和光市で事業が行われている一般国道254号和光バイパスの進捗状況を見て来ました。
2020年に都市計画決定され、埼玉県により事業が行われている道路です。

事業概要

国道254号和光バイパスは、和光市下新倉五丁目から和光市新倉四丁目に至る一般国道254号の延長約1.6kmのバイパス道路です。
施行者は埼玉県、幅員36mで平面構造4車線の道路となる計画です。この区間にはもともと道路計画はありませんでしたが、2020年3月6日に、和光3・2・13号志木和光線として都市計画決定されました。合わせて接続する笹目通りの一部も拡幅する計画です。
また、道路予定地の一部では、組合施行の和光北インター東部地区土地区画整理事業が行われており、同事業で道路予定地の一部が確保される予定です。和光北インター東部地区土地区画整理組合は、2023年10月6日に設立が認可されています。
基本データ
| 施行者 | 埼玉県 |
| 延長 | 約1.6km |
| 幅員 | 36m |
| 車線数 | 4 |
| 都市計画決定 | 2020年3月6日 |
| 事業化 | 2021年度(県議会答弁に基づく) |
| 2025年12月3日時点 | |
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タグ:国道254号和光バイパス
進捗状況

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)
西高島平駅周辺

事業区間ではありませんが、東京都側の三園2丁目交差点の様子からお伝えいたします。
国道17号新大宮バイパス17と交差する三園2丁目交差点は、バイパスを跨ぐように高島通りの高島陸橋が架かっています。
高島陸橋は2車線(片側1車線)です。この交差点を高島通り方向に直進往来する交通量はそれほど多くはないような印象です。
近傍には、都営三田線の終点、西高島平駅があります。また、さらに上には首都高速5号池袋線5が跨っています。
笹目通り

三園浄水場前交差点で、笹目通りと通称道路名が変わり、すぐに白子川を渡ると埼玉県和光市に入ります。現在の都県境と、白子川の流れは位置が一致していません。
和光市内の笹目通りは、都市計画の代表幅員が16mで4車線と非常に狭く、この付近も18~20mしかない非常に狭い道路です。その上、環八通りと戸田・浦和方面を結ぶ非常に重要な道路で、交通量が多いです。
和光バイパスの整備に合わせ、右折レーンを設置するため、部分的に拡幅を行う計画で、この付近の幅員を20~36mに拡幅する都市計画変更が、2020年3月6日に行われています。概ね北側に拡幅する計画のようです。
東京都では、2016年3月に策定した『東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)』において、埼玉県(和光市方面)との連携強化が謳われていました。
その後、2019年8月5日に、埼玉県・東京都との連名で「国道254号バイパスの外環道以南の延伸に向けて取組んでいきます」という文書を公表しました。それでは、
埼玉県が外環道以南の区間(区間①)の都市計画手続きに着手いたします。また、都県境を越えた道路網の充実に向けて、接続先となる路線(区間②)についても、引き続き、都県が将来的な機能強化を図るため連携して検討を進めてまいります。
とされていましたが、実際に都市計画決定されたのは、区間①と区間②の埼玉県内区間のみで、区間②の東京都区間は都市計画変更されていません。
また、埼玉県側の都市計画変更も、現在の東京都側の計画幅員に収束する形で変更を行ったため、東京都側は変えるつもりはないんだろうなと感じていたのですが、・・・
2025年12月19日に公表された『東京における都市計画道路の整備方針(第5次事業化計画)』の案で、再び、都内区間も検討を進めると記載されました。
なんで一緒に都市計画変更せぇへんのや!って思わなくもないですが、今のままだと幅員が狭い場所が残るので、まぁいい方向なのでしょうか?
(全然関係ないですが、この区間は都営三田線の延伸の都市計画が少し残っているので、この扱いも気になるところ)

写真右側に拡幅する計画です。沿道には、マクドナルド、ホンダ中古車販売店、2りんかん、中古車販売店などの商業施設が立地しています。
ホンダ中古車販売店があるところまでは、都営三田線の都市計画(都市高速鉄道第6号線)の計画が残ったままとなっています。
笹目通りは、この先和光バイパスが接続する吹上観音前交差点の先まで拡幅する計画で、埼玉県の資料によると、和光バイパスとの交差点には右折レーンを設置する計画です。
和光バイパス

