練馬区で事業が行われている放射第7号線のうち、都道24号(現道)と交わる諏訪神社北交差点から西側の区間が、2025年2月16日15時に開通しました。
開通の様子を見て来ましたので、その様子をお伝えいたします。
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開通の様子
開通記念式典
当日は午前中、近隣の大泉西中学校で開通式典が開催されました。
式典は招待状を持っている人のみの入場で、それ以外は入ることすらできませんでした。
ここ最近の東京都の開通式典は関係者以外を締め出すことが多くなっています。
開通式典は、「開通記念式典に係る実施計画等作成委託(6四-放7大泉)」を株式会社大和田組が682,000円で落札し、その後「開通記念式典に係る会場設営委託(6四-放7大泉)」を同社が12,493,514円で特命随契で受注しています。
東京都の開通式典関係はこのように計画作成を少額で発注し、その落札会社に特命随契することが慣例となっています。毎回そのようにやるのであれば、運営も一括で入札すべきだと思います。
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中学校での式典が開催されたあと、11頃から諏訪神社北交差点西側に特設された会場で、テープカット式とくす玉開披が行われました。
はじめにテープカット式です。左奥から練馬区都市整備部長中沢 孝至氏、都議会議員とや 英津子氏、都議会議員小林 健二氏、都議会議員山加 朱美氏、都議会議員柴崎 幹男氏、都議会議員藤井 とものり氏、第四建設事務所長小田中 光氏です。
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テープカット式のあとすぐにくす玉開披が行われました。
後列左奥から練馬区立大泉第四小学校PTA会長ほんとまこと氏、練馬区立大泉西中学校校長櫻井 弘氏、西東京消防署予防課長なりみやまさき氏、田無警察署長井上 薫氏、練馬区議会議長福沢 剛氏、石神井警察署長山上 嘉人氏、石神井消防署長佐藤 雄二氏、練馬区立大泉第四小学校校長岩崎 広明氏、練馬区立大泉中学校校長大槻 亨氏、前列は練馬区立大泉第四小学校5年生代表委員の児童らです。
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くす玉開披のあと用意していた車に乗り込み、関係者らによる通り初めとなりました。
通り初め後散会となり、15時の交通開放に備えました。
式典にはテレ朝やフジテレビの取材クルーもきていました。テレ朝はかなり誘導的なインタービューしてたなぁ……
15時の開通
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開通式典後、撤収は速やかに終わり、すべての交差点にテイケイの交通誘導警備員が2~3名程度配置され、開通する道路に車両が誤って入らないよう誘導を行っていました。今まで見た中でも誘導員の数はかなり多い方だと思います。
各交差点はカラーコーンとバーで塞ぐような形で準備がされ、開通の1分前に撤去を行い、開通となりました。
東側からは白バイと東京都のパト車が、西側からは白バイと東京都の道路パトロールカーがそれぞれ先導し、それに一般車両が続く形となりました。
都市計画決定から事業着手まで
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放射第7号線(東京都市計画道路幹線街路放射第7号線)は1946年3月26日の戦災復興院告示第3号に基づき決定された都市計画道路です。このころ、東京23区内の多くの都市計画道路が決定され、東京の道路網計画が決定されています。
大泉学園町付近の放射第7号線は、当初は現在の大泉街道(大泉学園駅北口の道路)をなぞるルートとなっていましたが、1962年7月26日の都市計画変更で現在のルートに変わっています。このころ、西東京市を含めた多摩地域や周辺郊外の都市計画道路が一気に決定されていた時期で、これらの計画と整合を取ったものとなりました。
北園交差点~西東京市境まで事業着手したのは2006年7月24日で、以降、用地の取得と道路の整備が続けられてきました。
建設後期には、自転車歩行者道の一部が自転車と歩行者に限り暫定的に順次開放されました。
上記で示す区間では道路を新設する工事を行っています。
施行者は東京都で、事業認可は2006年7月24日です。延長は約2,000m、幅員は25mで、両側に幅7mの歩道を設け、中央部に車道を2車線(片側1車線)となる計画です。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約2,000m |
幅員 | 25m(2車線) |
事業施行期間 | 2006年7月24日~2028年3月31日 |
開通 | ライフ以西:2025年2月16日15時 ライフ以東:未定 |
2022年12月9日現在 |
1月16日追記
