事」で、2023年2月28日までの予定で、奈良建設株式会社が施工しています。

大丸用水の新しい流路となるプレキャストボックスの上流側半分程度の施工となるようです。

3つ目の工事は、「R3多摩川右岸大丸用水堰流入水路設置工事」で、2023年2月28日までの予定で、共立建設株式会社が施工しています。

同様にプレキャストボックスの下流側半分程度の施工となるようです。

このほか、ゲート設備の設置などを行う「R4多摩川右岸大丸流入施設ゲート設備設置工事」を旭イノベックス株式会社が施工する予定で、既に業者は決定しています。パンフレットによると、2023年4月上旬~6月下旬頃の施工予定とのことで、現場には看板等は設置されていませんでした。

上流右岸側から見た様子

この日は、現場に国土交通省の監督官が来ていたようで、円になって打合せを行っていました。

多摩川のこの部分の右岸では、関戸橋付近から高水敷(一般に河川敷と言われる部分)に工事ヤードや通路を設置しています。関戸橋の架け替えの工事も現在行われているため、ずっと工事区間が続いているようにも見えますね。

上流右岸から拡大した様子

正面付近が大栗川多摩川が合流する地点付近で、その先の高水敷が昨年度整備した箇所です。工事前までは、右側の崖すぐそばまで多摩川の水が流れていました。

この日はコルゲートの組み立てを行っているようでした。工事車両の渡河通路に使用するのでしょうか。

大丸用水のプレキャストボックスは高水敷地下に設置される計画です。その地上部には管理用道路も設置されるようです。図面を見る限りは、管理用道路は流入ゲート付近までで止まっているので、一般人が遊歩道として、かつ上流から下流へ通ることができるのかは不明です。

大丸用水堰(9月)

大丸用水堰は、今のところ特段の変化はありません。今年度はまだ残りそうですが、来年度以降は撤去工事が始まりそうです。

下流側から見た様子

昨年度施工した高水敷と低水護岸は、堰の上流側までの施工となっています。

将来的には、現在の堰の下流側(写真を撮っている方面)まで高水敷を伸ばすようです。

撮影日:2022年9月11日、11月18日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0130)

コメント

  1. たぬき より:

    2024年2月4日16時頃に現地を訪れました。
    多摩川右岸(稲城市、多摩市側)だけでなく左岸(府中市側)でも工事が行われていました。両岸とも大量のコンクリートブロックが並べられていて迫力がありました。

    左岸は郷土の森バーベキュー場から東京多摩郵便局までの約1㎞もある大きな工事現場になってました。
    この辺は背丈の高い草木が生い茂っており、人が利用できる場所ではありませんでした。
    秋のバーベキュー場はかなり密なので今回の工事を機にバーベキュー場が延伸されて欲しいです。

    工事の様子は国土交通省関東地方整備局の京浜河川事務所が写真付きでわかりやすくまとめていました。
    多摩川における令和5年度の工事状況(令和6年1月1日)
    https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000856914.pdf

    多摩川右岸の様子
    R4多摩川大丸床止設置他工事
    https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000845032.pdf

    多摩川左岸の様子
    R4多摩川左岸南町低水護岸工事
    https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000866563.pdf
    R4多摩川左岸是政六丁目低水護岸工事
    https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000866562.pdf

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      11月頃にも根固めブロック製作工などを大々的にやっていたので記録はしていますが、あまり収穫がなかったので記事化は見送っていました。
      大丸用水関係は人が立ち入れない側の工事が続いているので観察がしにくいのが難点です。
      ドローンでも飛ばせればいいんですが、今は規制が厳しすぎて無理ですね。

  2. たぬき より:

    2024年3月29日18時頃に現地を訪れました。
    府中市側の護岸工事は完了しており、郷土の森バーベキュー場から郷土の森西側の建材店近くの帯工工事現場まで出入りできるようになっていました。
    護岸工事により約500mがまっ平に整地されたので市民向けに活用されて欲しいです。

    帯工工事ですが川の中州あたりへのブロック設置は完了し、府中市側の護岸まで床掘りが完了してました。床掘りした箇所にブロックを設置したら帯工は完成と思われます。

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