稲城市、多摩市、八王子市、町田市にまたがる多摩ニュータウンでは、再生の動きが進んでいます。
諏訪地区では、UR賃貸住宅・都営住宅の建替えが進み、新しいUR賃貸住宅「コンフォール諏訪」と都営住宅「都営多摩ニュータウン諏訪四丁目団地」の入居が始まっています。
このほか、UR賃貸住宅の諏訪団地の退去が進んでいます。
このほか多摩ニュータウン内の住宅施設の再生の進捗をまとめました。

多摩ニュータウンの再生について
タグ:多摩ニュータウン再生
諏訪地区で入居・退去が進む
コンフォール諏訪で入居開始

UR都市機構が管理する賃貸住宅のうち、「多摩ニュータウン諏訪団地」では建替え事業が行われています。
2020年に解体された2-1-2号棟、2-1-3号棟跡地には、「多摩ニュータウンコンフォール諏訪」が新築されました。建築戸数は148戸で、従前入居者住戸等を除いた104戸に対して、2025年8月29日~9月2日に入居申込み受付がなされました。
今後も同名での建替えを計画しているため、募集時には「第1次」が付されました。エントランスには「2-1-2号棟」と記載されています。
公表された資料によると、募集戸数104戸に対して573件の応募があり、高い人気があったことがうかがえます。

URの特設サイトによると、新規募集者に対する入居開始日は、奇数階が2025年11月14日、偶数回が2025年11月28日とされていますが、一部住戸では10月中旬時点で入居が始まっている模様でした。(おそらく従前入居者)
このコンフォール諏訪は、多摩ニュータウン内の建替え事業で初の住棟となりました。
隣接地で、2013年に竣工した旧公団分譲住宅の建替え住棟「ブリリア多摩ニュータウン」と似たような外観や並びにするなど、景観やまちなみの統一が図られているように感じました。
また、多摩ニュータウン内では、UR、都営住宅ともに「多摩ニュータウン」を名称前に付すルールを踏襲されています。
多摩ニュータウン諏訪団地4棟解体へ

UR賃貸住宅の「多摩ニュータウン諏訪団地」のうち、2-3-1~2-3-4号棟の4棟について、建替えに向けて解体が始まる模様です。
2025年10月7日には、この4棟と百草団地4棟の解体等を行う「諏訪団地(建替)Ⅰ期後工区・Ⅱ期他1団地基盤整備その他工事」の入札の実施に係る掲示がなされました。入札説明書によると、諏訪団地に関しては、4棟180戸を解体等するもので、全体工期2028年1月14日のうち諏訪団地分は2027年1月29日までとなっています。開札は2026年1月16日の予定です。

既に退去が進んでいるのか、家財道具などがエントランスに置かれている様子が見られました。
旧東永山小学校跡地でURの新築住宅建築進む
付属棟を除くと、いずれも仮称で「第1住宅」が3棟、「第2住宅」が2棟建設される予定です。
「旧東永山小学校地区第1住宅建設工事」は株式会社鴻池組が、「旧東永山小学校地区第2住宅建設工事」は株式会社淺沼組が施工しています。

現地の週間工程表や現地の状況から、現在はどちらも杭工事を施工中のようです。
都営多摩ニュータウン諏訪四丁目団地で入居始まる

建替え建設工事が進められている都営多摩ニュータウン諏訪四丁目団地では、一部住棟(2号棟)で入居が始まっている模様です。

付属棟除く住居用住棟5棟の建設工事は概ね完了している模様で、足場はすべて取り外されている様子でした。
入札情報サービスによると、2号棟周辺以外の外構等の工事を行う「都営住宅3H-112西及び4H-109・110・111西(多摩市諏訪四丁目)整備工事」の入札が2025年2月17日に不調となり、再度「都営住宅3H-112西及び4H-109・110・111西(多摩市諏訪四丁目)整備工事その2」として入札が掛けられ、2025年6月19日に開札され、株式会社ユーケーケーが施工する予定です。
この工事で、駐車場などが整備される計画です。
2025年9月1日には「都営住宅3H-112西及び4H-109・110・111西(多摩市諏訪四丁目)屋外給水衛生設備工事」の入札が行われましたが、7社辞退・3社不参で不調となりました。さらに、同日「都営住宅3H-112西及び4H-109・110・111西(多摩市諏訪四丁目)屋外電気設備工事」の入札が行われましたが、1社最低制限価格未満、7社辞退・2社不参で不調となっています。
したがって、残る4棟の入居開始はさらに先のこととなりそうです。
東寺方・和田団地の解体進む

多摩ニュータウンの17住区(多摩市愛宕・東寺方・和田・八王子市鹿島)、18住区(八王子市松が谷・山王下)では、老朽化した都営住宅の建替えが進められています。

東寺方団地で行われていた「都営多摩ニュータウン東寺方団地除去工事」と、和田団地の一部で行われていた「都営多摩ニュータウン和田団地(3-1-9号棟)除去工事」は既に完了していました。
現在は「都営多摩ニュータウン和田団地(3-1-8号棟)除去工事」を株式会社テクノエコが施工しています。
都営多摩ニュータウン和田団地側では、現在は3-1-8号棟の解体が進められています。
2025年度のJKKの発注予定によると、残る3-1-7号棟についても「都営多摩ニュータウン和田団地(3-1-7号棟)除却工事」が発注予定となっています。
旧多摩永山情報教育センターの解体進む

民間の建物なので多摩ニュータウン再生とは若干趣旨が異なりますが、周辺の動きとして残しておきます。
永山駅の近くの旧多摩永山情報教育センターの解体が進められています。

登記簿や『多摩ニュータウン事業誌』によると、多摩永山情報教育センターは、1986年に株式会社シーエスケイ(現:SCSK株式会社)が取得し設置した、研修施設、ホール、ビジネスホテルがあった施設でした。
途中商号変更を経て、2006年に株式会社三菱東京UFJ銀行に信託(同日付で委託者を有限会社多摩永山情報教育センターに変更)しています。その後何度か委託者の変動があったのち、2015年2月26日(※)からトーセイ株式会社が委託者となっています。
※登記簿では令和27年となっているが、他の記載から平成27年=2015年の誤りと思われる。
多摩永山情報教育センターは2024年3月16日をもって、入居していたビジネスホテル「スマイルホテル東京多摩永山」は2024年3月20日(21日チェックアウト分)をもって営業を終了していました。
解体工事は、トーセイ株式会社が発注し、株式会社滝口興業が「(仮称)多摩永山情報教育センターBL解体工事」として施工しています。
跡地利用の情報が調べても何もわかりません。登記簿によると、2025年7月22日に土地を南北に3分割(小田急線直上部分の2筆除く)する分筆が行われています。
マンションなのかなぁ、データセンターとかになっちゃうのかなぁ。
なお、この区域は近隣商業地域で、データセンターが用途地域における事務所等にあたるとすれば、データセンターも建設が可能な土地です。
『多摩ニュータウン事業誌』によると、多摩ニュータウンの整備段階では、この土地は「その他公益的施設用地」として計画され、新住宅市街地開発事業の法律の制限(条文→教育施設、医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で、居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものをいう)もあり、旧多摩永山情報教育センターでは、多目的ホールの公開利用などに取り組まれていました。現在は新住宅市街地開発事業は完了しているので、この制限を受けることはないと見られます。
何になるんですかね?
撮影日:2025年10月13日、18日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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