三鷹市の三鷹台駅南側で整備が行われていた交通広場が完成し、2024年1月16日から使用が開始されました。
過去記事
開放された交通広場
三鷹台駅にはこれまで交通広場は存在せず、路線バスは駅から南へ約120m離れた小さな転回場で転回・乗降を行っていました。
今回開放された交通広場は、これまでよりも駅に近い位置にあります。
路線バスは、2024年1月16日の始発から新設交通広場に移設されています。
なお、2024年1月13日にはオープニング記念式典が現地で開催されたほか、三鷹台駅前広場イベント実行委員会と三鷹台駅周辺のまちづくりを考える会が主催となって、「三鷹台駅前広場オープン記念!ふゆまつり」が開催されていました。
これまでの経緯をざっくりと
三鷹台駅前通りは、20年ほど前までは歩道が存在せず、歩行者と自動車が入り乱れる非常に狭い駅前となっていました。
かつては、外環自動車道の側道一般部にあたる「外環の2」から分岐する都市計画道路「三鷹3・4・10号三鷹台駅井の頭線」が存在し、三鷹台駅前通りに沿って幅員16mの道路と、駅の道路を挟んだ反対側に地積2100㎡の広場を設ける都市計画となっていました。
地元商店会やまちづくり協議会からは、市道第135号線(三鷹台駅前通り)の都市計画線によらない整備の要望が出されていることなどから、2005年10月に『三鷹市道第135号線緊急整備方針』を策定し、三鷹台駅前通りは都市計画線によらず幅員12mの道路として拡幅整備が続けられてきています。
また、都市計画道路については、都市計画線西側が崖地のため擁壁等の設置が必要なこと、外環の2の方向性が定まっておらず、道路のネットワークが形成できないこと、三鷹台駅の駅舎が1980年代に三鷹台駅前通りを挟んで反対側に移転し駅前広場と不一致になっていることなどから、廃止に向けた検討がされました。
2018年7月には、「三鷹台駅前周辺地区まちづくり推進地区整備方針」が策定され、都市計画道路は廃止するとともに、三鷹台駅周辺の区間の道路整備事業及び駅前広場整備事業を推進し、安全で安心な歩行空間を創出することが掲げられました。三鷹3・4・10号三鷹台駅井の頭線については、2019年2月に廃止されました。
2019年2月には、「三鷹台駅前周辺地区地区計画」が都市計画決定され、今回開放された交通広場を地区施設として決定しています。
交通広場の工事「三鷹台駅前広場整備工事(市道第135号線)」は、2022年9月ごろから始まり、株式会社鈴建が施工しました。
広場の様子
交通開放された駅前広場は面積約1,200㎡で、バス乗車場のほか貨物車用駐車スペースが設けられました。
車道は三鷹台駅側から三鷹台駅前通り方向に回る一方通行で、車両による通行制限は掛けられていません。また、運行されるバスは小型バスであるため、大型車両を考慮したつくりにはなっていないものと思われます。
三鷹市議会録によると、整備にあたってワークショップや地域との意見交換を行うなどしており、その繁栄が随所にみられる広場となっています。
バス乗り場は2区画設けられており、バス停にはそれぞれシェルターが設けられました。
なお、実証運行中の小型EV車両(グリーンスローモビリティ)「井のバス」の乗り場は、貨物車専用駐車スペースの手前に設置されています。(次の写真参照)
広場内には貨物車専用の荷捌きスペースが設けられています。
なお、三鷹市議会録によると、地域の方との意見交換を踏まえ、タクシー専用乗り場は配置していないとのことです。
広場の西側には、幅員10m程度の広い歩道が設けられました。この歩道は、地域の方が日常の小規模なイベントを開催することを見越した計画になっています。
市ホームページによると、広場は道路法第48条の20に基づく「歩行者利便増進道路」(通称ほこみち)に指定し、さらなる地域の活性化を図ることとしています。
また、三鷹台駅前通りと景観を合わせるため、レンガ色のインターロッキングブロック舗装となっています。
広場内には防火水槽や防犯カメラも設けられています。
イベント開催を見据え、広い歩道に面した部分の車道との境界は、段差のない構造となっているほか、脱着式の横断抑止柵としてあいます。
広場内の道路照明には、停電時にも3日程度点灯する「消えないまちだ君」が採用され設置されています。
広場の住宅の間部分には、足元を照らすタイプの道路照明が設置されています。
三鷹台駅前通りに整備されていたバスベイは、降車バス停として使用開始となりました。使用開始にあたり、横断抑止柵や縁石の開口部位置が修正されています。点字ブロックは降り場に連結されませんでした。
1月15日まで使われていた旧バス転回場は、さっそく解体工事に着手していました。
市議会録によると土地を売却する予定とのことです。
撮影日:2024年1月16日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
2024年1月16日12時 初稿公開(現地からの速報暫定版)
2024年1月16日18時30分 第2稿公開
コメント
大きい歩道?が謎ですね。タクシー乗り場など作ればよかったように思います。
三鷹市サイト内に『歩行者中心の道路空間の構築を目指し、広場を「歩行者利便増進道路(ほこみち)」に指定して、さらなる地域の活性化を図ります。』との説明がありますよ。
それも踏まえて詳細に掲載しました。
タクシーは両者とも乗り場で待つより配車アプリでのマッチングに進んでいく時代の流れを反映したものかと。バスも小型のデマンドバスが主流となる予想?
平成30年の東京都市圏パーソントリップ調査を見ても、三鷹台駅からの末端交通手段は徒歩と自転車が大部分を占めており、タクシーは0です。(同様にバスも0)抽出調査なので多少はいると思いますが。
これを踏まえると単純にタクシーが客待ちをするほどの需要が無いのだと思います。
指摘のように、どうしても乗りたい人はアプリや電話で呼べば事足りるということですし、最近はアプリが主流になりつつありますが、電話による迎車は昔からあります。
グリーンスローモビリティに関しては、最近の流行りみたいなところがありますが、これが主要な交通手段になるとは、私には思えません。