新宿区で事業が行われている新宿駅直近地区土地区画整理事業と、関連する再開発事業について、今回は大きな動きのあった新宿駅西口広場を重点に見て来ました。
また、10月19日に開催された「新宿の未来をのぞく仮設構台ツアー」に参加したので、その様子についても紹介します。
2025年9月27日未明から、新宿駅西口広場の車両・歩行者動線が大きく変更となりました。
車両については南北で分断され、歩行者は地上レベルで東西へ通り抜けることが可能となっています。
新宿駅周辺の再開発については、各メディアで報じられているため逐一紹介する必要はないと思っているので、現在の状況について記録する程度で掲載します。

事業の進捗状況は、東京都が運営するポータルサイトで説明されています。
事業概要
新宿区の新宿駅周辺では、東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業が行われています。
施行者は東京都で、施行細則の決定(東京都規則第282号)と事業計画決定(東京都告示第922号)は2021年7月7日です。
※新宿駅周辺では、土地区画整理事業以外にも複数の事業が行われています。
基本データ
| 名称 | 東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業 |
| 施行者 | 東京都 |
| 施行地区 | 新宿区新宿三丁目及び同区西新宿一丁目の各一部 |
| 事業施行期間 | 2021年7月7日~2047年3月31日 |
| 事務所の所在地 | 中野区中野一丁目二番五号 東京都第二市街地整備事務所内 |
| 事業計画の決定の年月日 | 2021年7月7日 |
| 2021年7月7日現在 | |
最近の発注状況(工事のみ)
| 工事 | |||
|---|---|---|---|
| 発注年度 | 工事名称 | 受注者 | 当初契約額(税込) |
| ※これ以前は情報収集していません | |||
| 2021年度 | 新宿駅西口駅前広場南北ロータリー暫定工事(3新宿-2) | 大成建設株式会社 | |
| 2022年度 | 新宿駅西口駅前広場階段上屋換気塔撤去覆蓋工事(4新宿-1) | 大成建設株式会社 | |
| 2022年度 | 新宿駅西口駅前広場道路切替工事(4新宿-2) | 大成ロテック株式会社 | |
| 2023年度 | 新宿駅西口駅前広場給水管改造工事(5新宿-4) | パナソニックコネクト株式会社 | 6,490,000円 |
| 2023年度 | 新宿駅西口駅前広場等街路樹移植等工事(5新宿-6) | 大野園芸興業株式会社 | 12,815,000円 |
| 2024年度 | 新宿駅西口駅前広場等道路改良工事(6新宿-1) | 株式会社圏央 | 106,700,000円 |
| 2024年度 | 新宿駅西口駅前広場等道路改良工事(6新宿-3) | 日本道路株式会社 | 230,780,000円 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
新宿駅の西側では、小田急電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)及び東急不動産が事業主体となり新宿駅西口地区開発計画が進められています。
既存の小田急百貨店新宿店本館及び新宿ミロードの建物を解体し、地上48階(最高高さ260m)の複合ビルを建設するもので、2022年10月3日より解体工事を行い、2029年度の竣工を目指しています。
なお、この計画地は都市再生特別措置法に基づく特定都市再生緊急整備地域内に位置しています。また、この地区を含む新宿駅周辺一帯では、東京都が施工する東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業が行われています。
| 事業主体 | 小田急電鉄株式会社,東京地下鉄株式会社,東急不動産株式会社(予定) |
| 計画地 | 東京都新宿区新宿三丁目および西新宿一丁目各地内 |
| 敷地面積 | 約15,720㎡ |
| 延床面積 | 約281,700㎡ |
| 主要用途 | 商業,業務,駅施設等 |
| 階数 | 地上48階,地下5階 |
| 最高高さ | 約260m |
| 着工 | 2022年10月 |
| 竣工 | 2029年度(予定) |
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新宿駅の南西側では、京王電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社が事業主体となり新宿駅西南口地区開発計画が進められています。
既存の京王百貨店新宿店やJR新宿ビルなどを含めた複数の建物を解体し、甲州街道を挟み北側を北街区、南側を南街区として再開発を行うものです。南街区では2023年度から解体を行い、工期は2028年度まで(2025年3月28日京王電鉄株式会社発表により、完了は未定となりました)、北街区では南街区竣工後に着手し2040年代までの完成を目標としています。
この地区のうち北街区含む新宿駅周辺一帯では、東京都が施工する東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業が行われています。
| 事業主体 | 京王電鉄株式会社,東日本旅客鉄道株式会社 | ||
| 計画地 | 東京都新宿区西新宿一丁目及び渋谷区代々木二丁目各地内 | ||
| 全体 | 北街区 | 南街区 | |
| 敷地面積 | 約16,300㎡ | 約10,000㎡ | 約6,300㎡ |
| 延床面積 | 約291,500㎡ | 約141,500㎡ | 約150,000㎡ |
| 主要用途 | 店舗,宿泊施設,駐車場 等 | 店舗,事務所,宿泊施設,駐車場 等 | |
| 階数 | 地上19階,地下3階 | 地上37階,地下6階 | |
| 最高高さ | 約110m | 約225m | |
| 工期 | 2023年度~2040年代(予定) | ~2040年代 | 2023年度~ ※2025年3月28日京王電鉄株式会社発表において、工期の見直しが行われました。 |
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新宿の未来をのぞく仮設構台ツアー
2025年10月19日に、小田急電鉄株式会社、京王電鉄株式会社、西武鉄道株式会社、東京地下鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社の主催で「新宿の未来をのぞく仮設構台ツアー」が開催されました。
先着20名とのことで当然そんなチケットを取ることはできませんでしたが、時々キャンセルが出ないかチェックしていたところ運よくチケットが取れました。
このような見学ツアーが開催されるのは事業初のことのようで、今後も開催についても検討しているとのこと。SNSへの掲載も、プライバシーに配慮すれば可能とのことでした。

