相模原市の踏切道内に設置された「視覚障害者用誘導表示」

相模原市緑区国道16号とJR横浜線が交差する踏切道「久保沢第一踏切」の鉄道区域内に新たに「視覚障害者用誘導表示」が設置されたとのことで見てきました。

これが新たに設置された視覚障害者用誘導表示、いわゆる点字ブロックです。現地には案内看板も設置されていました。

踏切道内へのこうした誘導表示はこれまで基準はありませんでした。
昨年4月、奈良県内の踏切道で、全盲の視覚障害者が踏切を横断中に警報機が鳴りだし、線路側へ引き返したところに列車が来て衝突し亡くなるという事故が発生。これを契機に昨年6月、国土交通省は「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改訂し、踏切道での視覚障害者の誘導について整備内容を明確に規定しました。

改訂されたガイドラインでは、

標準的な整備内容)特定道路等においては、歩道等の踏切道手前部に、点状ブロックにより踏切道の注意喚起を行うとともに、線状ブロックを部分的に設置することにより、注意喚起を行う点状ブロックに適切に誘導する。

望ましい整備内容)踏切道内には、鉄道事業者とも連携し、視覚障害者が車道や線路に誤って進入することを防ぐとともに踏切の外にいると誤認することを回避するため、「表面に凹凸のついた誘導表示等」(歩道等に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは異なる形式とする)を設けることが望ましい。この場合、踏切道手前部に設置する線状ブロックで示す移動方向と、踏切内での誘導表示等が示す移動方向を直線的に連続させるようにするものとする。

として位置づけました。

この踏切では、踏切手前の視覚障害者用誘導ブロックは以前から設置してありましたが、今回、踏切道内へ誘導表示を新設しました。あわせて、相模原市視覚障害者協会の意見を踏まえ、踏切手前の誘導ブロックの形状を、直線方向と直角になるよう改良しています。

踏切道内の誘導表示は、線状ブロックを縦にカットし2本分としたものが使用されています。

視覚障害者用誘導ブロックの形状については、JISなどでも規定がありますが、踏切道内については、ガイドライン内で「歩道等に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは異なる形式とする」との記載にとどまり、「異なる形式」は今後決めることとしています。この場所についても、試験施工という位置づけのようです。

この場所では、樹脂系のシートを接着剤で貼り付ける貼付式の誘導表示を使用しているようで、材料は特注品ではなく通常のシートをカットして使用しているようでした。
鉄道敷地内と外でどちらも似たような製品ではありますが違う製品でした。あえて異なる製品を使用しているのか、鉄道敷地内は協定等で別施工したからなのかは謎です。鉄道敷地内は滑りにくい製品ですが、鉄道敷地外はやや滑りやすい製品で、この日は雨の後だったということもあり、その違いはよくわかりました。(東京都建設局では滑り抵抗に関する基準あり、国道や神奈川県は知らんこの製品こういう基準を満たしてるかもわからん
また、鉄道敷地外は透水性舗装に貼り付けているためか、若干端部が浮いていて、ちょっと気になりましたね。

奈良県内では、こうした取り組みが少し先行していて、奈良県では横断歩道に設置されるエスコートゾーンと同様の形状で白色の表示を設置しているようです。

▲奈良県内に設置された踏切

隣の踏切道に設置された誘導表示

隣の大山街道踏切(相模原市道)には、踏切手前の誘導表示のみ新設されています。(この1年くらいの間での新設。詳細な時期は不明)相模原市内では、そのほかの踏切でも新設や形状・製品の改良がされているようです。

踏切道内の設置は「望ましい整備内容」にとどまっているほか、統一的な形状が決定しない以上新設に踏み切れないものと思われ、早期に決定してほしいと思います。

撮影日:2023年6月30日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0000)

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