東八道路~放射第5号線の延伸・接続工事が三鷹市や杉並市で行われていますが、その工事の1つ「牟礼橋」の架け替えが完了し、人見街道の形状がもとに戻されました。
橋の架け替えは2014年度(平成26年度)から実施し、2017年(平成29年)1月に人見街道の切り回しを行いました。切り回しを元に戻したのは2018年(平成30年)4月25日とのことです。
この事業は歩道の整備などを除き概ね完了しています。
放射第5号線は千代田区麹町一丁目~杉並区久我山三丁目に至る全長15,130mの都市計画道路です。また、三鷹3・2・2号東京八王子線は三鷹市牟礼~三鷹市大沢に至る全長6,570mの都市計画道路です。
このうち、上図に示す三鷹市と杉並区の境界付近で道路の新設と改良を伴う事業が行われてきました。施行者はいずれも東京都です。
三鷹3・2・2号東京八王子線区間
この区間では2000年度(平成12年度)から久我山区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。結果、沿道環境に配慮するとともに、既定の都市計画幅員30m(一部除く)で建設されることになりました。
2002年11月28日に事業説明会を行い、2004年5月24日に事業認可されました。その後用地取得を進め、2014年度(平成26年度)より本格的に街路築造工事に着手しました。
2019年6月8日15時に交通開放されました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.7km |
幅員 | 30~36m |
事業施行期間 | 2004年5月24日~? |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2020年5月8日現在 |
久我山区間
この区間では2000年度から三鷹3・2・2号線区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。
環境配慮書の中では道路構造について3つの案が出され、結果、計画幅員を50m→60mに拡幅し、玉川上水など沿道環境の保全を図るものとなりました。
この区間の特徴はなんといっても、上下線の間に玉川上水が保全されたことです。
道路は平面構造4車線です。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約1.3km |
幅員 | 60m |
事業施行期間 | 2005年12月20日~2022年3月31日 |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2021年2月8日現在 |
高井戸西区間
この区間は中央自動車道と合わせて建設されました。道路は1975年に完成。しかし、沿道住民や小学校PTAなどの反対にあい、約9年ほど開通できず、1984年5月30日に2車線(片側1車線)の暫定形で交通開放されました。
2車線の形態は30年近く続きましたが、2014年8月28日に4車線化する事業に着手しました。
車線化に合わせて、これまで中央道高架の両脇にあった本線を高架下に移動。高架両脇は歩道や副道として再整備される予定です。
車線化は一足早く、2018年11月25日22時に行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約975m |
幅員 | 50m |
事業施行期間 | 2014年8月28日~? |
4車線化 | 2018年11月25日22時 |
2020年5月8日現在 |
高井戸東
この部分は首都高速4号新宿線の高井戸出入口(都心方面)などがある区間で、2018年度より工事に着手しました。
4車線化や合流部分の改良などが行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.6km |
工事期間 | 2018年度~ |
2020年5月8日現在 |
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牟礼橋は玉川上水に架かる人見街道の橋で、1933年(昭和8年)に設置されました。
しかし、東日本大震災クラスの地震に対する耐震不足の問題などから架け替えられることになり、隣接する放射第5号・東八道路と一体的に整備されることになりました(放5・東八部分は拡張新設)。
まず、放射第5号・東八道路の部分を架設。その部分に人見街道の切り回しを行い、もともとの橋梁部分を架け替え。人見街道を元に戻し、放射第5号・東八道路を整備という手順です。
現在は、この図の⑤。
2017年(平成29年)1月から大ケヤキの右側を迂回していましたが、橋が架け替えられたことにより元に戻り、直線的になりました。
これまでの切り回し部分も2車線でしたが、若干狭かったため路線バスがすれ違うために譲り合っていた状況を見たことがあります。直線的になったことで問題ないでしょう。
この橋の建設にあたっては、史跡である玉川上水の配慮もなされており、例として橋の面積を小さくするなどしています。また、大ケヤキとその足元にある庚申塔はそのまま残されています。
橋上の一部を含む部分に横断歩道が設置されました。交通量が多いので気を付けた方がいいです。
人見街道がもとに戻ったことで、これから放射第5号の整備が加速していくでしょうか。
人見街道と放射第5号・東八道路は直接接続しない計画で、近づくだけ近づいて離れていきます。まるで双曲線のようです。
両道路の間の部分は歩道として整備されます。
牟礼橋の上流側にあったどんどん橋(旧牟礼橋)もそのまま残されています。
高欄が低いのですが、そのままにしてほしいものです。
新しい牟礼橋は「暖色系色相の低彩度色」が使われています。
下流側の高欄には写真のように手すりも整備されました。
橋には下流側2つ、上流側2つ、間の歩道に2つの計6つの親柱が設置されました。親柱には石材が使用されています。
2016年12月の広報では、牟礼橋の切り回し復旧は2017年(平成29年)秋ごろに戻すとアナウンスされていました。
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東八道路・放射第5号の交通開放予定も昨年の時点では2017年度末(平成29年度末)とされていましたが、年度末に1年程度遅れる見込みと発表されました。
また、事業認可も2017年度末(平成29年度末)までだったため、2018年(平成30年)3月29日付で事業期間が2021年(平成33年)3月31日まで延長されました(関東地方整備局告示第104号)。
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ちなみに、中の橋交差点から東側、都心方面の高井戸出入口付近(高井戸東)の改良にも着手する計画です。その説明会で東八道路・放射第5号全て同時に交通開放する予定であると説明があったようです。
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牟礼橋の切り回し復旧の情報をくださり、ありがとうございました。
撮影日:2018年4月26日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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