三鷹市~杉並区で行われている、三鷹3・2・2号東京八王子線と放射第5号線の進捗を見に行きました。前回、2017年(平成29年)5月、6月からどれだけ進んだかと、噂されている2018年(平成30年)3月の開通ができるのかどうかの確認です。(1月18日追記:都に問い合わせたところ、17年度末の開通予定でしたが契約不調などの影響により1年ほど遅れる見込みとのこと。なお、交通開放時期は現在未定。)
環八通りの中の橋交差点から東八道路まで一括で記事にします。
この事業は歩道の整備などを除き概ね完了しています。
放射第5号線は千代田区麹町一丁目~杉並区久我山三丁目に至る全長15,130mの都市計画道路です。また、三鷹3・2・2号東京八王子線は三鷹市牟礼~三鷹市大沢に至る全長6,570mの都市計画道路です。
このうち、上図に示す三鷹市と杉並区の境界付近で道路の新設と改良を伴う事業が行われてきました。施行者はいずれも東京都です。
三鷹3・2・2号東京八王子線区間
この区間では2000年度(平成12年度)から久我山区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。結果、沿道環境に配慮するとともに、既定の都市計画幅員30m(一部除く)で建設されることになりました。
2002年11月28日に事業説明会を行い、2004年5月24日に事業認可されました。その後用地取得を進め、2014年度(平成26年度)より本格的に街路築造工事に着手しました。
2019年6月8日15時に交通開放されました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.7km |
幅員 | 30~36m |
事業施行期間 | 2004年5月24日~? |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2020年5月8日現在 |
久我山区間
この区間では2000年度から三鷹3・2・2号線区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。
環境配慮書の中では道路構造について3つの案が出され、結果、計画幅員を50m→60mに拡幅し、玉川上水など沿道環境の保全を図るものとなりました。
この区間の特徴はなんといっても、上下線の間に玉川上水が保全されたことです。
道路は平面構造4車線です。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約1.3km |
幅員 | 60m |
事業施行期間 | 2005年12月20日~2022年3月31日 |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2021年2月8日現在 |
高井戸西区間
この区間は中央自動車道と合わせて建設されました。道路は1975年に完成。しかし、沿道住民や小学校PTAなどの反対にあい、約9年ほど開通できず、1984年5月30日に2車線(片側1車線)の暫定形で交通開放されました。
2車線の形態は30年近く続きましたが、2014年8月28日に4車線化する事業に着手しました。
車線化に合わせて、これまで中央道高架の両脇にあった本線を高架下に移動。高架両脇は歩道や副道として再整備される予定です。
車線化は一足早く、2018年11月25日22時に行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約975m |
幅員 | 50m |
事業施行期間 | 2014年8月28日~? |
4車線化 | 2018年11月25日22時 |
2020年5月8日現在 |
高井戸東
この部分は首都高速4号新宿線の高井戸出入口(都心方面)などがある区間で、2018年度より工事に着手しました。
4車線化や合流部分の改良などが行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.6km |
工事期間 | 2018年度~ |
2020年5月8日現在 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
放射第5号(高井戸西)
進捗ザックリいうと
・区間東側中の橋交差点側が工事
・中央自動車道の移設橋梁の完成
・昌栄橋歩道橋の撤去開始予定
中の橋交差点に至る道路が拡幅の工事が行われていました。
これまであった植樹帯を狭くし、車道に充てる工事のようです。歩道の歩行者通行部分については幅は変わってなさそうです。
中の橋交差点については回転路が整備される予定です。この写真の右側のレーンは回転路に繋がることになるようです。交差点の左折交通島は撤去されるようです。
街路樹は青色のリボンが付けられた一部のみがそのまま残されています。
西向き方面も同様に車道の拡幅が行われています。
写真下部に写っていますが、電線共同溝の設置も行われており、将来沿道の電柱が地中化されるものと思われます。
前回来た時には工事中であった中央自動車道の橋脚移設工事は完成していました(写真中央の右側に脚があるもの)。
この工事は中央自動車道を供用させたまま移設する工事でした。
今後、本線から中の橋交差点側道(この道路)へスムーズに分岐できるよう、道路の改修工事が行われるはずです。
上記の橋脚移設工事で支障となるため一時的に一部撤去されていた天神橋横断歩道橋が復旧していました。
