新座市で事業が行われている新座3・4・1号保谷朝霞線(野寺工区)の進捗状況を見て来ました。
西東京市の伏見通りの先、都県境から県道36号保谷志木線までの区間で道路を新設するもので、2020年度から埼玉県が事業を行っているものです。
事業概要
新座3・4・1号保谷朝霞線は新座市畑中二丁目(国道254号交差部)から新座市野寺四丁目(都県境)に至る延長約4,400mの都市計画道路です。このうち、県道36号保谷志木線から都県境までの区間では、2020年6月22日に事業認可を受け事業を行っています。
施行者は埼玉県で、幅員は27~28mの4車線となる計画です。
事業化にあたっては、これまでの計画幅員20mから広げる予定で、都県境~産業道路間については2020年4月7日に計画幅員を27~28mとする都市計画変更が行われました。産業道路以北については今後都市計画変更の手続きが行われる予定だそうです。
東京都側では都市計画道路「調布保谷線」として整備が行われ、都内の区間は2015年に全線開通しました(一部暫定整備)。調布保谷線の南側は南多摩尾根幹線道路として続き、将来的には相模原まで直線的に結ばれることになります。
埼玉県内は「広域幹線道路としての道路整備」として整備が進められる予定です。
施行者 | 埼玉県 |
延長 | ? |
幅員 | 27~28m |
車線数 | 4 |
事業施行期間 | 2020年6月22日~2030年3月31日 |
2020年10月10日現在 |
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写真等
撮影位置はこの通りです。
県道36号保谷志木線と交わるこの付近から南側が事業区間です。
ここから北側も産業道路まで事業が行われています。
この付近から写真④付近までは用地取得があまり行われていませんでした。
生産緑地になっている広い農地もありますが、営農が続けられていて、用地取得はされていないものとみられます。
東京都は用地取得したところを防塵舗装(アスファルト)し、単管柵で囲うことが多いですが、埼玉県は砕石舗装するだけのところが多く、あまり用地取得した土地に見えないことがあります。
ただ、写真①~③の区間にはそのような土地もあまり見られませんでした。
武野通り以南は用地の取得が比較的進められています。
この土地はかつては生産緑地で、2021年訪問時には隣接した位置に建っていた高圧送電線の撤去工事用地として一時使用されていましたが、その後用地取得されたのか、更地のままとなっています。
左の防草シートがある部分は道路予定地ではないと見られますが、そちらの方が管理が行き届いているように見えます。
この付近は住宅が密集している区間で、所々で更地となっている土地があり、それも目立つようになってきました。
伏見通りの先端の丁字路から先の部分は広く用地の取得がされました。比較的新しめの戸建て住宅や集合住宅があった場所ですが、一気に進んでいます。
全体的に南側から用地取得しているような状況に見えますが、何か戦略があるのですかね。
新座市議会録2024年第3回定例会における2023年度一般会計決算認定に係る建設常任委員会付託部分の審議内容結果報告によると、保谷朝霞線の用地取得率は22.1%とのことです。(いつ時点の数字か発言がないが、決算なので2024年3月末時点?)
なお、埼玉県は地方財政法第27条に基づく「埼玉県が施行する街路事業に係る市町村負担金徴収事務取り扱い要領」により、県が施行する街路事業の費用のうち国庫補助分を除いた部分の20%を地元市町村に負担させており、議会録によると2023年度では保谷朝霞線(道場工区含む)に係る費用として新座市は175,633,597円を負担しています。隣の東京都はそういうことをしておらず都施行分は都が100%負担しているので、議会録を見てもこのあたりの不満は新座市議会議員の中にもあるようですね。
なお、地元市町村に負担させるのは都道府県によっても考え方がまちまちですし、東京都が財政がいいから負担させていないという考えでもないと思います。東京都以外にも県が100%のところはあります。特に地方になると、地方という特性も相まって街路事業はそもそも市町村が行う事業であるという考えのところもあるようですから、一概にも言えないのかなという気はします。東京都も連続立体交差事業については地元受益が大きいとして、地元区市に一定率を負担させています。
撮影日:2025年1月13日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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