多摩モノレール町田方面延伸予定ルートを探索 [多摩南野~桜美林学園]

2022年1月28日追記

2022年1月28日に、「多摩都市モノレール町田方面延伸 ルート検討委員会」によってこれとは別のルートを基本とする検討が示されました。

多摩都市モノレール町田方面延伸 ルート検討委員会

今回は多摩モノレール町田方面延伸ルートのうち、多摩南野~桜美林学園を取り上げます。

この区間では、上のようなルートでモノレール導入が想定されています。

ただし、現在正式に決定したものは無く、今後具体化した際に決定して行くことになります。

この付近は町田市の北部に位置し、北部丘陵と呼ばれています。市街化調整区域に指定されるなど、自然が多く残り開発から逃れている地域でもあります。町田市では2011年に『町田市北部丘陵活性化計画』を策定し、取り組みを行っています。

一方でこの区間には課題もあります。黒線は現在決定されている都市計画道路です。

モノレールのインフラ部(支柱や桁・駅など)は道路の一部として扱われるため、道路があることが条件となります。しかし、導入想定ルートには現在道路は存在せず、都市計画道路も存在していません。

また都市計画道路が存在していて既に道路がある区間も、モノレール導入には幅員が足りないなど、幅員の検討が必要な区間が存在しています。

東京における都市計画道路の整備方針(第4次事業化計画)

そんななか、2016年に東京都・特別区・26市・2町が決定した『東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)』では、「新たな都市計画道路の検討」としてこの区間が挙げられています。

町田市ではここのところ毎年モノレール関連の予算を計上しています。

2018年度6月補正予算ではこのようなスケジュールが示されています。(※2月に市長選挙があったため市長政策的事業は補正予算で計上された)また、報道などでは2025年度に事業化、2032年度開業を目指すとされています。

コラム かつての町田市内の地下鉄構想

町田市にはかつて地下鉄を建設する話が持ち上がっていました。
町田市議会録によると、リニア方式のミニ地下鉄の検討が始まったのは大下市長時代のこと。1987年?88年?に「町田市新交通システム研究会」が設置されました。1989年にはリニア地下鉄だけではなくて、モノレール等を含めて総合的な交通システムを研究してほしいことから「町田市総合交通システム調査研究」と名前を変えています。
当初モノレールとはウエイトを置いて地下鉄が議論されていましたが、そんななか立川方面の多摩モノレール建設も始まり、1990年には寺田市長となり、1991年に「多摩地域都市モノレール等建設促進協議会」に参画しました。その後2年ほどモノレールとミニ地下鉄の両方が議論されていました。
1992年に東京都都市計画局が町田方面を「事業化に向けて導入空間の確保に着手すべき路線」と選定。
1993年3月定例会に置いて市長が「今のところはリニア地下鉄については、既に研究をしてきたことを当面のピリオドとして、この問題については、もうしばらく今後の推移を見守るということにいたしたいと考えております。そこで、当面は、やはり何といっても東京都の進める多摩都市モノレールを早く町田まで乗り入れてもらうということが必要であります。」と発言し、このころより地下鉄構想は消えていきました。
現在は構想すら存在していません。

写真等

撮影位置はこの通りです。

①多摩南野交差点から町田方面

多摩南野交差点から町田方面は幅員20mの道路となります。中央分離帯もあります。

この付近は多摩ニュータウン事業の一環として、東京都施行の小野路第一土地区画整理事業によって整備されました。

多摩モノレールを導入するとき2車線の場合、幅員22m以上が基準とされているそうで、幅員の検討が必要とされています。

②町田市に入る

多摩南野交差点から300mほどで多摩市から町田市に入ります。

ここから先は多摩ニュータウンの域外となり、未開発の土地となります。道路もここから急に狭くなります。

多摩ニュータウン事業誌より

この周辺は1989年に土地区画整理準備組合が設立され、1992年に町田市より都市基盤整備公団に対して土地区画整理事業の施行要請。1993年に公団地区が決定し、小野路西部土地区画整理事業として計画、用地買収が開始されました。その後、特殊法人等整理合理化計画、社会経済情勢の変化等をふまえ2002年8月に事業が中止されました。

地図を見るとわかるように土地区画整理事業ではモノレール導入も想定して計画されていました。この土地区画整理事業の中止はモノレール導入の足かせとなったのは間違いないでしょう。

②町田市に入ったところ

町田市に入ると急坂が続き左カーブをします。今は2車線の道ですがこの先センターラインがなくなります。バスも通ります。

モノレールはこのままやや右奥方向に構想されているようです。(まだ正式に決定していません)

③小野路の山中

土地区画整理事業が行われていたなら住宅街となっていたかもしれないこの場所ですが、現在はこんな感じ。自然が残っていて好きな場所ですね。ここをモノレールが通ることになるのかと思うと少々残念ではあります。

地形を見る限り、土地区画整理事業では多くの盛土切土の造成を考えていたようですが、道路やモノレールだけ造るとなるとどうするのかな……と気になります。

④扇橋付近から多摩センター方面を見る

小野路西部地区を抜けた扇橋付近です。上の土地区画整理事業の計画図でいうと左端です。

このようにかなり起伏のある地形です。

④扇橋付近から町田方面を見る

このような山と山の間に入り組んだ谷のような地形を谷戸(やと)といいます。地域によっては「やち」や「やつ」というところもあるかもしれませんね。

⑤小山田緑地駐車場付近

小山田緑地の間を縫っていく構想のようです。小山田緑地は用地買収されいまでも少しずつ拡張しています。

このような土地

⑦桜台通りが都道町田平山八王子線にぶつかる交差点(多摩センター駅方面を見る)

現在は丁字路となっています。

⑧桜台通り(多摩センター駅方面を見る)

桜台通り幅員18mで、町田市が現在幅員22mにするための検討を行っているそうです。

ちなみに、平成6年の調査報告書ではこの写真の右側にある町田市廃棄物最終処分場に車両基地を建設することが検討されていました。

町田市予算概要より

ただ町田市はこのような整備をする計画のようで、車両基地の話はなくなったのかな?

⑧小山田隧道(町田駅方面を見る)

ここには尾根緑道を潜る小山田隧道があります。

平成6年の調査報告書では車両基地を作る場合は勾配によりトンネルの上を越えることはできず、橋梁形式に変更する必要があるとされています。ただ、車両基地を造らないのなら上を越えることも可能なのかな。

⑨(通称)新町田街道にぶつかる

ここで(通称)新町田街道にぶつかり丁字路となります。

モノレールはここで左に曲がり、街道上を町田方面に進むことが想定されています。

この記事は過去の計画や構想、想像に基づく記述があります。現在町田方面延伸に関して詳細に決定した事項はありません。

撮影日:2019年1月29日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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