ライフ以西が2025年2月16日15時に暫定開通します。
放射第7号線は大泉学園町付近から東所沢付近にかけて連続的に整備が行われています。埼玉県では「東京都とのスクラム強化による道路整備」として整備を進めています。
これらの道路が完成すると、皇居付近から狭山日高IC付近まで1本の道で繋がることになります。
それぞれの区間については下記をご覧ください。
全区間のページ→放射第7号線・新東京所沢線
① 放射第7号線
② 西東京3・3・14号新東京所沢線(開通済みのため記事はありません)
③ 西東京3・3・14号新東京所沢線(Ⅱ期)
④ 新座3・4・10号放射7号線(栗原工区)
⑤ 東村山3・4・15の1号新東京所沢線(神宝町)
⑥ 東村山3・4・15の1号新東京所沢線(金山町)
⑦ 新座3・4・11号放射7号線(新堀工区)水道道路以東
⑧ 新座3・4・11号放射7号線(新堀工区)水道道路以西
⑨ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(中清戸)
⑩ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(上清戸)
⑪ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(清瀬橋)
⑫ 清瀬橋(このサイトでは⑪と統合しています)
⑬ 所沢3・3・2号東京狭山線(下安松工区)
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
開通した道路
今回開通した道路は、事業中区間の西側約1kmです。
幅員25mで2車線の道路として整備
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幅員25mは北園交差点の東側と同等の幅員ですが、そことは異なり自転車歩行者道を広くとった構造となっています。西東京市側の道路構造とほぼ同様です。
かつての東京都の道路では、このように1車線の幅が広い場合には、破線や実線を描いて停車帯としていることが多かった(西東京市側もそう)ですが、最近整備される道路ではこの破線や実線を描かないことが増えています。
低木にはオオムラサキツツジが、高木にはヤマボウシが植栽されています。
2箇所に信号機設置
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ライフ西大泉店に近い都道24号(現道)と交わる交差点は諏訪神社北交差点と命名され、信号機が設置されました。現示は通常の丁字路のパターンです。
いなげや練馬西大泉店とクリエイトSD練馬西大泉店の間の交差点には、横断用の信号機が設置されました。
夜間押しボタン式で、昼間は人がいなくても信号が切り替わります。また、枝道に対する車両用信号機は設置されていません。
福泉寺通りとの交差点は無信号に
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事業区間西側、福泉寺通りとの交差点には信号機は設置されず、一時停止の交差点となりました。福泉寺通り側が優先道路となり、放射第7号線側が一時停止が必要となります。
互いの道路ともに将来右折レーン等が整備できる幅員で整備されていますが、置きガードレールを設置して車道を狭めて暫定開放されている状況です。
第四建設事務所のウェブサイトによると、全線開放時には信号機を設置する予定で、その際には隣のしたみち通りの信号機は廃止される予定とのことです。
開通直後は交通が乱れやすく渋滞も発生しがちですのでこの状況を見て判断は全くできませんが、歩行者と車両がぶつかりそうでヒヤッとする場面が見られました。置きガードレールによって特に小さな子供が視覚的に見えにくくなっているので、注意が必要です。
警視庁の信号設置基準では「隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていること。」を必要条件の1つとしていて、この判断もあり設置していないと思われますが、「原則」ですので、生命の危険が及ぶような事態があるのであれば、設置をしていただきたいと思います。
農園西側(丸山西橋バス停北側)の交差点にも信号機は設置されませんでした。
この交差点は放射第7号線を横断するように走る車が比較的多く、路線バスも横断する箇所となっています。
私が見ていた限りでも、横断待ちしているのに止まらない車が多く見られました。
この交差点の信号の設置有無について第四建設事務所からの発表はありませんが、北園交差点近くに昔から設置してある看板には、全線開通時には信号を設置する予定のような記載が見られます。
案内標識は暫定ではない?
開通時期が近かったり、予定がある場合には、将来直進方向の部分をシールで隠したり、あとから当て板ができるようなレイアウトにすることがありますが、この案内標識は将来を見込んだレイアウトになっていません。開通が当分先であることを示しているのでしょうか?
