2019年の台風19号(令和元年東日本台風)の影響で破損した多摩川の日野橋の復旧工事が進み、2020年5月12日10時に交通開放されました。
これにより、2019年10月13日4時50分より続いた通行止めは、約7か月ぶりに解除されました。
工事を施行された東京都の方々、設計された建設技術研究所の方々、西松建設やエム・エム・ブリッジをはじめとする施工業者の方々、職人等の方々、関係者の方々に感謝いたします。
交通開放時のようす
交通開放5分前(9:55)にカラーコーンが撤去され、10:00に両側より警察車両の先導によって交通開放されました。歩行者も約1分後に交通開放され、通れるようになりました。
当日は式典などはなく、しっとりとした交通開放でした。
工事のおさらい
日野橋は1926年(大正15年)に完成した橋で、その後1960年代に幅を広げる大規模改修が行われ現在まで至っています。
全部で20径間ある、橋脚の多い橋です。
2019年10月に台風19号(令和元年東日本台風)の影響で多摩川が増水し、P5橋脚(立川側から5番目の橋脚)が約70cm沈下し、橋梁に段差が生じた影響で、10月13日4時50分から通行止めが続いていました。台風当日は橋桁付近まで水かさが増していました。
2019年10月14日の様子はこちら
その後、11月頃から工事が始まり、川の澪筋を替える「瀬替え」を行ったのち、P4~P5およびP5~P6径間の橋桁と、沈下したP5橋脚柱部を撤去し、P4~P6径間に長い橋桁を架けることで復旧することとなりました。
工事は非出水期にあたる梅雨前までの復旧を目指すこととなりました。
2019年11月頃の様子はこちら
工事は「日野橋応急復旧工事(その1)(緊急施行)」と(その4)は西松建設が、(その2)と(その3)をエム・エム・ブリッジが施工しました。復旧設計は建設技術研究所が行いました。
特に、エム・エム・ブリッジは過去に日野橋上部工事(完成年:大正15年※1926年)、日野橋拡巾上部製作工事(完成年:昭和39年※1964年)及び日野橋補強工事(完成年:昭和49年※1974年)の工事実績があります。
2020年2月4日の様子はこちら
2020年2月21日の様子はこちら
復旧した箇所の様子
改めて被災箇所を見てみると、このように長い橋桁が設置されています。
色なども従来のものと揃えられています。
路面にも段差はなく、非常に綺麗な仕上がりとなっていました。
道路照明については以前のものを流用しているようです。
高欄は新しいものが設置されていますが、従来のものと似たものが設置されています。
工事は現在も続いており、床固めとして橋脚周辺へのコンクリートブロックの設置などが行われます。
バスも運行再開
日野橋の通行止めの影響で運休していた「立65系統 高幡不動駅~立川駅北口」と、折り返し運行を行っていた「立66系統 日野駅~立川駅北口」については、5月13日の始発便より運行を再開します。
制限速度引き上げ
台風から復旧までの間に、制限速度が40km/hから50km/hに引き上げられました。
周辺では、多摩モノレール通りなどでも引き上げられており、復旧とは直接的には関係なく偶然ではないかなと思いますが。
今年度にも架け替え着手か
東京都の年間発注予定情報によると、今年度にも日野橋架け替えのための仮橋工事が予定されています。
日野橋の架け替えについては台風以前より計画されていたもので、既に風洞模型実験や予備設計などが発注されていました。なお、11月に公文書情報の提供を依頼したところによると、架け替え後の橋は「3径間連続合成斜張橋」となるようです。
撮影日:2020年5月12日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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