この前、放射第5線(久我山)と三鷹3・2・2号線の進捗状況を見たので、その隣の放射第5号(高井戸西)の進捗状況を見てきました。
東京都市計画道路放射第5号線(高井戸西)は環八通りと交差する中の橋交差点から西に約975mの区間で、現道を再配置し再整備する事業を行っています。
事業概要
この事業は歩道の整備などを除き概ね完了しています。
放射第5号線は千代田区麹町一丁目~杉並区久我山三丁目に至る全長15,130mの都市計画道路です。また、三鷹3・2・2号東京八王子線は三鷹市牟礼~三鷹市大沢に至る全長6,570mの都市計画道路です。
このうち、上図に示す三鷹市と杉並区の境界付近で道路の新設と改良を伴う事業が行われてきました。施行者はいずれも東京都です。
三鷹3・2・2号東京八王子線区間
この区間では2000年度(平成12年度)から久我山区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。結果、沿道環境に配慮するとともに、既定の都市計画幅員30m(一部除く)で建設されることになりました。
2002年11月28日に事業説明会を行い、2004年5月24日に事業認可されました。その後用地取得を進め、2014年度(平成26年度)より本格的に街路築造工事に着手しました。
2019年6月8日15時に交通開放されました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.7km |
幅員 | 30~36m |
事業施行期間 | 2004年5月24日~? |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2020年5月8日現在 |
久我山区間
この区間では2000年度から三鷹3・2・2号線区間と合わせて総合環境アセスメント制度の試行を行いました。
環境配慮書の中では道路構造について3つの案が出され、結果、計画幅員を50m→60mに拡幅し、玉川上水など沿道環境の保全を図るものとなりました。
この区間の特徴はなんといっても、上下線の間に玉川上水が保全されたことです。
道路は平面構造4車線です。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約1.3km |
幅員 | 60m |
事業施行期間 | 2005年12月20日~2022年3月31日 |
交通開放 | 2019年6月8日15時 |
2021年2月8日現在 |
高井戸西区間
この区間は中央自動車道と合わせて建設されました。道路は1975年に完成。しかし、沿道住民や小学校PTAなどの反対にあい、約9年ほど開通できず、1984年5月30日に2車線(片側1車線)の暫定形で交通開放されました。
2車線の形態は30年近く続きましたが、2014年8月28日に4車線化する事業に着手しました。
車線化に合わせて、これまで中央道高架の両脇にあった本線を高架下に移動。高架両脇は歩道や副道として再整備される予定です。
車線化は一足早く、2018年11月25日22時に行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約975m |
幅員 | 50m |
事業施行期間 | 2014年8月28日~? |
4車線化 | 2018年11月25日22時 |
2020年5月8日現在 |
高井戸東
この部分は首都高速4号新宿線の高井戸出入口(都心方面)などがある区間で、2018年度より工事に着手しました。
4車線化や合流部分の改良などが行われました。
施行者 | 東京都 |
延長 | 約0.6km |
工事期間 | 2018年度~ |
2020年5月8日現在 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本分の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
今回見て来たのは上記の「事業概要」のうち、「高井戸西」区間です。
写真等
現場に掲示してある看板によると、事業認可は2014年8月28日で、事業延長は約975m、幅は50mで、片側2車線となる計画です。電線類は地中化されます。なお、既にある道路の構造を再構築する関係で、新たに用地取得する場所はありません。
この区間には道路中央に中央自動車道の高架があり、現在の放射第5号線(一般道)は高架の両脇に片側1車線で存在しています。この事業は、放射第5号線を中央自動車道の高架下に収め、現在の道の部分は歩道や自転車道、副道として整備される計画です。
途中に中央自動車道の高井戸インター(上り出口のみ)もありますが、この出口付近も構造が変化しそうです。
この写真の向きに進むと玉川上水が現れ、放射第5号線の久我山区間が事業中です。
写真の左端に見えるのは中央自動車道です。中央自動車道といえば、高井戸インターは長野方面の入口がありませんが、この放射第5号線の工事にもインター新設の計画は書かれていません。
ローソン高井戸二丁目店のある交差点から新宿方面を見ています。高架下には放射第5号線の本線構造が少しだけ出来上がっていました。少し狭い印象も受けます。
写真左側の高架は高井戸インターのオフランプで、高架から降りてきた車は写真の奥で高架下に収容されています。
高架下の道路がインターオフランプからの道路で、右側の道路が放射第5号線の一般道です。交差点付近なので車線が増えています。
オフランプの道路と一般道は、信号を越えて写真の手前側で合流しています。構造が変化すると高架下が一般道になるため、合流方法も変更になるようです。工事現場の看板を見ると、合流部分で合流用信号機が設置されるんじゃないかと思います。
事業区間の現在の歩道に植わっている木々にはリボンで印がつけられていました。ピンク色のリボンは伐採予定のものです。見た感じほとんど伐採するようです。大きな木も多いため、今植わっている木をもう少し活用する方法もあったのではないかと思わなくもないですね。
現在の歩道も特段狭いわけでもなく、むしろ広めな感じ。計画だともっと広くなるようです。
事業区間の一部で、障害となる中央自動車道の橋脚を改築する工事を実施中でした。横断歩道協を一時閉鎖するなど、大きな工事になっています。
高速道路の改築といえば、中央自動車道から続く首都高速4号新宿線の老朽化で改築が必要、数千億円・・・といったニュースが4年ほど前にあったような記憶がします。この橋脚工事は老朽化とは直接的に関係はなさそうですが、インフラの老朽化も今後の課題ですね。
そのまま新宿方面に進むと、中の橋交差点の陸橋部分に到着。この辺りはそれほど変化はないようです。
その中の橋交差点。環八通りと交差する交差点で、日本損害保険協会が公表した2012年の都内人身事故ワースト交差点になるなど、交差点の構造や車両の多さによって危険度が非常に高い交差点です。
現場にあった看板を見ると、左折可の道がなくなるようにも見えます。どうなるのでしょうか。
コメント