稲城市で事業が行われていた京王よみうりランド駅北口転回広場が完成し、2022年4月25日に交通開放されました。同日には完成式典も行われていたようです。
転回広場が整備されたのは、京王よみうりランド駅の改札を出てすぐ右へ曲がった先の箇所で、駅と隣接した土地になります。この場所にはこれまでコインパーキングがありました。2018年度にこの土地約450㎡について用地の取得を行っていました。
そして、2021年11月下旬より、この土地及び前面道路を整備する「市道171号線道路改良工事」が行われました。当初は3月下旬までの予定でしたが、工期を延伸し、2022年4月に完成し、4月25日に交通開放されました。
整備された転回広場は普通乗用車が転回できる程度の広さで、中央には交通島が設けられ、外周には歩道が整備されました。
車道の幅員的に停車している車の追い越しは難しそうに見えます。
駅前の部分は、かつては階段もありましたが、全面スロープで擦り付けられています(正面右側)。このスロープ部分の舗装は開粒舗装となっています。手すりも設置されていますが、ポストコーン及びカラーコーンで塞がれていて利用することはできません。
このほか、外周歩道に沿ってバリアフリー基準に適合していると思われる勾配のスロープも設置されています。
駅側から見るとこのようになっています。
設置されている車乗り入れ防止用の柱は、ポストコーンによる簡易的なものとなっています。衝突に対応できるものにすればいいのに、何か理由があるんですかね。
この転回広場に至る道路(市道171号線)は2項道路で、幅員4mを満たしていませんでしたが、今回の整備に合わせ幅員4mに拡幅されたほか、隅切りも整備されました。
幅員4mというと建築基準法上の最低限の幅で、一般的な乗用車の幅(例としてプリウスで1.76m)でもすれ違いがギリギリです。
稲城市ではこの広場を「交通広場」ではなく「転回広場」と称しています。これが袋路状道路に設置しなければならない転回広場との位置付けなのかは不明です。
ところで、この転回広場の北側は住宅地が広がっており、今回整備された道路は幹線道路に接していません。
駅北口から三沢川に至る区間では歩道があるものの、その先は三沢川河川管理用通路を除くと歩道は途切れており、自動車で幹線道路から駅北口転回広場に至るには必ず歩道がない道路を通る必要があります。2014年には駅北側の弁天通りで、歩道がある場所とはいえ、下校中の小学生が車にひかれ意識不明の重体になる事故も発生しています。駅の南側にはバスも発着できる広場があり、交通上の容量が足りていないようには見えません。
正直なところ、周辺道路が通過交通に対応していないのに、このような車を呼び込むような施設を造る必要があったのかなぁ・・・
撮影日:2022年4月29日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0140)
コメント
毎日非常に楽しみに、また、興味深く拝見させていただいております。
今回の「転回広場」の存在意義の件となりますが、今回のレポートを客観的に拝見させていただいて、レポートのあちらこちらに記載いただいておりますとおり、私は、まさに、車いす送迎車を主なターゲットとした設備と思いました。すなわち、多くの車の利用を考慮した通常の「交通広場」として、ゆとりのある設備とせず、通常の車の出入りがし難く、目立たない状況を意図しており、それゆえ、車いす送迎車には利用し易い状況を作っているのではないでしょうか、と思いました。(以上となります)
北口は急勾配の坂道となっていて車椅子での通行は困難な状況でしたから、この改善という面ではわかります。スロープを造る際に、道幅4m以下だった道路も広げ、転回広場も整備せざるを得なくなったというのであれば、なんとなく理解はできます。
ただ送迎という面では、北口にエレベータもある交通広場があり、送迎は可能でしたので、うーんと思いますね。
電車発着時の人通りを考えたら、北口に車を入れなくてもいいと思うのだが。