登戸土地区画整理事業 道路築造・宅地使用開始が100%完了 事業開始から37年を経て

川崎市多摩区で事業が行われている登戸土地区画整理事業の進捗状況を見て来ました。

1988年から事業が行われている同事業ですが、川崎市のウェブサイトおよび議会資料によると、2025年4月1日時点で仮換地指定率(市管理用地除く)」が100%宅地使用開始箇所及び管理用地面積」進捗率が100%道路築造延長(駅前広場を除く)」進捗率が100%となりました。
土地区画整理事業としての建物移転・道路整備がおおむね完了したことになります。

市議会まちづくり委員会(4月17日)による理事者説明によると、引き続き、駅前広場等や電線共同溝の整備を進め、換地処分に向けた手続きを行うとし、2026年度上半期に換地処分公告を予定しているとのことです。施行期間は今後期間を延伸し、2036年度末までを予定しているとのこと。

現在は登戸駅前広場や、向ヶ丘遊園駅北口広場の整備工事が行われています。

事業概要

登戸土地区画整理事業川崎市多摩区で事業が行われている土地区画整理事業です。周辺には南武線・小田急小田原線の登戸駅や向ヶ丘遊園駅があります。

施行者は川崎市、1988年3月に都市計画決定、1988年9月に事業計画決定を行い、現在も事業が続けられています。

施行者川崎市
施工面積約37.2ha
事業施行期間1988年9月16日~2026年3月31日
2020年9月17日現在

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

写真等

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ

登戸駅前広場

①ペデストリアンデッキから見た駅前広場(地図

登戸駅前では登戸駅前広場の整備工事が、引き続き行われています。

現在行われている工事は「登戸駅前広場整備(2期)工事」で、長栄・清生共同企業体が施工しています。(工期等を示した看板が見当たらなかった)

2024年暮れごろにかけて「登戸駅前広場整備(1期)工事」が施工され、電線共同溝や排水施設の整備が行われました。今回の工事はその続きとなる工事です。
なお、2期工事は1回目の入札が2024年9月に予定されていましたが中止され、再入札の上決定しています。その関係もあり1期工事終了後やや時間が空いています。

今回の2期工事では、バス停等上屋(建築工事)や道路築造(土木工事)を含めた広場の最終形態までの整備を行う模様です。

②現在の広場(地図

広場は1期工事終了後、単管柵等で区切られた簡素な広場になっています。

今後施工区域を切り替えながら整備を進めていくと見られます。

向ヶ丘遊園駅北口広場

③向ヶ丘遊園駅北口(地図

向ヶ丘遊園駅北口では、駅前広場の整備工事が引き続き行われています。

現在行われている工事は「向ヶ丘遊園駅前広場整備(3期)工事」で、2026年3月31日までの予定で、長栄・清生共同企業体が施工しています。

これまで、広場の築造を行う1期工事2期工事がそれぞれ行われ完了しています。

現在行われている3期工事はバス停等の上屋を整備する工事(建築工事)です。

④現在工事が行われているのは改札前(地図

3期工事もすでにGINZA FOREST側は完了していて、現在工事が行われているのは駅改札前付近となっています。
この関係で、施工ヤードが設けられていることから、広場内バス停車位置などが変更されています。

⑤完成済みのバス停上屋(地図

GINZA FOREST前の既に整備されたバス停上屋は、茶色をベースとした落ち着いた風合いで、屋根裏面や柱は木目調になっています。

鋼材部の焦げ茶色は向ヶ丘遊園駅の駅舎屋根の色とよく合っていました。

登戸1号踏切 歩道橋整備箇所

⑥登戸1号踏切南側(地図

向ヶ丘遊園駅の東側すぐの場所にある登戸1号踏切では、小田急電鉄が歩道橋の整備工事を行っています。工事は株式会社フジタが施工しています。整備完了後に登戸1号踏切は廃止される予定です。

横断歩道橋予定地

工事は杭等の工事を行っていると見られ、地上部にはほとんど変化がありません。わずかに階段基礎ができている程度でした。

アトラスタワー南側区画道路

⑦アトラスタワー南側(地図

アトラスタワーの南側で行われていた区画道路の整備工事「令和6年度登戸土地区画整理事業区画道路8-4号線道路築造等工事」は完了していました。

道路入口部には着脱式の車止めが設置されていて、この先は自転車歩行者に限った通行となっています。

高架下区画道路

⑧高架下道路(地図

登戸駅西側の高架下道路の整備工事「令和6年度登戸土地区画整理事業区画道路6-51号線道路築造等工事」も完了していました。

工事前と比べて幅員が縮小されています。

区役所通り登栄会商店街 歩車共存道路に改築へ

⑨区役所通り登栄会商店街(地図

かつてはバス通りだった区役所通り登栄会商店街(特殊道路9-1号線)では、歩車共存道路に改築が予定されています。

現在のところ工事は始まっていませんでしたが、「令和6年度登戸土地区画整理事業特殊道路9-1号線他道路改良工事」の入札が2025年3月10日に行われ、有限会社丸善興業が落札しています。

今回の工事では主に舗装の打換えを行うようで、打換え後は車道幅を3mとし、車道を蛇行させた歩車共存道路となるようです。

既に工事前の道路もそのような区画線が引かれています

この道路では、2022年3月に『区役所通り登栄会商店街まちづくり方針』を策定し、「ウォーカブルなまちづくり」を推進してきました。これまでも道路上にベンチや植栽を置いたりする社会実験が行われています。

設計図を見る限り、今回の工事では方針で示されている景観に配慮した舗装やボラードの設置は行われないようで、これらは今後の工事になるのでしょうか?

記事冒頭で示した通り土地区画整理事業全体の道路築造率は100%となりましたが、2025年度の年間発注予定には登戸1号線などの舗装工事などが掲載されており、今後もまちのにぎわいに向けた表面上の工事が行われるものを予想しています。

土地区画整理事業自体は2026年度上半期に換地処分公告を予定し、施行期間は今後期間を延伸し、清算期間を経て2036年度末までを予定しているとのこと。

撮影日:2025年4月19日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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