府中市と多摩市を結ぶ、多摩川の関戸橋で行われている架け替え事業ですが、2022年秋より8年目の工事が始まりました。
架け替え事業は全体で16年掛かる計画で、今年度は旧橋基礎撤去と、新橋下部工を行うようです。
事業概要
多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。
関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。
橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。
架け替えの経緯
下流側橋(旧橋)は1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年に上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。
しかし、下流側橋(旧橋)は架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。
架け替えの順序
工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。
橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。
これまでの経過
新下流側橋の緒元
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年
最近の発注状況
工事 | ||
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発注年度 | 工事名称 | 受注者 |
2015年度 | 関戸橋仮橋設置工事(27南東-関戸橋) | 巴山建設株式会社 |
2016年度 | 関戸橋仮橋設置工事(28南東-関戸橋) | 巴山建設株式会社 |
2017年度 | 関戸橋仮橋設置工事(29南東-関戸橋) | 松井・巴山建設共同企業体 |
2017年度 | 関戸橋架け替えに伴う仮橋舗装工事及び取付道路改修工事(29南東-関戸橋) | 木本建興株式会社 |
2017年度 | 関戸橋架け替えに伴う擁壁設置工事(29南東-関戸橋) | 有限会社藤篠 |
2018年度 | 関戸橋整備工事に伴う取り付け道路改修工事及び排水管設置工事(30北南-関戸橋) | 木本建興株式会社 |
2018年度 | 関戸橋架け替えに伴う照明設置工事(30南東-関戸橋) | デジタル産業株式会社 |
2019年度 | 旧橋撤去工事及び下部工事(左岸側)(北南-関戸橋その2) | オリエンタル白石株式会社 |
2019年度 | 旧橋撤去工事及び下部工事(右岸側)(北南-関戸橋その3) | 株式会社ノバック |
2019年度 | 関戸橋仮橋補修工事(31南東-関戸橋) | 株式会社ノバック |
2020年度 | 旧橋撤去工事(北南-関戸橋の4) | 株式会社鴻池組 |
2020年度 | 仮締切撤去工事及び下部工事(北南-関戸橋の5) | 成友興業株式会社 |
2020年度 | 旧橋撤去工事(北南-関戸橋の6) | ロード建設株式会社 |
2021年度 | 旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の7) | ノバック・林建設共同企業体 |
2021年度 | 下流橋下部工事(3南東-関戸橋の8) | 村本建設株式会社 |
2021年度 | 旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の9) | ロード建設株式会社 |
2022年度 | 下流橋下部工事(4南東-関戸橋の10) | 坂田建設株式会社 |
2022年度 | 旧橋撤去工事(4南東-関戸橋の11) | ロード建設株式会社 |
2022年度 | 下流橋下部工事(4南東-関戸橋の12) | 株式会社フジタ |
2023年度 | 橋脚基礎洗堀防止工事(5北南-関戸橋の13) | ハネイシ建設株式会社 |
2023年度 | 関戸橋(5)鋼けた製作・架設工事 | 三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社 |
2023年度 | 関戸橋取付道路路面補修工事(その14) | 株式会社北前建設 |
委託 | ||
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発注年度 | 委託名称 | 受注者 |
※これ以前は情報収集していません | ||
2023年度 | 関戸橋詳細補足設計(その8) | セントラルコンサルタント株式会社 |
2024年度 | 関戸橋架替えに伴う道路詳細設計(6南東-関戸橋) | セントラルコンサルタント株式会社 |
2024年度 | 関戸橋(上流橋)詳細設計 | セントラルコンサルタント株式会社 |
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写真等
工事設計書や現場掲示広報版によると、今年度は3件の工事が並行して行われる模様です。
工事の看板等
1件目の工事は、「下流橋下部工事(4南東-関戸橋の10)」で、2023年7月下旬までの予定で、坂田建設株式会社が施工しています。
府中市側のP2橋脚を新設する工事のようです。
2件目の工事は、「旧橋撤去工事(4南東-関戸橋の11)」で、2023年7月中旬までの予定で、ロード建設株式会社が施工しています。
地中に残されている旧橋のP6橋脚基礎を撤去する工事のようです。また、瀬替え工もこの工事です。
3件目の工事は、「下流橋下部工事(4南東-関戸橋の12)」で、2023年7月下旬までの予定で、株式会社フジタが施工しています。
多摩市側のP5橋脚、P6橋脚と、A2橋台を新設する工事のようです。
今回の工事で旧橋の撤去はすべて完了するとともに、新橋の下部工も完了するようです。
なお、上部工の製作・架設を行う「関戸橋(4)鋼けた製作・架設工事」の入札が2022年9月に行われ、三井住友建設鉄鋼エンジニアリング株式会社が落札しています。入札情報サービスによると、2025年6月27日までの予定で、製作工・製作加工7径間・現場架設工などを行うものです。
今年度は現場架設はしないようで、来年度以降の現場施工となりそうです。
現場の状況
すでに3つの工事すべてが現場着手していて、施工ヤードの整備などを進めている状況でした。
写真正面では、P2橋脚を整備中です。ニューマチックケーソン工法で施工するようです。
既に水の流れを変える「瀬替え」がおおむね完了していて、水の流れる位置は府中市側に移動しています。
右岸側でも工事が進んでいます。
川の中央付近では旧橋P6橋脚基礎を撤去する工事の準備が進められているほか、多摩市側の橋脚・橋台を整備する準備も進められています。
昨年度、旧橋のA2橋台撤去と仮締切が行われました。今年度は新橋のA2橋台が設置予定です。
撮影日:2022年11月18日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0400)
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じゅ、じゅうろくねん!