町田市山崎町の未成道―宅地の中の空白と半世紀近くそのままの空き地

行き止まりシリーズ」、今回はちょっと行き止まりとは違うかもしれませんが、町田市山崎町にある未成道です。行き止まりシリーズというよりか、未成道シリーズのほうがいいかもしれない。

撮影位置は記事一番下に記してあります。

今回ネタにするのは、「町田3・4・40号本町田小山田線」の一部です。この都市計画道路は町田市本町田鎌倉街道から多摩市境まで決定されています。しかし、図師町付近を除いて完成していません。

ちなみにこの道路、北へずっと行くと八王子村山線に繋がって青梅街道まで行けます。

そんな未成区間ですが、住宅地の真ん中にぽっかりと空白のある場所があります。

A 小山田方面を見る

住宅地内の区画道路に囲まれ、アスファルトによって固められた空白の土地。

ここの住宅地は2005年~2010年まで組合により事業が行われた「山崎町横峰土地区画整理事業」によって造られました。都市計画道路自体は1964年10月23日に決定しており、土地区画整理事業ではこの区域を確保して完成したという訳です。

B 本町田方面を見る

この付近は起伏の激しい場所で、都市計画道路が谷筋を通っているような感じです。

右側を見ても分かるように、都市計画道路に沿って擁壁を設置して宅地化しています。減歩率が増えたり結構大変だったんじゃないかなぁなんて想像しちゃいます。

C 区画整理地の本町田方面端

本町田方面(南側)の端はこんな感じ。行き止まりではありませんが、なんとも不自然な終わり方をしていました。

この用地を確保している場所はアスファルトで舗装されていますが、周りの道路より縁石で少し高くなっていて、車などが駐車できないようになっています。

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そんな山崎町横峰土地区画整理事業地の南側には半世紀近くそのままの空き地が存在します。

場所は一番上の地図で示した「町田山崎団地」「木曽住宅」として1960年代後半に開発された地区です。町田市のマンモス団地の1つです。団地の開発当初から用地を確保しているものの、一向に道路ができません。

北から順に見ていきます。

①北側

奥に神奈中バスが止まっている場所は「山崎団地バス停(折返場)」です。

写真撮影位置の右側擁壁から左側が都市計画道路です。この先折返場を越えてまっすぐに行くと、 C の場所に到達します。

②少し南側

少し南側から見てみると、左右の擁壁に囲まれ、掘割になっていることがよくわかります。

見える道路は都市計画道路上に150mほど存在します。仮設のまま半世紀近く来たのかな……という感じです。

③団地内の歩道橋(三の橋)から撮影

そのほか多くの場所でこんな感じで空き地となっています。団地の案内マップにも「都市計画道路」などと書かれています。一部でヤギによる除草や、家庭菜園場所として使われているようです。

こんなのが半世紀近く放置されているなんてね。

④旧本町田西小・旧本町田中(桜美林大が再整備中)の東側

団地として開発された区域を出ると、道路区域が確保されている感じはしません。ただ、あまり開発もされていない感じです。いつミニ開発されてもおかしくないのかな?

⑤鎌倉街道と分岐する部分

この正面に道路が計画されていますが、見ての通りの起伏で、道路を通すにはかなり苦労をしそうです。

鎌倉街道は現在拡幅整備中ですが、この道路の接続はあまり考慮されていないように見えます。

そもそもなぜ整備されないのか……。ネットで見られる平成3年ごろからの町田市議会録を見てみましたが、そもそも整備の期待値がそれほどないようで、議会でもほぼ話題になっていません。

町田市や東京都は並行する(通称)新町田街道の整備を進めてきた経緯もあり、優先順位はかなり低いのかなという感じがします。仮に造っても団地を突き抜けることへの危惧や、事業効果、起伏が多く事業費がかさむことも理由なのかなぁと。

山崎団地センター~山崎団地バス停までの用地確保区間を整備するだけでも、バスが迂回しなくて済む気もするけど、それだとバス停が遠くなる人もいたり、いろいろ難しいのかもね。

もう少しちゃんと調べたらネタが出てきそうですが、やめておきましょう。

撮影位置は以上の通り。

2年以上前の写真を使っているため、今とは状況が(少しだけ)異なっている場合があります。

コメント

  1. ずーっと町田市民 より:

    5年ほど前の記事ですが、コメントを失礼します。

    去年、忠生公園が源流の山崎川を子供と巡っていたらこの区画整理地の不自然な空き地に辿り着きました。二人で明らかに変な空き地だねって話しました。
    お得意の区画整理事業の産物なのですね。初めて知ったので、とても興味深く読みました。
    全く関係ありませんが、この空き地の下(だと思う)を暗渠が流れており、たぶん山崎団地バス停のすぐ横にある大きな貯水池から流れていると思います。
    北二号バス停近くの小さい貯水池から流れる小さい川と合わさり山崎川に合流しています。

    山崎団地バス停の都市計画道路ですが、約30年程前近くの学校に通ってましたが、あの当時から全く変化がありません。鎌倉街道まで繋がれば便利そうな気はしますが、なくても不便ではなさそうですね……。
    山崎団地内を新町田街道として開通した区間も同じような雰囲気で、いつでも草がボーボーな空き地でした。

    長々とすみません。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      仰るように山崎団地バス停横の調整池を含めた上流側から雨水管が来ており、ちょうど空き地の真下を通って、下流側の公園付近から用水路(これも下水道扱い)に放出されています。

      • ずーっと町田市民 より:

        ご返信、ありがとうございます。

        あの小さな用水路のような川も下水道扱いなのですね。まだまだ知らないことがたくさんあります。
        町田市下水道部の丸い標識が立っていると、暗渠があるのかな?といつも思ってしまいます。

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