狛江市で事業が行われていた調布3・4・23号稲荷前線の様子を見て来ました。
2009年に都市計画法の事業認可を得て事業を行っていましたが、2024年3月31日までの事業施行期間を延伸することなく、また、区域内にあったオーケーのみ収用することなく、都市計画事業としての事業を終了しています。
事業概要
この道路はオーケーを収用せず2023年度で都市計画事業として事業を終了しました。
調布3・4・23号稲荷前線は狛江市西和泉二丁目から調布市国領町八丁目に至る延長約1,460mの都市計画道路です。このうち、上記で示した区間では、道路を拡幅する事業が行われています。
施工者は狛江市で、都市計画法の事業認可は2009年1月20日です。事業延長は約232mで、幅16mで2車線の道路となる計画です。
施行者 | 狛江市 |
事業延長 | 約232m |
幅員 | 16m |
車線数 | 2 |
事業施行期間 | 2009年1月20日~2024年3月31日 |
2021年3月17日現在 |
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写真等
狛江通りと交わる慈恵医大第三病院前交差点から北側が事業区間でした。2009年1月20日に都市計画法に基づく事業認可を得て、狛江市が都市計画道路事業を行っていました。
事業認可以降、数度の事業施行期間の延伸を経て、2021年3月17日には4回目の延伸で2024年3月31日までとなっていました。しかし、それ以降の延伸は行われず、2024年3月31日をもって都市計画事業としての道路整備は終了しました。
現地は、オーケー狛江店の前面敷地部分を除いて土地の収用がなされ、道路の拡張が行われています。
※狛江通りは東京都が別途道路事業を行っており、慈恵医大第三病院前交差点付近も東京都が整備を予定。
オーケー狛江店のうち都市計画道路と被っているのは前面エントランスや駐輪場、荷捌き場として使用されている部分です。オーケー側の歩道は未整備となっています。
この関係で、反対側歩道も計画幅員まで整備できず、車道も片側に寄るなどしています。
事業区間北側は、事業区間であった上和泉地域センター前交差点までの拡幅がされています。
この都市計画道路を一部含み、慈恵医大第三病院やオーケー狛江店などを含む区域では、2022年7月7日に「国領町八丁目・和泉本町四丁目周辺地区地区計画」を決定しています。
地区計画とは、都市計画法第十二条の四第一項第一号によって規定された計画のことで、小さな地区単位において方針や目標、地区施設などを定めることができます。
「国領町八丁目・和泉本町四丁目周辺地区地区計画」においては、オーケー狛江店の後ろ側を取り囲むように広場状空地狛1号や、広場状空地狛2号などを決定しています。
狛江市によると、これらにより、歩道機能の代替ともなりえる歩行者空間の確保等、まちづくりの進展が見込めることとなっているほか、これまでの交渉経過、都市計画事業の効用等を総合的に勘案し、都市計画事業の延伸をしなかったとのことです。なお、道路事業として事業は続けるとのこと。(土地収用法は適用されない)
東京慈恵会医科大学附属第三病院では、老朽化した病棟のリニューアル事業を実施中で、すでに(仮称)新本館の建築工事に着手しています。
学校法人慈恵大学の報道発表によると、
2025 年 9 月 (仮称)新本館竣工
2026 年 1 月 新病院開院(リニューアルオープン)
2027 年 7 月 外構工事完了 (グランドオープン)
の予定で、同発表イメージパースでは駐車場等の再整備も行う模様です。
地区計画では、建築物の敷地面積の最低限度を5,000m2と定めていますが、但し書きで明らかにオーケー狛江店のためとみられる規定が設けられています。
オーケー狛江店は航空写真の簡易的な計測で800m2程度しかありません。一方で、地区計画では合筆後の土地についても但し書きされているほか、上記地区計画の空地の図面では、現オーケー狛江店北側に謎の空白地があるため、すでに慈恵医大病院なども含めた何らかの合意があるのかもしれません。あくまで想像ですけどね。
撮影日:2024年10月20日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
強制執行や行政代執行を考えなかったのかな?
代執行を行うためには、その前段として収用委員会において裁決手続きを行い、明渡裁決が行われたあとも土地引渡しがされない場合に行うことができます。この土地の場合は、そもそも収用委員会に裁決申請もしていないものと思われます。
この土地の交渉過程は公表されていませんし、聞いても絶対に教えてくれませんのであくまで想像ですが、例えば今後の周辺のまちづくりの状況に応じて明渡の意志がある場合には、そこまで強力な公権力を行使する必要もありません。あくまで代執行は最終手段で、基本的には任意交渉です。
都市計画事業を行う最も大きなメリットは土地収用法が適用されることで、すなわちその強硬手段を行使できるということですが、上記のような明渡の意志がある場合には、都市計画事業を継続する必要もあまりなく、道路事業(任意の交渉)で継続するというのは、つまりはそういうことなのだと思います。
公共の福祉により道路造るからどけ邪魔だという場面ももちろんありますが、古くからこの地にあるスーパーマーケットで、ここを利用する例えば都営団地の住民も大勢います。スーパーマーケットがここにあることは、街にとっても大きなメリットでもあります。スーパーマーケットの荷捌き場や駐輪場をなくすことは、今後の営業継続に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。いかにして営業を継続してもらいながら道路を作っていくかを考える中で、記事中の地区計画もまとめられたのではないかなと、想像しています。
ここの道、ものすごく通りにくいんですよね。。
行き交う車、自転車、歩行者。。軽微な接触事故は多発しているので、早くなんとかしてほしいものです。
現状片側歩道がないですし、出っ張った位置にある電柱や、荷捌き車両が車道に飛び出して停車するなど、安全環境としては最悪です。
上記でも書いているように、個人的な想像ですが何らかの合意はされているのではないかと思われますが、早期の整備はした方がよいと思います。
これで本当に整備完了するのであれば、すでに土地を提供してくれている人や地域への裏切りだと思います。