新宿駅西口広場には、工事に使用するための仮設構台が2023年度から設置されています。仮設構台は旧スバルビル・明治安田前の丁字路にすりつけられ、旧小田急百貨店方面に設置されているところです。
見学ツアー当日は、新宿ビルディング会議室に集合し、この交差点部分から歩いて入り、見学することとなりました。

仮設構台から新宿副都心方面を見るとこんな様子。
左側で建設中のビルは、「(仮称)明治安田生命新宿ビル」です。もともとは1961年に竣工した地上9階、地下3階のビルでしたが、建替え後は地上23階、地下4階となる予定です。

仮設構台の平場には、クローラクレーンなどが置かれ、旧小田急百貨店解体に使用されています。
この仮設構台の設置により、地上の歩行者動線と工事車両の交錯を避けることができるとのこと。
この仮設構台は、JR新宿駅を跨ぐ東西デッキの建設にも利用される計画とのことです。

旧小田急百貨店や新宿ミロードがあった土地では、新宿駅西口地区開発計画が進められています。既存百貨店等建物を解体したうえで、2029年度に地上48階(高さ約260m)、地下5階の建物が完成する計画です。
2022年10月3日から解体に着手した旧小田急百貨店は、既に地下付近まで解体が進んでいて、説明によると、並行して杭工事などの新築工事に以降しているとのことです。多くの人が利用する駅付近の解体工事となるため、当然ながら細心の注意を払って施工しているとのことです。

左の構造物は、写真⑱の西口広場から小田急線地上改札に向かう仮設通路です。そとはこんなことになっていたのかと少し驚きです。
そして中央のX状の構造物は、旧小田急百貨店のエスカレータだった部分です。工事前に、小田急線改札をでてまっすぐ行った場所にあったエスカレータだったあたりでしょうか。

