2021年3月11日。JR常磐線に乗って福島県に行っていました。
東日本大震災と原発事故によって運休していたJR常磐線のうち、富岡駅~浪江駅間は最後まで運休していました。この区間も2020年3月14日に運転を再開し、常磐線は全線で再び鉄路が繋がりました。
2018年に岩手県釜石市から福島県いわき市まで海岸沿いを巡り、この区間は代行バスで通ったことはあったものの、電車に乗って早く行きたいということもあって、地震から10年となる日に向かうことにしました。目的地は双葉駅です。
本当は青森県からずっと海岸沿いを車で走りたかったのですが、それは近いうちに実現させることとします。
いわき駅から出る普通列車原ノ町行きは、座席の1/4程度が埋まる程度でした。
添乗していた乗務員と他の客との会話では、普段より乗客が多いそうです。
双葉駅では10名程度が下車しました。
駅舎に取り付けられている空間線量率は0.080μSv/hとのこと。(参考:東京都新宿は0.0364μSv/h、東京都健康安全研究センターによる2021年3月12日0:01~1:00平均値)
無人の改札を抜けると、このような看板が設置されていました。
双葉駅周辺は一部道路と常磐線沿いが避難指示解除区域となっている以外は、立入規制緩和区域となっています。立入規制緩和区域のさらに外側の大部分は立入りが規制されています。(2021年3月11日時点:復興状況により変更される可能性があります)
双葉駅の東側、従来の駅舎があった部分は駅前広場が再整備されていました。
駅舎も橋上駅舎化され、東西自由通路が完成しています。橙色の旧駅舎も残されていて、旧駅舎の時計は14:46過ぎを指したままとなっていました。
双葉駅周辺では、UR都市機構が施行する「双葉駅西側第一地区一団地の復興再生拠点市街地形成施設整備事業」が行われています。
旧駅舎のある東側もこれによって再整備されたようです。
駅の西側は工事中。
自由通路で西側の階段下まで降りることができますが、仮囲いがあってどこにもいくことができません。
駅の北側を東西に結ぶ「復興シンボルロード」が建設中で、JR常磐線を越える橋脚が出来上がっていました。
双葉駅東側の駅前通りでは、テレビカメラを持った方が撮影を行っていました。
この道路沿いは、ストリートビューで見られるような倒壊しそうな建物は既に除去されたようですが、10年前から時が止まっています。
セブンイレブンだったのでしょうか。
この先約3kmの場所には福島第一原子力発電所があります。
建物の除去が進んでいるようですが、駅から少し離れると時間が止まっています。
震災から10年となり、復興道路・復興支援道路も来年度中に全通予定です。インフラの復旧復興は進む一方で、本当の復興はまだまだ程遠いのかなという気はしますし、特に福島県内は遅れている気がします。10年ってこんなんだっけ……?と。
また、自分と関わりのなかった被災地の写真をこうやって載せていいものなのかと、過去数年の記事も含めて疑問に思いつつも、本当の復興を願って載せることとしました。
復興を願うとは簡単には言えるものの、果たして何ができるのだろうか。
また来ます。
撮影日:2021年3月11日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。