シールドマシンの脱け殻?世田谷代田駅へ見に行く

ンネルを掘るときに活躍するシールドマシン。地下鉄や首都高速道路のトンネル、水道等、さまざまな場所で地面を掘っています。

それらシールドマシンは一つの工事箇所には大抵その場所専用のものになるそうです。一点物と言うこと。掘り終えると中身を取り出して、そのまま地下に放置されることが多いそうです。中身については再利用されることもあるそうです。

ならば、それら地下に放置されたシールドマシンを見ることができる場所はないものかと調べてみると、小田急小田原線の世田谷代田駅で見られることがわかったので、早速通りかかったときに降りてみることにしました。

これがシールドマシンの残骸だ!
小田急小田原線世田谷代田駅の下り1番ホームの新宿寄りにあります。写真の白い箇所がそれ。

シールドマシンの外殻をトンネルの一部として再利用しているようです。中身は回収しています。脱け殻です。

右側がシールドマシンで掘った後方に構築されるセグメント(ダクタイルセグメント)、左側がシールドマシンの脱け殻。
抜け殻の場所は白くなっていて他とは違うのでわかりやすいですね。

このように間近で見られるのは珍しいとのこと。

断面はこんな感じ。脱け殻にはコンクリートや金属パネル等保護がされているようです。

この小田急小田原線の地下区間は、東京都が主体となり進めている連続立体交差事業と、小田急電鉄が進める複々線化事業によって2013年3月に開通しました。区間は梅ヶ丘駅~代々木上原駅間の約2.2キロメートルで、そのうち約650メートルほど(上下線で約1300メートル)の急行線がシールドトンネルになっています。

工事は、急行線を先に開通させ、次に緩行線を開通させるという、大まかに言うと2段階で施工されています。2013年(平成25年)3月に開通したのは急行線ですが、緩行線が完成するまでの間は急行列車の止まらない世田谷代田駅、東北沢駅にも仮設のホームを設けて各駅停車が停車できるようにしています。
緩行線は2018年(平成30年)の完成を目指して工事が進められていて、2016年(平成28年)1月現在、世田谷代田駅では緩行線ホームの基礎構築工事、下北沢駅では京王井の頭線との交差部において地下の構築作業が進められているそうです。

シールドマシンは、世田谷代田駅付近で発進・到着縦孔が、下北沢駅の東側で回転縦孔が開削され、発進→回転→到着しました。2008年6月から2009年10月14日の408日間で掘り終えたそうです。

前述の通り、現在の世田谷代田駅は急行線に仮設のホームを設けているので、将来的には急行線に降り立つことはできなくなります。また、現在工事を進めている緩行線は開削によって構築しているので、同様のシールドマシンの残骸を見ることはできません。
つまり、このシールドマシンの抜け殻を間近で見ることができるのもあと数年ということです。

世田谷代田駅は通常でも人が少ない駅ですが、抜け殻が見られる場所はホームの端とあって寂しさが一層感じられます。私自身、パシパシ写真を撮りながら優越感に浸っていたのだが、やっぱり寂しかったな・・・。

下北沢駅方面にシールドトンネルは続きます。風が吹き抜けます。

暗いのでISO感度を上げて撮影しましたが、皆様も撮影の際にはフラッシュを焚かず、通過列車には注意を。

撮影日:2016年2月25日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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