世田谷区で事業が行われている補助第54号線(上祖師谷)の進捗状況を見て来ました。
仙川を横断する部分で行われている橋梁下部工が引き続き行われているほか、上祖師谷神明社の横の区間で排水管設置工事が行われています。

事業概要
補助第54号線は渋谷区富ヶ谷二丁目から世田谷区上祖師谷五丁目に至る延長約8,950mの都市計画道路です。このうち上記で示した区間で道路を新設する事業を行っています。
事業認可は2004年1月21日、施行者は東京都、事業延長は約680m、幅員15mで2車線の道路となる計画です。

基本データ
| 施行者 | 東京都 |
| 延長 | 約680m |
| 幅員 | 15m |
| 事業施行期間 | 2004年1月21日~2027年3月31日 |
| 交通開放 | 榎交差点~駒澤大学グラウンド前間:2023年4月23日14:00 |
| 2023年4月23日現在 | |
用地取得率の推移
※データ出典は各点にカーソルに合わせた際に表示します。
※取得できたデータのみ表示しています。
※市議会答弁は日付の言及があるものはその日付、ないものは発言の日時点
最近の発注状況
| 工事 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 工事名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2018年度 | 街路築造工事のうち電線共同溝設置工事及び排水管設置工事(30二-補54上祖師谷) | 東亜道路工業株式会社 |
| 2020年度 | 街路築造工事及び電線共同溝設置工事(2二-補54上祖師谷) | 辰島建設株式会社 |
| 2021年度 | 街路築造工事(3二-補54上祖師谷) | 成友興業株式会社 |
| 2023年度 | 橋梁下部工事(5二-補54上祖師谷) | 株式会社久本組 |
| 2024年度 | 街路築造工事のうち基盤整備工事及び排水管設置工事(6二ー補54上祖師谷) | 株式会社久本組 |
| 2024年度 | 橋梁上部工事(6二-補54上祖師谷) | 株式会社久本組 |
| 委託 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2023年度 | 補助第54号線(上祖師谷)橋梁詳細修正設計 | 株式会社トーニチコンサルタント |
| 2023年度 | 補助第54号線(上祖師谷)地質調査 | 中央開発株式会社 |
| 2023年度 | 補助第54号線(上祖師谷)道路詳細設計及び一般構造物詳細設計 | 株式会社トーニチコンサルタント |
| 2024年度 | 補助第54号線(上祖師谷)橋梁詳細修正設計 | 株式会社トーニチコンサルタント |
| 2024年度 | 補助第54号線(上祖師谷)電線共同溝詳細修正設計 | 株式会社トーニチコンサルタント |
| 2025年度 | 補助第54号線(上祖師谷)道路詳細修正設計及び橋梁詳細修正設計 | 株式会社トーニチコンサルタント |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
この道路の記事一覧
写真等

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)

成城通りと交わるセブンイレブン前の交差点から東側が事業区間です。
西側は松原通りまでの区間で東京都が別途事業中、北側も駐在所の裏側まで世田谷区が別途事業中です。
成城通り~松原通り間(補助第54号線(上祖師谷Ⅱ期)ほか)

駐在所裏側まで(補助第217号線(上祖師谷4,5,6丁目))

この先、上祖師谷神明社横を通り、仙川の西側までの区間では、排水管の設置工事などが行われています。

仙川に向かって下り坂で、勾配のキツい区間となります。道路両側の土地と高低差が生じる計画で、今回の工事では補償代行工事として民地部の擁壁設置工事が行われる模様です。
工事看板によると工期は10月31日までとなっていますが、現場の状況を見る限り、工期は延伸されるものと思われます。

仙川西側の崖部の樹木が伐採されて、仙川東側まで見通せるようになっていました。

仙川横断部では橋梁の下部工事が行われています。
仮囲いが高く様子がよく見えませんが、まだ工事が進行中です。
工事件名は「橋梁下部工事(5二-補54上祖師谷)」で、2025年10月中旬までの予定で、株式会社久本組が施工しています。
当初4月中旬までの予定でしたが、工期が延伸されています。現場の状況からさらに延伸しそうな気がします。