和光バイパスの起点は、吹上観音前交差点となります。この先、正面道路に沿って幅員36mの道路ができる計画で、その先、県立和光高校方面にほぼまっすぐ整備される計画です。
埼玉県議会答弁によると、2021年度から事業着手しています。現時点で工事は行われていません。
最近の発注業務は、埼玉県の入札情報公開システムによると、
| 委託 | |||
|---|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 | 当初契約額(税込) |
| ※これ以前は情報収集していません | |||
| 2021年度 | 0231道路改築工事(路線測量業務委託) | 埼玉測量設計株式会社 | 6,653,000円 |
| 2023年度 | (ゼロ債務)3212道路改築工事(道路予備設計業務委託) | 株式会社CPC 埼玉事務所 | 11,871,000円 |
| 2024年度 | 4222道路改築工事(交差点予備設計業務委託) | 株式会社CPC 埼玉事務所 | 4,663,000円 |
| 2024年度 | 4224道路改築事業工事(地質調査業務委託 和光工区その1) | 株式会社地域環境研究所 | 12,324,000円 |
| 2025年度 | 5226道改(三次元点群測量委託その2) | 第一測量設計株式会社 | 4,245,000円 |
が発注されています。(埼玉県の入札情報公開システムが非常に使いづらく、また、埼玉県発注案件は件名で道路を判別できないため、見落としていたらすみません)

和光バイパスは、この付近を斜めに通過する計画です。
この右側では、組合施行の和光北インター東部地区土地区画整理事業が行われています。
県議会答弁によると、土地区画整理事業施行地区内は、土地区画整理事業により道路用地を確保する計画です。
(参考)土地区画整理事業
土地区画整理事業は、地権者から少しずつ土地を出し合い(減歩)、道路や公園などの公共施設を整備し、合わせて土地の形を整えて、良好な市街地を整備する事業です。
県議会答弁や土地区画整理組合のウェブサイトによると、土地区画整理事業では、和光バイパス用地の補償と用地の確保までを行い、和光バイパスの設計・工事は埼玉県が行います。

この付近を斜めに横切ります。
この一帯は、2023年10月6日に都市計画変更されるまで、市街化調整区域でした。現在は準工業地域を中心とした用途地域に変更されています。(北側は工業地域や工業専用地域あり)
この西側で県立和光高校の敷地を横断します。県立和光高校は、2026年4月に県立和光国際高校と統合し、廃校となる計画で、統合先は県立和光国際高校となります。なお、県立和光高校はすでに募集停止されていて、和光高校の生徒が移転することはないようです。

県立和光高校の西側は、水道道路を実質的に南側に拡幅する計画です。この付近も土地区画整理事業の施行地区内です。
水道道路は幅員7m程度と非常に狭く、歩道もごく一部を除いてないにもかかわらず、20t級の大型自動車も往来する非常にカオスな道路です。

土地区画整理事業は既に事業が進められていて、2025年9月1日からは、地区内の一部道路で組合管理道路に移管され、一般車両通行止めとなっています。

この付近も水道道路に沿って整備される計画です。

東京外かく環状道路(一般道)298と交差する松ノ木島交差点付近南側は、和光北インター地域土地区画整理事業により整備され、同事業で道路用地が確保されています。交差点付近は道路拡幅済みです。
埼玉県の資料によると、松ノ木島交差点は立体交差となる計画です。上空の東京外環自動車道C3の下に高架を整備するようです。

現在の松ノ木島交差点には、東京外環道(中央JCT方面)掘削工事の土砂を運搬するためのベルトコンベア施設が上空を通過しており、そのための橋脚が交差点の真ん中に鎮座しています。
松ノ木島交差点から川越方面は、和光富士見バイパスとして整備がされていて、現在は残る上内間木~中宗岡間約2.9kmの整備が進められています。

撮影日:2025年11月29日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。






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