高尾駅南北自由通路 2025年度から都市計画変更手続き 現在の状況2025.2

八王子市の高尾駅で事業が予定されている高尾駅南北自由通路の工事前の状況を見て来ました。

2023年度~2024年度までの予定で基本・実施設計が実施されており、2025年度に都市計画変更手続きが行われる予定です。

八王子市のウェブサイトによると、高尾駅では、2014年6月に八王子市・JR・京王電鉄で「高尾駅南北自由通路整備に関する基本協定」を締結し、2015年度には自由通路(八王子8・5・1号高尾駅南北自由通路八王子都市計画通路1号高尾駅南口自由通路線の決定)と北口広場(八王子3・4・64号高尾駅前線)が都市計画決定されました。

しかし物価高騰などから事業費が肥大化したため、自由通路の着工は延期。施設計画を見直し、2022年12月に変更基本協定を締結し、2023年度~2024年度にかけて設計が進められています。施設計画の見直しでは、自由通路幅員を10mから6mに縮小、JRの橋上駅舎についても規模を縮小することとしています。

2025年度にはこれらを踏まえた都市計画変更手続きを行う予定です。

JR側改札(北口)

北口はJRが管理する駅舎と改札口があります。
南北自由通路はこの駅舎左側付近に建設される予定です。

この豪華な現在の駅舎は昭和2年の大喪の礼において、新宿御苑に造られた大葬用仮停車場の用材を使用し、現位置に建てられたと言われています。八王子市のウェブサイトによると、自由通路建設に伴い撤去される予定ですが、JRが既存駅舎周辺での再築する検討がされています。

JR駅舎内

現在は南北の通り抜けには改札を入る必要があり、入場券を支払う必要があります。

現在のJR線内通路

改札内のバリアフリー動線は補助的な手段を使うしかなく、改札内通路にエレベーターはありません。

新しく建設される予定の自由通路は幅員6mで、エレベータ等のバリアフリー設備が整備される予定です。また、合わせて整備されるJR線橋上駅舎についてもエレベーターが設置される予定です。

自由通路は当初幅員10mで計画されていましたが、6mに縮小される予定です。

ちなみに、この近辺の自由通路(自治体が通路を保有しているもの)の幅員は、ネットで情報があるものでは、登戸駅約15m、海老名駅12m、建設中の鶴川駅10.5m、拝島駅10m、川崎駅北口10m、多磨駅約10m、西府駅5m、稲田堤駅5m、山梨市駅5m、津田山駅4mです。
駅利用者数による違いや町の構造が異なるので単純比較はできませんが、乗り換えが可能な駅としては6mは狭く、滞留空間がかなり狭い通路となると見られます。

自由通路の建設予定地

南北自由通路は現在の通路の大月方に設置される予定です。

現在の南口

現在の南口改札は京王高尾線の高架下やそれに続く部分に設置されています。京王とJRの改札は分離されています。

改札と通路の間には階段があります。

新南口(仮称)予定地

南北自由通路の南側は市道浅川78号線に接続される計画です。現状は車両行き止まりの生活道路で、歩行者については高架下に南口へ抜けるくらい通路が繋がっています。

南口

現在の南口と南北自由通路は京王の通路で繋がれる計画で、現在の南口も残ると見られます。

この駅舎部分をそのまま活用するのか、建て直すのかは資料を見てもよくわかりません。

八王子市の資料によると、事業認可・建築許可は2026年度以降となる見通しで、完成時期については現時点で公表されていません。市議会録によると、「令和5年度、令和6年度でJRのほうに設計の委託を出しておりまして、それが出てきて初めてちょっとスケジュール感が出てくるという形ですので、今の段階で何年に完成するというのはまだ発表していない状況になっております(令和5年度_決算等審査特別委員会 都市環境分科会 本文 2024-09-27)」と答弁されています。

撮影日:2025年2月9日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

  1. サワ伊藤 より:

    便利だけが全てではないと思いますので、現在の歴史ある駅舎は八王子の大切な遺産として、上手に活かし遺してほしいと思います。

    • 管理人 管理人 より:

      JRが再築する検討をしているとのことですが、営利を追求する民間企業でもあり、国立駅や原宿駅のようにならないといいですけどね。

  2. かつては京王線・今はバイクで乗り入れ より:

    急ぐことがなければ、以前はこの高尾駅で行きは中央線から京王線へ、帰りは逆に京王線から中央線に乗り換えていました(京王線の方が運賃が安いため)。
    高尾駅はJRと京王との乗り換え客がそれなりにありますし、JRの運転系統もここで大きく切り替わりますから、計画変更された6mでは狭いだろうと思います。間をとって8mが妥当なのではないでしょうか?
    今のJRの駅舎ですが、国立駅みたいに、完全な形とは言わないまでも極力復元して欲しいと思います。

    その同じJR中央線にある大月駅も、線路を挟んだ南北の自由通路がないので「分断」された形なっています。特に、近年出来たばかりの東横インは駅舎と反対の北側にありますので、ここを利用する(した)人は、かなりの遠回りを強いられます。
    この大月駅も自由通路を建設しながら駅舎を改築する計画があったみたいですが、市側に予算がないこと等の理由で断念されたみたいです。
    線路の北側には結構広い空き地がありますが、そこに商業施設や宿泊施設を建設するとなれば、自由通路とセットで駅舎が改築されそうな気もしますが、ここは典型的な車社会ですので、アクセスが悪ければ土地は塩漬けのままでしょう。
    また、下手に大月市内で買い物するよりも、乗り換えなしでで八王子・立川・さらには新宿(都心部)まで行けますから、選択肢が多いそちらへ客足が流れているのもまた事実です。
    これは、県都・甲府市にも言えることです。

    • 管理人 管理人 より:

      貨物列車も走る幹線であるほか、留置線や夜間滞泊も有しているほか、京王とも調整が必要なので、工事時間帯が極めて限られ、相当高額な費用を見積もられたのではないかと思われます。10mから6mに狭めたところで、どれほど減額効果があったのかはこれから情報が出てくると思いますが、駅舎は狭めても通路はそのままでもよかったのではと思います。

      大月駅に関しては北側はとりわけ何があるわけでもないですし、人口2万人の自治体で整備するのはかなり重荷となりますから、執行停止したのは正解だと思います。

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