多摩川の立川市と日野市を結ぶ日野橋が今秋より架け替え工事がはじまることになったので、着工前の様子を見てきました。
日野橋とは
日野橋は多摩川に架かる都道256号八王子国立線の橋です。左岸側(北側)は立川市で、右岸側(南側)は日野市です。道路は甲州街道として親しまれています。
橋が架けられたのは1926年のことで、それまでの渡し船(日野の渡し)に代わって架けられたものでした。当時は国道8号で、1952年に国道20号に指定されました。1964年には大規模改修が行われ、幅員などが広げられたそうです。2007年4月1日には、日野バイパスの開通に伴い旧道となったこの区間は都道に格下げされました。
2019年の台風被害
2019年10月13日には台風19号により橋の一部が損壊しました。その後、災害復旧工事が進められ、2020年5月12日10時に復旧しました。
日野橋(2019年台風19号災害復旧)
今年度より架け替え
そんな日野橋ですが、今秋より架け替え工事が始まります。架け替えについては2019年の台風被害前から計画されていたものです。
架け替えでは、現橋の上流側に「仮橋」を設置し、交通を切り替えたあと架け替えられることになります。多摩川中流部では、仮橋を用いた架け替えは関戸橋に続いて2例目となります。
関戸橋架け替え事業
工事設計書によると、仮橋の構造は上記のような下路式トラス橋となるようで、今年度はこの一部のみ設置されるようです。
入札情報サービスによると、今年度は2件の工事が予定されていて、1件は既に業者が決まっています。(日野橋仮橋設置工事(その1):ロード建設株式会社)
工事は渇水期となる秋~春のみで行われます。工事の詳しい内容は工事が始まり次第別に記事にするつもりです。
なお、現在のところ架け替えについて詳しい情報は発表されておらず、全体で何年掛かるかもよくわかりません。
(10月21日追記)10月20日に資料が建設局HPに公表されました。それによると、仮橋設置に3年、現橋撤去・新橋設置に7年、仮橋撤去に2年、合計12年掛かるとのことです。
現在の状況
正面の橋が日野橋です。
仮橋はこの左側(上流側)に設置される見込みで、左の空き地の一部を利用して取り付け道路なども設置されるようです。
ちなみに左側の空き地は高規格堤防(スーパー堤防)整備済み地区です。(00年代前半に施工)
見てわかるように橋脚が非常に多い橋です。詳しく調べていませんが、橋脚は1926年当時からそのままで、梁部分が1964年の大規模改修時に継ぎ足されているんじゃないかなという気がします。
近年では、立日橋や石田大橋の開通により交通量は減ったそうですが、今でも重要な橋であることは変わりはありません。
2車線で、両側に歩道は設けられているものの、車道と歩道を仕切る柵などは設置されていません。
2019年の台風により被災した箇所は径間長が長くなっています。
仮橋はこの右側に設置される模様です。
この状態の日野橋が見られるのは残り僅かかもしれません。
撮影日:2020年9月30日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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