関戸橋架替事業[2017年12月]

府中市多摩市を繋ぐ関戸橋で行われている橋の架け替えの進捗を見てきました。前回は2016年(平成28年)3月に見に来ています。記事にしていませんがよく通る場所です。

事業概要

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

今期の工事

現在は工事3年目で、架け替えに必要となる仮橋の建設が上流橋の上流側で行われています。

仮橋の建設は3年の予定で行われていて、今期が最後の年になります。上の図は赤色がその年に施工された(る)範囲です。今季で府中市と多摩市が仮橋で繋がることになります。

写真等

仮橋と上流橋(多摩市側から撮影)

横切る水色の橋が上流橋(府中市方面行き車線)です。その左側にある濃い青色の橋が仮橋です。

今期は府中市側の1径間、多摩市側の5径間、橋台が施工される計画です。夏までには多摩市と府中市の間に橋が架かります。

これまでに施工された仮橋

仮橋です。仮橋とはいえど、下流橋の架け替え、上流橋の改築の間、10年以上使われる予定のようです。

とても長い期間に思えますが、仮橋工事もあっという間に3年目ですので、仮橋が撤去されるのも意外と早いのかもしれませんね。

P8橋脚の上部

今のところ、上部の舗装などは行われていません。

説明会資料などによると、2017年(平成29年)11月~翌3月に擁壁等設置工事【多摩市側】が、2018年(平成30年)1月~3月に取付道路工事【府中市側】が行われるようです。

また、春ごろに交通切替工事に着手、夏ごろには仮橋工事が完了する計画のようです。年内(2018年内)に仮橋が供用開始されるでしょうか。


下流橋

今回は、来年には撤去が始まるとされる下流橋もじっくり見てきました。架設からだいぶ経っています。

下流橋撤去・新設がどのような手順で行われるのか、まだ資料が都のサイトなどに上がってないようなので、それがよくわかりません。

関戸橋 下流橋の高欄 親柱

補修の跡が見られます。高欄も年季が入ったようなのがよくわかります。

関戸橋 下流橋の上部

下流橋は2車線で、歩道がありません。一応、歩行者や自転車の通行が禁止されているわけではないようですが、危ないので歩いて通る人はあまり見かけません。自転車はたまにいます。

上流橋ができるまでは、この2車線で北多摩と南多摩を繋いでいたのですから。もちろん今よりもっと田舎でしたが。

関戸橋 下流橋の意匠

今見るとデザインのある橋だなと私は思います。新しくできる下流橋がどのようなデザインなのか、そういう資料をまだ見てない気がするので、それも気になりますね。

この橋に来るのはいつも日暮れか朝になっちゃうので、もうちょっと日が高いところにある時間帯にまた来たいです。

あと、橋を取り壊す前に歩いて渡るような、下流橋を惜しむイベントなんか東京都には企画して欲しいなぁ…など。(人集まらないかな…)

撮影日:2017年12月28日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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