リニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)の建設が進められている橋本駅周辺では、駅設置を契機としたまちづくりが進められています。
2025年1月24日には、駅南口の都市計画道路2路線(関連外郭部含む)が事業認可されました。
周辺都市計画の決定・変更
橋本駅南口では、土地区画整理事業による面的整備と、都市計画道路事業の整備が予定されています。2023年3月7日にはこれらの都市計画が変更・決定されました。
土地区画整理事業は、旧相原高校の敷地などを中心に約13.7haの面積で、橋本駅南口地区土地区画整理事業が都市計画決定されました。
都市計画道路は、上記画像の部分で、決定・変更などが行われました。
都市計画決定は、将来のまちづくりに必要な都市施設(道路など)や、市街地開発事業(土地区画整理事業など)を決定するもので、直ちに事業に着手するものではありません。事業着手には事業認可を取得したり、事業計画の決定をしたりすることで進み始めます。
今回着手の2路線
今回事業認可されたのは、相模原3・3・7号橋本西通り線と、相模原3・4・21号橋本駅氷川線です。
1月24日付の神奈川県公報に事業認可について告示がされていたのですが、その区域について相模原市のウェブサイトをいくら探しても見つからなかったので、休み取って市役所に行って関係図書の縦覧をしてきました。(都市計画法第62条第2項により縦覧される)
相模原市ってウェブサイトの情報が結構少ないのと、古い情報をすぐ消しちゃう傾向があるので、改善してください。こんな人に来られても困るでしょう。
なお、職員さん尋ねたところ、相模原3・3・8号大西大通り線のうち第一工区については、夏ごろの事業認可を目指しているとのことで、先日説明会を開いたとのことです。(第二工区は未定)
また、橋本駅南口地区土地区画整理事業については、現時点では事業計画決定の告示や認可はされておらず、それについては「もうすぐとしか・・・」とのことでした。(仮に明日だったとしてもそれくらいしか答えられないのは承知です)
都市計画道路のうち、土地区画整理事業区域内については、土地区画整理事業により整備される予定です。
相模原3・3・8号橋本西通り線
相模原3・3・7号橋本西通り線のうち、旧協同病院~橋本二丁目交差点の南側に至る区間で、道路を拡幅・整備する事業が行われています。
施行者は相模原市、施行延長は約200m、幅員15~22.5mで、2車線の道路となる計画です。
施行者 | 相模原市 |
延長 | 約200m |
幅員 | 15~22.5m |
事業施行期間 | 2025年1月24日~2027年3月31日 |
2025年1月24日時点 |
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相模原3・3・8号橋本西通り線は、旧相模原協同病院跡付近から橋本二丁目交差点を曲がり、土地区画整理事業との境までの約200mの区間で事業認可されました。
旧協同病院前は既に道路が整備されていますが、認可区域に含まれています。拡幅もしないとみられます。神奈川県はこうした関連外郭部も認可しがちです。
旧相模原協同病院西側の交差点から東側が事業区間です。
この先の区間は幅員15mの道路として既に整備済みです。この部分の都市計画道路は変更されていないため、拡幅もしないと見られます。
なお、現在路面補修工事の看板が出ていましたが、普通の維持工事と見られます。
旧協同病院は、2021年1月に神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3−1に移転し、跡地は解体され、現在は地上29階のタワーマンション「ブランズタワー橋本」が建設中です。
もともとの都市計画では、橋本二丁目交差点をそのまま直進し、現在の南口広場に至る都市計画道路でしたが、橋本二丁目交差点から先の区間が廃止され、橋本変電所方面に南に至るルートに変更されました。
新しくルートとなった橋本二丁目交差点から南側は、幅員7~10mほどの道路が続いています。
これを東側(写真左側)に拡幅し、幅員22.5mの道路とする計画です。
道路予定地には飲食店を含む建物1棟、平面駐車場1つ、立体駐車場1つがあります。用地取得はゼロと見られます。
ここから南側は橋本駅南口地区土地区画整理事業の区域に含まれており、その事業により道路が整備される計画です。
相模原3・4・21号橋本駅氷川線