歩道橋はまだ供用されていませんが、今後供用に向けて調整中だそうです。
現在、三鷹方面からの交通が通っているこの部分は、中央自動車道の真下に格納される予定で、この付近は沿道アクセスのため副道が整備される予定です。この付近はまだ工事が行われていないように見えました。
昌栄橋交差点にかかる昌栄橋歩道橋が撤去に向けて工事の看板が設置されていました。
看板によると、工事件名は「街路築造工事のうち歩道橋撤去工事(29三ー放5高井戸)」で、工事期間は1月中旬から4月中旬までとなっていました。歩道橋は復旧せず、横断歩道が整備されるようです。
ローソン上高井戸二丁目店前の交差点に架かる浅間橋歩道橋は一旦撤去後に新たに架ける計画でしたが、「地元の方々より閉鎖期間が長期間に及ぶことによる児童の安全確保に対する心配の声」(三建・放5かわら版VOL.11)があったことにより検討した結果、橋脚のみを移設する部分的な改築をする方針となりました。
工事は来年度(2018年(平成30年)4月)以降着手される予定で、その際は一時的に閉鎖されることになります。
中央自動車道が分かれていく場所です。前回来た際に既に一部の樹木が伐採されていたのと変わらず、工事進捗もあまり変わっていないように見えました。
なお、右側は旧NHKの運動場で、都立高井戸公園の整備が行われます。
放射第5号(久我山)
放射第5号の久我山区間は牟礼橋付近までの区間です。中央に玉川上水を挟んだ構造になる計画です。
東京都建設局第三建設事務所の平成29年度事業計画によると、今年度は「玉川上水橋梁(仮称)下部工事、同上部工事、街路築造工事、電線共同溝工事、排水管設置工事、照明工事、防音壁・標識設置工事等」を実施予定としています。
進捗ざっくり言うと
・場所により進捗が異なる
・早い場所では環境施設帯の植栽も
この区間は区間により工事の進捗が多少異なっていたため、便宜的にこのように区間を分けて記事にします。この記事だけで通用するものです、あしからず。
左岸1
「左岸1」は一番工事の進捗が早い区間です。車道の舗装も完了しているようで、街路灯の設置も行われていました。
車道についてはまだ区画線は引かれていませんが、この区間だけで見ると今にも開通しそうな感じに見えます。
車道の隣に、歩道を含む幅10mの環境施設帯が整備されています。「左岸1」では、概ね完了しているようでした。
車道と歩道の間には築堤が建設されました。「左岸1」では植栽も完了していました。
環境施設帯に植樹される高木には、シラカシ、クヌギ、モチノキ、ヤマカエデ、イヌシデ、ヤブツバキ、コブシ、イロハモミジ、コナラがあるようです。多種類ですね。
築堤が途切れる部分には、透明の防音壁が設置されています。
道路の一部分には沿道アクセスのために副道が整備されている場所があります。この箇所も舗装が完了しているようです。
副道と本線の境にも防音壁が設置されています。沿道環境に配慮がなされていることがわかります。
右岸1
「右岸1」では道路の電線共同溝工事・道路築造工事が2月22日までの予定で行われていました。
奥の方に築堤のコンクリートが見えるほか、車道部分はまだ舗装がされていませんでした。
左岸側に比べると大分進捗に差があるように見えます。
左岸2
「左岸2」の車道は仮舗装されていて、沿線のために暫定的に供用されています。
歩道も暫定供用されていました。築堤を含む植栽はまだ施されていません。
右岸2
こちらも車道は仮舗装となっていて、暫定供用されていました。
左岸3
車道は都心側の半分程度が暫定供用、もう半分程度の三鷹側が工事中です。
工事箇所はバリケードのなかで行われていて、舗装はまだ行われていませんでした。工事関係者がいたのでその部分は撮影していません。
右岸3
こちらも仮舗装で一部が暫定供用されています。
牟礼橋
現在架け替えが行われている牟礼橋は、現在は上流側の上部工事が行われています。人見街道は工事のため切り回しが行われています。
2016年(平成28年)12月の時点では、2017年(平成29年)秋ごろに人見街道の切り回しを戻す計画(三建・放5ニュースVOL.19)でしたが、まだ工事が行われています。
三鷹3・2・2号東京八王子線
三鷹市内区間では街路築造工事が3月下旬までの予定で行われていました。年始だったからか、まだやっていないのか、重機などは見えませんでした。
進捗ざっくり言うと
・街路築造工事開始
・前回来たとき(昨年5月)とあまり変わらず
三鷹市内の区間のうち、牟礼橋に近い場所では用地取得が行われているだけで、道路はまだできあがっていません。工事看板によると、この付近は調整中だとしてあります。
この付近では道路が出来上がりつつありますが、仮舗装で植栽もまだない状態で、前回来た昨年5月と状況が変わっていませんでした。
この区間はほとんど出来上がっていて、歩道のみ暫定供用されています。前回来た時と違って、工事に伴い南側の歩道が閉め切られていました。車道はまだ仮舗装です。
東八道路の突き当りの部分で、東電電柱の抜柱工事の予定の貼り紙があったほか、道路整備に向けた工事が行われていました。
この付近も、前回来た時と大きな変化はありませんでした。
撮影日:2018年1月5日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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