国立市「さくら通り」の自転車道整備

国立市さくら通りで整備が進められている2車線化自転車道整備を見てきました。

さくら通りは谷保駅北側~矢川北団地付近までを東西に結ぶ道路です。現在事業が行われているのは上の地図の赤色で示した区域(1.8km)です。

ちなみにさくら通りの東側は東八道路まで繋ぐ道路が事業中です。西側は日野橋交差点まで繋ぐ計画があり、第四次事業化計画優先整備路線に選定されています。

事業は区間を6つに分け、1工区から順に工事が進められています。工期は2013年度(平成25年度)~2021年度(平成33年度)とされています。

おもな工事の内容は、4車線だった車道を2車線に減少し、車道の両側には自転車道を整備するものです。また、老朽化した一部の樹木は植え替えが計画されています。

工事前の道路

工事が未実施の6工区

幅員20mの道路に4車線という、現在としては少し狭い構成でした。(近くの甲州街道と比べたら広いですが)

さくら通りという名前のとおり、桜が多く植えられていて、国立市を代表する桜並木になっています。

この辺りは1963年(昭和38年)から行われた日本住宅公団による土地区画整理事業により整備され、整然とした街並みが広がっています。

完成済の道路

4工区

現在は1工区~4工区まで工事が完了しています。

車道は2車線に減少しています。

車道の両脇には対面通行式の「自転車道」が整備されました。国立市では大学通りなどで「自転車レーン」が整備されていますが、国立市で「自転車道」として整備されたのはこのさくら通りが初めてとなります。

車道は嵩上げされ、車道、自転車道および歩道の段差を軽減させた、セミフラット形式の縁石が採用されています。

歩道の舗装は透水性のあるインターロッキグ舗装となったほか、自転車道も透水性アスファルト舗装になっています。自転車道の出入口は青色のカラー舗装となっています。

桜は老朽化したもの、車道の支障になるものを除き極力残す方向となっています。途中で施工方法が変更され、1工区では半分ほど植え替えたようです。植え替えられた桜は「神代曙」が採用されたそうです。神代曙は近年街路樹として植えられる桜で人気がある樹木です。

バス停がある箇所

バス停がある箇所は自転車道はいったん途切れ、自転車と歩行者の混在空間となっています。

この箇所ではバスから降りる歩行者や、バスを待つ歩行者、または自転車など注意が必要です。

信号機がある箇所

横断歩道は自転車道にもひかれ、自転車は信号に従う必要があります。

区間による違い

自転車道には桜等の植樹帯による張り出しがあり、それを警戒させるための施設が整備されています。1工区では写真左のような道路びょうが整備されていましたが、警察の実査の結果、落ち葉等により隠れてしまうことから、2工区3工区赤色のポールが採用されることになりました。

その後2016年に市に意見が出され、景観に配慮ということで4工区以降は焦げ茶色のポールに変更されています。

なお、2017年(平成29年)国立市議会第4回定例会で「景観を壊す“さくら通りの自転車道整備工事”の見直し」に関する陳情が出されています。陳情項目として

  1. 景観を壊す見苦しい高さ90センチの「赤色ポール」の撤去(子供転倒の危険有)
  2. 景観を壊す「自転車道標識」の撤去(自転車道の路面上の標識で効果有り)
  3. さくら通り東側の最初の自転車道工事区間と同じ景観・工事内容にする

が出され、陳情事項1、2の一部採択となっています。

個人的には、ポールは軟性のあるもので、むしろ縁石で躓いたりしないために設置してるものであって、それが景観を壊すものであるとは考えにくいと思います。だたし、赤色から焦げ茶色にする措置は有効かなと思います。また、事項2は道路交通法に基づいて設置されているものでこれも景観を壊すものではないと思います。市としては警察との協議において自転車道標識を4工区は半減させ、今後も減らす方向だそうです。

おまけ:設置が進む自転車走行空間

自転車道

三鷹市のかえで通りに整備された自転車道

歩道、自転車道、車道を分離した道路です。自転車、自動車、歩行者が接触する危険性が低く、自転車はスムーズな通行が可能となります。

自転車は対面通行が原則で、並行する歩道は歩行者専用となります。

自転車道には青色の自転車専用の標識が設置されます。

自転車レーン(自転車専用通行帯)

東村山市に設置された自転車レーン

車道内の自転車が通行すべき部分が明確されたものです。

自転車は原則車道の左側を通行しなければならず、逆向きには走行することはできません。

自転車専用通行帯にはこのような標識が設置されます。

自転車ナビマーク・自転車ナビライン

調布市に設置された自転車ナビマーク
川崎市に設置された自転車ナビマーク

都内では2016年頃から急速に設置が進んだように思える標示です。一部設置が適さない場所にもあるように感じています。

これらは法令に定めのない標示で、この表示自体に新たな交通方法を指定する意味はありません。ただし、従来の法令通り車道の左側を通行します。

東京都以外にも自転車ナビマークは設置が進んでいるようです。各地でそのデザインが異なります。揃えるなり基準作ればいいのに。

自転車歩行者道における自転車走行位置の明示

三鷹市・調布市(市境付近)の東八道路に設置されたもの

自転車歩行者道に走行位置が明示されたものです。設置されている看板は任意で設置されているものです。

都内では東八道路・調布保谷線・川崎街道・新府中街道などの骨格幹線道路で設置が進んでいます。

撮影日:2018年4月1日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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