西武多摩川線の多磨駅周辺でもまちづくりが進行中です。
多磨駅のリニューアル
2018年6月に西武鉄道が西武多摩川線多磨駅のリニューアルを公表しました。
西武多摩川線は単線の路線で、多磨駅は2面2線の行き違いができる駅です。改札口は西側の1か所のみ設けられています。自動改札機は設置されていません。
2つのホームは構内踏切によって結ばれています。都内で構内踏切というのは少ないと思います。
ホームは対面式で2つありますが、日中は行き違いをほとんどしていないようです。
リニューアル計画ではホームを1つ廃止し、1つにしたうえで、ホームの幅員を拡幅することにしています。
また、橋上駅舎を新設し、東西の自由通路も造ることとなっています。橋上駅舎ですが、線路上には東京電力の高圧送電線がありますので、そのあたりどうするのかなと気になるものではあります。
橋上駅舎設置後は、現在ある東西の地下通路は廃止される計画です。
現在は東口には改札口は設けられていませんが、リニューアル後は自由通路の整備によってこちら側にも出入りできることになります。
プレスリリースにはオリンピック関連のことは書いていませんが、周辺の公園がオリンピックの会場にもなる予定です。
2019年(令和元年)5月26日から1番ホームが休止され、列車交換ができない駅となりました。
このほか、駅付近ではイトーヨーカドーが出店予定のほか、駅西側にも駅前広場ができる計画で用地取得を進めています。
イトーヨーカドー出店計画
多磨駅東側にはイトーヨーカ堂が「(仮称)府中朝日町SC計画」を計画しています。駐車台数1822台の大規模なもので、環境影響評価案件となり、2015年11月24日に調査計画書の告示がありました。
その後音沙汰がなかったので見に来ましたが、まだ荒地が広がっていました。
ネット情報によると2021年開店を目指しているそうで、オリンピックとは何ら関係なさそうです。
電線共同溝整備
多磨駅東側の道路で電線共同溝の整備を進めています。電線共同溝は簡単に言うと電線類の地中化で、看板にある通り東京オリンピック・パラリンピックを見越した整備となります。
府中市HPによると、工事は2016年度(平成28年度)から行われており、2019年(平成31年)6月下旬の完成を目指しています。
都内では、新設する都市計画道路すでに多くの場所で電線類は地中化されているほか、東京都が2018年3月に策定した『東京都無電柱化計画』では「都市計画道路の新設又は拡幅事業を行う際は、同時に無電柱化を実施する」とされています。
また、同計画では、「競技会場予定地周辺の区市道で、地元区市と合意した区間において、国からの補助金と合わせて100%を補助し、平成 31 年度までに無電柱化を完了させていく。」とされているほか、2014年に策定された『東京都無電柱化推進計画』でも「東京オリンピック・パラリンピック競技会場予定地周辺等の区市道において、無電柱化を促進する。地元区市と合意した区間において補助率の割合を現行よりも引き上げて、平成 31 年度までに無電柱化を完了させる。」とされていました。
通常、区市町村が施行する整備では、国が55%、都が22.5%、市区町村が22.5%の負担となりますが、競技会場予定地周辺では市区町村分を都が負担することになっています。この多磨駅付近もこれを用いた事業です。
ちなみに、一般的には400m施工するのに7年かかるとされているので、かなり素早い施工になっています。
こうした機会がなければ、市町村が単独で既存道路の電線類地中化をするのは大変でしょうし、ほとんど行われていない印象があります。区部と多摩地域では整備率の隔たりも大きく、整備対象延長に対し区部で1288kmのうち57%、多摩地域で1040kmのうち18%となっています。区部が優先されるのはわからなくないけどね。
撮影日:2018年7月19日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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