橋梁下部工事に伴い、仙川沿いの河川管理通路は引き続き通行止めとなっています。
次の工事となる橋桁を架ける工事「橋梁上部工事(6二-補54上祖師谷)」も既に業者が決定済みで、2件の工事と同様に株式会社久本組が施工する予定です。

引き続き工事中です。
このほか、この東側、駒沢大学グラウンド前の横断路に地点名標識が設置されました。以前南側交差点に設置されていた名称と同一です。
撮影日:2025年10月2日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。






コメント
2023年に開通する前の現道を環八の千歳台交差点から通ったことがありますが、大型バイクでも対向車と擦れ違うのも躊躇したくなるほど狭く、その先の現道も狭い道が続き、新しい道路が開通するまでは通らないと決めました。
ここが完成しても、環八と甲州街道との抜け道として通れるようになるのはまだまだ先になりそうですね。
上祖師谷にちょくちょく用があるので成城通りの南北含め早く一帯化完成してして欲しい
仙川から抜けてく道路狭い上に区民が我が物顔で通るからホント危ないったらありゃしない
「我が物顔で通る」は言葉が過ぎます。
幹線道路が存在しているにもかかわらず生活道路を抜け道する車に対してならまだわかりますが、現状この区域内にう回路は存在せず、バスも通る最も幹線的な道路がこの狭い道路であることが問題であり、決してこの狭い道路を通りたくて通っている人はいないと思います。
ここは淡々と工事が進められている印象だったのですが、工期が伸びそうなのですね。何が原因なのでしょうか、、資材高騰や人員確保の観点でしょうか。
開通後の現道との接続地点(5番部分)がどのような交差点扱いになるのかも気になりますね。仙川方面への抜け道としてかなりの交通量がありますし。
契約変更(工期延伸)の理由については公開資料がないため不明です。情報公開請求すれば出るとは思います。
なお、現在施工中の工事発注後に詳細修正設計が1件、上部工発注後(現在未施工)にさらに詳細修正設計が1件発注されていることから、施工後に何らかの施工条件の相違あるいは変化が生じて、設計変更が生じているものと推測しています。
現道との接続交差点については、将来設計図を見たことがないのでわかりませんが、現在発注済みの工事の図面に見切れている部分によると、補助第54号線と接続する模様です。信号の有無などは不明です。
調布市側の調布3・4・10号が完成するまでは、仙川方面に抜けるメインルートであることは変わりはないと思われることから、現在の性格の道路として残ると考えています。
ここからは与太話ですが、昨今のインフラ環境において、人口減少や老朽化を見据えたダウンサイジングや、集約化といった話が徐々に話題に上がることも多くなりました。
橋梁等においても、補修や点検等を行う際の国の補助制度である「道路メンテナンス事業補助制度」において、補助を受ける自治体等は各施設の長寿命化計画で集約化・撤去の数値目標を策定しなさいとする改正がありました。すなわち、国は集約化・撤去を各自治体に働きかけています。
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000809520.pdf
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/pdf/jigyo-hojo-youkou.pdf
こうした中で、短区間で橋が連続する箇所においては、今後集約化の対象となりうる可能性もあると想像しています。ただ、現状で、集約化をした自治体は、自治体全体で見るとごくわずかであり、都内ではほぼないと思われます。
利用住民がいる中で撤去という話を持ち出すのは、現在の社会情勢ではなかなか難しく、なかなか進んでいくような話とも思えません。ただ、今後の環境の変化で、そういった世論が強まれば、進んでいく話かもしれません。
現況の橋について撤去の計画があるという話は聞いたことはないと、最後に補足いたします。
この道と補助第217号は同時に開通って感じですかね。そのまま開通だとコンビニワープが多発しそうな作り。交差点の形の変更を考えるとファミマと駐在所は動きそうだけど、後ろのマンションが微妙に予定地に引っかかっていそうで、長引きそう
必ずしも同時開通が必須な道路状況ではないかなと想像しています。