小泉橋方面
ライフ西大泉店~小泉橋交差点にかけて、路面補修と横断抑止柵の取り換えが行われています。
工事件名「路面補修工事(5四の14)」で、新興産土木株式会社が施工しました。
ただ、開通に合わせたものではなく、単なる維持工事な気がします。
小泉橋交差点やしたみち通りで、今回の開通に合わせた安全対策等を行った様子は特段見られませんでした。
東側区間未取得用地残る
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事業中の区間の東側約950mの区間は、引き続き用地の取得と工事が進められています。
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この区間には、ここ1年ほどでメディアでも取り上げられることが多くなった開通に不可欠な未取得の土地1箇所が残っています。2023年には「移転工法案検討委託(放7)その6」が、2024年には「補償算定及び補償概要説明資料作成業務委託(放7)」がそれぞれ業務委託されています。詳しい内容は不明ですが、入札情報を見る限りこの土地に関連する業務と見られます。ただ、「その6」とあるように続き物ですので、どこまで実効性のあるものなのかはよくわかりません。
現地で数時間いましたが、地域の人からは寺院と東京都に対する文句がたらたら出ているのが聞こえてきました。
この東側の街路整備工事と見られる「街路築造工事(6四-放7大泉学園)」の入札が現在実施中で、3月13日に開札される予定です。入札情報サービスによると、工期は契約確定の日の翌日から215日間で、工事内容は開通前の工事と同等の内容となっています。
ただし、舗装の面積などから割り返すと東側全線ではないような気がします。契約後に図面等は公表されるはずですので、詳細は追ってわかると思います。
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一般的に、幹線道路の開通は、その両端が幹線道路に接しているなど、安全を確保できる状態ではないと開通させません。したがって、未取得の土地の手前までの部分開通はないと思います。(当初は今回開通部分の部分開通も東京都は否定的であった)
いずれは所沢・狭山方面へ一直線
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放射第7号線は、新東京所沢線・放射7号線と名前を変えながら、東所沢付近の都県境まで連続的に整備が行われています。埼玉県でも「東京都とのスクラム強化による道路整備」として精力的に整備が行われています。
この道路がすべて完成すると、皇居付近から狭山日高IC付近まで1本の道で繋がることになります。
それぞれの区間については下記をご覧ください。
全区間のページ→放射第7号線・新東京所沢線
① 放射第7号線
② 西東京3・3・14号新東京所沢線(開通済みのため記事はありません)
③ 西東京3・3・14号新東京所沢線(Ⅱ期)
④ 新座3・4・10号放射7号線(栗原工区)
⑤ 東村山3・4・15の1号新東京所沢線(神宝町)
⑥ 東村山3・4・15の1号新東京所沢線(金山町)
⑦ 新座3・4・11号放射7号線(新堀工区)水道道路以東
⑧ 新座3・4・11号放射7号線(新堀工区)水道道路以西
⑨ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(中清戸)
⑩ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(上清戸)
⑪ 東村山3・4・15の2号新東京所沢線(清瀬橋)
⑫ 清瀬橋(このサイトでは⑪と統合しています)
⑬ 所沢3・3・2号東京狭山線(下安松工区)
現在のところは、⑩、⑪が開通に最も近いとみられ、開通前最後の工事と見られる「街路築造工事(6北北-東村山3・4・15の2[清瀬橋])」の入札が2月6日に開札されました。早ければ1年後くらいには開通しているかもしれません、知らんけど。
撮影日:2025年2月16日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
お墓の部分は地下道にしたり
低い高架にすれば良いんじゃね?