解体状況を見ると、仮設通路が昔の百貨店のどの部分だったのか、どのように新しいビルを建設していくのか、イマイチ「???」なところが多いのですが、とにかく「なんかすごい」のがわかります。
旧小田急百貨店の解体に伴い、西口からLUMINE ESTが見えるようになっていて、とても不思議な感覚です。

2023年3月25日をもって閉鎖された旧モザイク通り部分の工事も進行中。
新宿ミロードも解体に入るとのことです。
この間、小田急新宿駅南口改札に行ったら、仮設の鉄骨が設置されて景色が変わっていて驚きました。
新宿駅西口広場が大きく変化
2025年9月27日未明から、新宿駅西口広場の車両・歩行者動線が大きく変更となりました。
車両については、南北に通り抜けられた道路を封鎖。
歩行者については、地表レベルで東西に通り抜けることが可能となっています。
こうした車両動線の変更は、事業完了後の完成形まで引き継がれる計画です。
この変更を伴う工事は、土地区画整理事業施行者である東京都発注で行われています。
工事件名は「新宿駅西口駅前広場等道路改良工事(6新宿-3)」で、2026年12月下旬までの予定で、日本道路株式会社東京支店が施工しています。
この工事では、新宿駅西口広場部分のほか、周辺道路でもレーンの変更などの工事が行われています。南北分断に伴う交通量変化を見込んだ工事かなと思います。
東西歩行者通路が開通

今回の切替えで、新宿駅西口広場地上部分を東西に通り抜けられる歩行者通路が開通しました。
もともと、地上から地下へ降りる車路があった部分です。
これまでは地表レベルで東西に通り抜ける歩行者通路はなく、一度地下に降りるか、広場を南北どちらかに大きく迂回する必要がありました。

東西通路はまだ単なる通路で、道沿いに何かあるわけではありません。
通路の西側、もともと車道だった部分には、仮設喫煙所が建設中です。情報提供で入手した設計図を見る限り、従来通りパーテーションだけで隔てた開放型と見られます。
パーテーションだけだと臭いだけですし、近年は建物タイプで煙が外に出ない閉鎖型喫煙所に切り替える駅前広場も出てきていますから、将来的な西口広場完成時には何かを考えてほしいと思います。個人的には全面禁煙でいいと思いますけどね。

西口広場の地上と地下を結んでいた車路は、一部が解体中でした。(2025年1月15日0時で廃止)
さらにこの地下の駐車場へ降りる車路も閉鎖済みです。
南北車道が閉鎖

広場西側で南北に通り抜けられた道路は閉鎖されています。
広場の北側

新宿駅西口広場の北側の形状も大きく変わっています。
これまでの工事で、換気塔まわりの植栽が撤去されたほか、地下駐車場への車路が解体され蓋がされました。
西口バス乗り場への出入口は、エルタワー前の新宿西口ロータリー入口交差点に集約されています。
広場の南側

広場南側の換気塔まわりの植栽も撤去され、車道通行部分が大きく変化しました。

新宿駅西口広場(地下)

タクシー乗り場などがあった地下空間も大きく形状が変わり、縮小されています。
地下駐車場への入口等も閉鎖されています。
この明り空間は、将来的にも蓋を開けた状態で残される計画のようです。
地下駐車場への出入口

新宿駅西口駐車場(地下駐車場)への出入口は、2025年1月15日0時から、旧スバルビル跡地に設けられた新しい出入口に変更されました。これと同時に駐車場はチケットレス方式に変更されています。

この地下駐車場出入口の外周歩道は、2025年9月8日10時から開放されています。
小田急新宿駅

旧小田急百貨店の解体等に伴い、小田急新宿駅通路も変化しています。
ときどき新宿駅に行くたびに景色が変わっていて驚きます。
この通路は、小田急新宿駅地上改札から西口広場へ通じる通路で、写真⑥に写る部分です。

小田急新宿駅ラチ内も大きく景色が変わりました。
今後どう工事を進めていくのか見当もつきません。
撮影日:2025年10月19日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。






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