中々進まないですねぇ(;^_^A 榎交差点から駒大グランドまで開通してから2年半。少なくともあと3年はかかりそうですね。
素人からすると用地取れて業者も決まってるのに何故そんなに時間かかるのかいつも不思議に思います。
国土交通省の指針(直轄工事)では、契約から着工までの準備期間をだいたい2ヶ月設けています。
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001334745.pdf
各自治体においても、これを参考に積算基準を定めています。国の補助金を使う都合上、ほとんど変えていない自治体がほとんどだと思います。
国の直轄工事では、土日を含めてこの日数のようですが、入札情報サービスや特記仕様書記載の日数から逆算すると、どうも東京都は土日含めずこの日数にしているようで、大体1.4倍くらいします。
あくまで役所が工期を定めるときの標準日数なので、これより早く現場着手したり、逆に遅くなったりします。
この準備期間に、下請け会社と契約、材料の承諾、承諾を受けたら発注、施工方法の承諾、処分先の承諾、道路使用、河川占用の届出、管理方法の承諾、事前測量など、様々な準備を行います。
税金で施工している以上、公平性や透明性を担保するため、民間発注工事と比べてはるかに多くの書類作成と確認が伴います。
この路線の橋梁上部工事に関しては、前の下部工事が終わっていないため、そもそも施工に取り掛かれません。
また、下部工事が遅れている理由は、先にコメントした通りと推測しています。
本日(11月5日)、東京都建設局から橋梁上部工事のお知らせがポスティングされました。
◆はじめに
日頃より、東京都の道路事業にご理解とご協力を頂きありがとうございます。
東京都市計画道路補助線街路第54号線(上祖師谷)整備事業につきまして、
現在、宮下橋南側で行っている新しい橋梁の下部工事に引き続き、上部工事を行います
ので、お知らせいたします。
工事期間中は、交通規制・騒音・振動等でご不便をおかけすることもあるかと思いま
すが、安全施工を第一に早期完成を目指しますので、皆様方のご理解とご協力をよろし
くお願いいたします。
◆工事の場所と日時について
工事件名:橋梁上部工事(6二ー補54上祖師谷)
工事場所:東京都世田谷区上祖師谷三丁目地内から同上祖師谷四丁目地内まで
工事期間:令和7年11月中旬~令和8年3月下旬(予定)
作業時時間:昼間 8:00~18:00頃まで
夜間 20:00~ 5:00頃まで
※作業時間は、関係機関との協議等により変更となる場合があります。
※現場作業は土曜・日曜・祝日は原則休工といたします。
◆工事による影響などについて
(略:仙川沿いの遊歩道は引き続き通行止めなどが記載)
◆連絡先・お問い合わせ先
(略:先の施工業者のとおりです)
◆工事個所の案内
①橋梁上部工事(昼間)一部夜間工事有
②仙川護岸嵩上げ工事(昼間)
◆工事平面図・断面図(橋梁・管理用道路工)
(略)
(図面を見る限り、両岸が宮下橋から嵩上げられるようです。遊歩道は新しい橋の下を通すのか、右岸側は新たに橋梁をう回して平面交差なのかのわかりません)
橋梁下部については、左岸はコンクリートの施工は終了しています。右岸(仙川側)は、鉄筋組は終わっているみたいで、これからコンクリート搬入かと思います。
橋梁上部をどのように施工するのかは記載がありませんが、夜間の作業があるとのことなので、「プレキャスト桁」の搬入ではないかと予想しています。
図面を見る限り、両岸共にEDO-EPS工法で河川管理通路ごとかさ上げされるようです。このかさ上げは、河川管理通路を補助第54号線に平面接続するためと見られます。
橋の下を通る通路を作るか否かはわかりませんが、橋脚ではなく橋台で施工したこと、経済性、防犯性などを考えると作らないと思います。
架設方法は任意架設のためあくまで参考図ですが、ボールトレーラーを用いてPCプレテンションT桁を搬入する図が記載されています。
夜間作業がどの工事かはわかりませんが、特車は夜間しか運行できないため、仰る通りこの搬入は夜間になると思います。
お知らせの看板を見たところ、橋梁下部工事の工期が、令和7年12月下旬までと、12月に延期されていました。
ヤード内では、橋台上部の施工に使用すると思われる合板型枠の作製が進められています。