トンネルで通すにも高架で通すにも、権原の取得が必要です。したがって、所有権の取得とほとんど同等の手続きが必要となります。
高架やトンネルとする場合、前後約150~200mの擦り付け区間が必要となり、沿道アクセスのためには副道を整備する必要があります。そうすると、せっかく道路を整備するために用地を提供していただいた沿道の方々に再度用地の提供をお願いすることになります。
また、高架の場合は日照や電波、トンネルの場合は地下水等の対応が必要となります。
トンネルとする場合にもこのような土地では開削トンネルとなるため、工事範囲で一度立ち退きが必要となります。
ヤフコメより引用
>墓地の側は、移転には反対していないが、移転する際には全ての墓地を一体的に移転することを求めているとのことです。しかし、東京都は、道路がかかる部分のみの移転を要求しています。
>国土交通省の補償基準では、残地の利用価値が損なわれる場合は、残地と一体として移転させることが出来るとなっていますが、東京都の方針は、この補償基準に則ってはいません。
墓地を一体的に移転させることが出来る用地を見つけることが出来れば、迅速に用地を取得し、開通させることが出来るのではないかと思います。
>東京都知事のリーダーシップが問われる問題だと思います。
これが事実だとすれば、東京都は十分な広さの移転先を確保すべきだと思いますが、偏向報道はオールドメディアお得意ですから、何とも言えません。
個人的な意見としては、用地と残地の面積比で補償金額を決めても良さそうな気がします。
(例:残地が20%未満であればその分も含めて補償する)
東京都の方針はこの補償基準に則ってます。残地は原則買収しないのは東京都に限らず日本全国どこの自治体も同じです。
公共用地の取得に伴う損失補償基準
第54条の2 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部の取得に伴い当該土地所有者から残地の取得を請求された場合において、次の各号のすべてに該当するときは、これを取得することができるものとする。
一 当該残地がその利用価値の著しい減少等のため従来利用していた目的に供することが著しく困難になると認められるとき。
二 当該残地を取得しないことが土地所有者の生活再建上支障となると認められるとき。
細則
第36-3 基準第54条の2(残地の取得)は、次により処理する。
一 本条第1項第2号に規定する土地所有者の生活再建上支障となると認められるときとは、残地に利用上の制限が生ずることにより、残地を他の者に処分することが困難となるため、土地所有者の生活再建上支障となると認められるとき。
残地面積400m2近くもある土地が「利用価値の著しい減少等」に該当するわけがありません。最近の家なら4軒ほど建ちます。
以前の記事にも書きましたが、何らかの条件で公平的で合理的な理由を見つけて買収するのは、職員の腕の見せ所でしょう。(例えば、もっともらしい整合性のとれた理由をちゃんと考えて、この土地に憩いの広場が必要だから買収する必要があるとするとか)
私も開通式現場にいました。一方的な取材に基づいた報道や憶測に基づかず、いつも現場を見て、信頼できるソースを確認してのブログづくり、頭が下がります。
今後もお見守りください。
> 練馬区立第四小学校
練馬区立大泉第四小学校ですかね
福泉寺通りが駅前以外未完成の頃に住んでましたが、随分進んだんですね
修正しました。ありがとうございます。
最近の東京都、以前は暫定開通を考えていなかったと思われる事業中の道路の暫定開通を積極的にやっていますよね。
ここもそうですし、翌日の新府中街道(恋ヶ窪)も。少し前だと新所沢街道の西原ギリギリまでとか…(こちらは昨年きちんと現道合流部まで延伸されましたね)
やはり地元からの早期開通の声が大きいと見ての措置なのでしょうかね。どの箇所も現道の歩道幅員が十分確保されていない場所という共通点があり、車両を適切に流すこと以上に歩行者の安全空間の増加に重きを置いている印象です。
地元の要望というのは大きいのかもしれませんね。
福泉寺通り付近に信号がないせいで早速渋滞してるね
歩行者や自転車がめちゃくちゃ危ない
あと、丸山西橋の北側に信号がないのもかなり危ない
福泉寺通り付近も丸山西橋の北側付近も全線開通時には信号を付けるのになぜ部分開通時は信号を付けなかったのか
全線開通がいつか見通せない中、この2地点に信号がないのは危ない
安全に金をケチるなと言いたい
危ない
早速、丸山西橋の北側で事故がありました。
やっぱりそうなるよね。。。
残りの整備区間が一番重要な箇所だからなぁ
大泉通りに繋がると保谷通りの混雑が減る…
とはいえ狭い道路ばっかりな西東京を一番快適にするのは外環道という皮肉
東八の残り区間と言い、何とか折り合いをつけて開通してほしい
開通記念式典って12,493,514円もするんですね
ゲートとくす玉でそんなに掛かるんでしょうか
(もしくは写真に写っていない何かがあるとか、記念品が振る舞われたとか)
それに会場や車両の手配、スタッフの手配とか入っていると思いますが(誘導員はどうだろう)、特命随意契約でほとんど業者の言い値になっているので、だから私はそれも含めて競争入札すべきだと思っています。
なお招待者はわかりませんが、一般人には何もふるまわれていません。
今回開通した区間、とある農園がなかなか立ち退かなかったので、その分開通が遅れたのでしょうけれど、寺院(墓地)の移転の方がより複雑なのだということがわかりました。
私の菩提寺にも何年もお参りした形跡のない無縁墓みたないところが散見し、立て札もあるのですが、「強制撤去」された様子はありません。ここの場合、建築物に高さや用途の規制がなければ、都心部に見られる様なビル型の本堂・納骨堂にしてしまえばいいのでしょうけれども。