川崎市で「五反田川放水路 夏休み親子見学会」が開催され、抽選に当たったので見に行ってきました。
「大人のみの参加も可」とのことで申し込んだんですが、行って見ると「自由研究お助け企画」など書かれていて、親子ばかりで本当に申し訳なかったと思います。すみません。
ただ……夏休みになると小中学生対象の見学会が多く開かれますが、大人も対象の見学会ももうちょっと開いてほしいぞ
五反田川放水路とは
五反田川は麻生区細山を源流とし、多摩区東生田で二ヶ領本川(二ヶ領用水)に合流する全長4.8kmの河川です。このうち、一級河川に指定されている区間は下流~田中橋までの約1.48km、準用河川はその上流約3.275kmです。
五反田川は比較的短く小さな河川ながら、急勾配でかつ付近が都市化され、度重なる水害が発生していました。
一方で、合流先の二ヶ領本川は都市化により河道拡幅が困難でした。このため、五反田川の途中から多摩川に直接放流できる放水路を建設することになり、これが五反田川放水路です。
五反田川放水路は五反田川側の分流立坑と、多摩川側の放流立坑を全長約2,025mのトンネルで結んでいます。トンネルの深さは場所にもよりますが40~50mです。
洪水時には五反田川の全量を五反田川放水路に流入させることになります。水は水位差により自然流下されます(逆サイフォン)が、洪水後トンネル内に残った水は五反田川側のポンプ設備で排水されます。
事業自体は平成4年度(1992年度)に着手され、平成35年度(2023年度)までの予定で事業が行われています。これにより、現在35mm/h(1.5年に1度の大雨)に対応している五反田川と二ヶ領本川を、90mm/h(30年に1度の大雨)に対応できるようになります。
見学会
当日は分流施設で見学会が行われました。1日に3回に分けて、各回30人のようでした。
分流施設は小田急小田原線の向ヶ丘遊園駅~生田駅間にあり、車窓からもよく見えます。長いこと工事してるあれです。
参加者を2グループに分けて、1グループは前半トンネル見学・後半重機など見学、もう1グループはその逆で行われました。
私は最初にトンネル見学。ヘルメットを着用し、さっそく立坑を降りていきます。
立坑は深く、底がよくわかりません。
立坑の深さは62m、完成時には管理用のエレベータなどができるようですが、まだまだ工事中でそのようなものはないので、仮設階段を下りていきます。仮設階段は揺れたり下が見えたりとちょっと怖い。
7mだけ降りたところ。横には水が流入する場所が見えます。こちらは現在開削中。
ちなみに、立坑自体は平成12年度(2000年度)に完成しています。
さらに降りていくとトンネル部が見えてきました。気温も徐々に下がって涼しくなってきます。
やっと最下部に到着。
立坑最下部から上を見ると遠くに青空が見えました。これからトンネル部を見ていきます。
トンネルは真っ暗。懐中電灯を持って数十メートル進みます。
トンネルはシールドマシンによって掘られ、平成26年度(2014年度)に完成しています。
トンネルの内径は8.7mで、五反田川側に向かって1/1000(1m進んで1mm下がる)の下り勾配になっているそうです。
トンネルはカーブもしていたり。なかなかこういう見学をする機会はないのでうれしく思います。
今後の工事の進捗では、今後ここを見学できる機会があるかわからないとのこと。(完成したらスポット的開催にするかもしれないがそれは何も決めていないと市職員さんが仰っていました。外郭放水路みたいに見学できたら面白いんですけどね。)
見終わった後、再びあの階段を上って地上に戻ります。まぁ疲れるわ。
地上にがった後は地上部の建設状況の見学と、重機の操縦体験がありました。
五反田川の水門は、洪水時に川を締め切り、水を放水路側に流入させるためのもので、現在建設が進められています。
見ての通り、五反田川はそんなに大きな河川ではないんですけどね。
ここには沈砂池や除塵機、流入規制ゲートなどが設けられる予定で、現在は清水・真淵共同企業体が建設を進めています。かなりコンパクトな敷地で工事が行われています。本当はもう少し用地が欲しかったそうです。
ここを掘っている最中に木が出てきたりして、工事が難航したこともあったんだとか。
重機操縦体験も行われ、見学会終了。
ついでだから合流施設まで歩いてみる
見学会終了後、ついでなので多摩川まで歩いてみることにしました。
五反田川放水路のトンネル部は主に津久井道(世田谷町田線)3の真下を通っています。用地や区分地上権の取得を極力避けるためだそうです。
分流施設からすぐの根岸陸橋の真下もトンネルが通っています。側道部ではなく陸橋部の真下を通っているそうですよ。
府中街道9と交わる多摩警察署前交差点もトンネルで通過。その先の二ヶ領本川の下も通過していきます。
シールドマシンでの工事だったので、地上からは開削せず、トンネルがあることを知らない人も多いことでしょう。
ちなみに、この付近に幅の広い中央分離帯があるのは五反田川放水路とは関係ないとのこと。
こちらも何やら完成していました。平成24年度(2012年度)に完成しているとのこと。
こちらもできていました。関連工事自体はまだ行われているようです。
2017年4月に来たときはまだ水門ができていなくて、道路が大きく迂回していました。
終了。
撮影日:2018年8月17日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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