厚木市、伊勢原市及び秦野市で事業が行われている国道246号厚木秦野道路のうち、厚木市内の圏央厚木IC~厚木北IC(仮称)間の厚木地区の進捗状況を見てきました。
事業概要
国道246号厚木秦野道路は、厚木市の圏央道から、新東名高速道路、東名高速道路を経て、秦野市の新東名高速道路に至る国道246号のバイパス事業です。
このうち、厚木地区の約3.6km、伊勢原地区の約4.8km、伊勢原西~秦野中井(秦野地区)の約5.2kmで事業が行われています。
道路は第1種第3級で、設計速度80km/hの道路として計画されています。
厚木地区の約3・6kmは2001年度から事業化をしています。
施行者 | 国 |
延長 | 約29.1km |
うち事業化済延長 | 厚木地区:約3.6km 伊勢原地区:約4.8km 伊勢原西~秦野中井:約5.2km |
事業化 | 厚木地区:2001年度 伊勢原地区:1998年度 伊勢原西~秦野中井:2014年度 |
道路規格 | 第1種第3級 |
2024年1月4日現在 |
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写真等
撮影位置はこの通りです。
事業区間起点の圏央厚木ICです。圏央道は2013年に供用開始されています。
国道246号として事業がされていますが、国道246号現道とはこちら側で接続されておらず、これ以東は計画決定されていません。
圏央厚木ICの出入口付近は用地が確保されています。
用地管理をネクスコ中日本が管理しているのか、ネクスコの看板が付けられていました。
圏央厚木ICのランプをくぐる「圏央厚木3」橋梁は、ランプよりも広い幅で造られており、将来の構造を見越した作りになっています。
国道129号交点の西側では、埋蔵文化財の発掘調査が行われています。
調査件名は、「令和5年度 発掘調査支援業務委託(厚木秦野道路建設事業:川国厚木地区A)」で、2023年11が30日までの予定で、株式会社斉藤建設が行っています。(※2023年12月10日撮影)
調査個所は国道129号の西側のようで、現場事務所は東側に設けられているようです。
中津川左岸の段丘では、上記埋蔵文化財発掘調査に伴い土が露わになっています。
事業パンフレットによると、厚木秦野道路は、国道129号をボックスカルバートでくぐる計画で、この段丘崖を活用して突っ込む形になるものと思われます。
中津川は橋梁で越える計画です。
2020年度に発注された「R2国道246号厚木秦野道路中津川橋下部その1工事」(施工者:株式会社エス・ケイ・ディ )により、P1橋脚及びP2橋脚が既に完成しており、この2基がぽつりと立っている状況です。
「相模川・中津川河川整備計画」および関連する資料によると、この付近の中津川左岸は堤防断面が不足しているとのことです。写真奥に写る橋脚手前に小さな堤防がありますが、それくらいの規模しかありません。ただし市街化調整区域のため人家はわずかです。
現在、「R5国道246号厚木秦野道路厚木中依知地区改良工事」の入札が行われています。詳しい工事箇所や内容は不明ですが、入札公告によると、「厚木市中依知地区において、地盤改良工、カルバート工等の施工を行うもの」「中津原台地と中津川に挟まれた相模川低地」とあるほか、延長や規模から推測するとこの付近ではないかと思われます。
中津川右岸の田んぼなどが広がっていた地区では用地の取得が進んでいます。既に地盤改良工事や工事用道路の整備工事が何件か行われているところです。
現在は、「R4国道246号厚木秦野道路改良その4工事」が2024年2月29日までの予定で行われています。施工者は小雀建設株式会社です。
情報提供で入手した図面等によると、PVD工(プレファブリケイティッドバーチカルドレーン)やスラリー攪拌により地盤改良を行うもののようです。
現在は、市道妻田三田幹線の西側で上記工事を行っているような状況でした。
なお、現在、「R5国道246号厚木秦野道路厚木バイパス橋下部工事」の入札が行われています。これも詳しい工事箇所や内容は不明で、入札公告には「厚木市三田地先にて橋梁下部工を行う工事」とあります。中津川の橋梁工事は工事件名に「中津川橋」とあるのに対して今回の工事件名は「厚木バイパス橋」とあります。厚木バイパスがどれのことなのかよくわかりませんが、事業評価資料にはこの市道妻田三田幹線を厚木バイパスと記載してあるほか、都市計画道路名が「厚木バイパス線」であることから、この付近の橋梁工事ではないかと思われます。なお、工事内容には「RC橋脚工 1式」とあります。
台地の上やその周辺は市街化が進んでいるため、建物の撤去を含めた用地取得が進められています。
県や市町村の用地買収では更地で買収することを基本とすることが多いですが、国の事業では基礎を残していることが多い気がします。
こちらも用地買収が進められています。
事業パンフレットによると、市道妻田中荻野線(旧国道412号)とはトンネル構造で立体交差する計画です。
この先の箇所でも埋蔵文化財の発掘調査が行われています。
調査件名は、「令和5年度発掘調査支援業務委託(厚木秦野道路建設事業:川国厚木地区B)」で、2024年3月31日までの予定で、株式会社安斉組が施工しています。
荻野川渡河部でも一部を除き用地取得が進められています。この付近は特段工事は行われていません。
国道412号・県道63号が交わる及川中原交差点付近でも用地取得が進んでいます。
盛土構造となると思われる部分もあり、幅55m以上のかなり広い幅で用地取得がされている箇所があるほか、都市計画道路の線によらず買収をしているところが多くあります。
この交差点付近では、交差点のほぼ真ん中を横切る形で計画されており、それなりのロングスパンの橋梁になることが予想されます。
この付近に厚木北IC(仮称)が計画されており、航空写真を見るとインターチェンジ型に用地取得が進んでいることがわかります。
インターは国道412号に接続される模様で、国道沿いでも用地取得がされていました。
撮影日:2023年12月10日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
地方で昭和50年代を中心に公共事業の用地取得の不動産鑑定などを行っていたものです。
神奈川県西部厚木市などにアパートを取得するため、将来の物流拠点ゾーンの成長イメージを
勉強し、圏央道横浜ルートや新東名の工事が完了する2027年頃の道路網イメージを求めていましたが、まさかこれほどの情報集積をされておられる人がいたとは驚愕です。所管の縦割り情報は充実していても横との関連は少ないですし、公開されませんので。
私は246号厚木バイパスの基本情報は得ていましたが、まさか進捗状況までの情報を作成される人がいるとは!
国道246号厚木秦野道路に関しては、事業者である川崎国道事務所のサイトに工事進捗がわりと細かく掲載されているので、この点に関しては情報収集は容易なのかなと思います。
他の事業者にもこのような取り組みが広がればいいのですが、藪蛇を嫌って公開に躊躇してしまうか、そもそもその気がないことが多いようです。
この道路も新東名も圏央道止まりなのはちょっと残念ですね。
かといって圏央道もそこまで高規格な道路ではないので、今でも若干飽和状態の海老名JCTがさらに悪化するのではないかと懸念しています。
上位の構想を見てもこの先はたぶんできないんだろうなという気がします。
伊勢原北以西は本当に必要なんですかね。東名と新東名のスマートICなどで対応できるように思えますが…
この地域に住んでいるものですが、参考になりました。
詳細な情報をありがとうございます。
小生は76歳です。免許返上の前に走行したいものですが、果たしてどうでしょうか。
今後とも、さらなる情報を期待しております。