相模原3・4・21号橋本駅氷川線のうち、ミニストップ裏側~アリオ橋本駐車場入口付近に至る区間で、道路を新設・整備する事業が行われています。また、関連外郭部として相模原3・5・17号東橋本大山線も事業認可されています。
施行者は相模原市、施行延長は約330m、幅員18~22.5mで、2車線の道路となる計画です。
施行者 | 相模原市 |
延長 | 約300m |
幅員 | 18~22.5m |
事業施行期間 | 2025年1月24日~2032年3月31日 |
関連外郭部として相模原3・5・17号東橋本大山線も認可 | |
2025年1月24日時点 |
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相模原3・4・21号橋本駅氷川線は、アリオ橋本駐車場南側入口付近から土地区画整理事業区域境までの約300mの区間が事業認可されました。このうち、旭中学校入口交差点から西側の区間が道路を新設する区間で、東側は既に整備済みです。
また、関連外郭部として、相模原3・5・17号東橋本大山線も事業認可されています。
アリオ橋本駐車場の南側入口があるこの付近から先が事業区間です。
この先旭中学校入口までの区間は既に道路は整備済みで、拡幅はしないと見られますが、現在の車道はその先の道路との取付けの都合でやや南側に偏った構造となっているため、これらの改良がなされるのではないかと見られます。
旭中学校入口交差点から先が道路を新設する区間です。
現在も橋本変電所前交差点に至る幅員8mの道路があり、幅員の割に交通量の多い道路です。
関連外郭部
旭中学校入口交差点で交わる相模原3・5・17号東橋本大山線も、関連外郭部も認可されています。
この道路も既に既定都市計画幅で道路が完成しているので拡幅はしないと見られますが、交差点改良に伴う工事が行われるものとみられます。
道路はカーテンじゅうたん王国相模原店付近から右に曲がり、ミニストップ相模原橋本1丁目店付近を通る計画です。
右に曲がった先は新しく整備が予定されている南口交通広場にぶつかる計画です。
都市計画図を見る限りでは、ミニストップの店舗すべてが道路予定地になっているように見えます。
この後ろ側は土地区画整理事業により整備される計画です。
南口は土地区画整理事業を予定
リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の建設が進められている旧県立相原高校跡地を含む区域では、橋本駅南口地区土地区画整理事業が都市計画決定されました。現時点で事業計画の決定はされていません。
市議会録によると、市が行う事業のようですが、UR都市機構が施行予定者と発言があり、URに委託する形で事業を行うものとみられます。URにおいても、「橋本駅周辺における駅機能強化に係る土地利用計画及び事業化検討業務」などの業務がすでに発注されています。
現在の橋本駅南口交通広場は、京王線に沿うような形で形成され、バス路線やタクシーも発着しています。
この部分も土地区画整理事業の区域に含まれており、将来的にはこの位置での交通広場はなくなる計画です。
写真右側がリニア中央新幹線の駅建設現場で、かつての旧県立相原高校です。相原高校跡地の全域を使って工事が行われていますが、市議会録答弁などによると、現在も地権者が神奈川県となっているところが多いようです。
京王線橋本駅をやや南側に移設する計画もあり、市議会の市長答弁では
現在も移設に向けた費用負担や役割分担について、事業主体である京王電鉄と協議を行っています。駅移設については、乗換え利便性の向上やまちのにぎわいの創出に必要であると認識しており、引き続き、早期に協議を調えられるよう取り組んでまいります。
相模原市 令和 6年 9月定例会議
と、発言しています。
土地区画整理事業を含めた周辺まちづくりでは、「リニア駅周辺まちづくりガイドライン」を定めており、これを羅針盤に事業を進めていく模様です。
アリオ橋本から現在の南口交通広場に至っていた相模原3・5・5号橋本駅東通り線は、新しい南口交通広場予定方面にルートを変え、名称も相模原3・1・2号橋本駅東通り線に変更されました。
現在工事中のリニア中央新幹線の駅上に道路ができる予定です。駅の埋設が終わらないと道路もできなさそうですね。
国道16号から駅へアクセスするルートとして、相模原3・1・3号橋本駅南口駅前通り線が決定されました。この道路も土地区画整理事業出整備される予定です。
ルートは橋本変電所前交差点の北側から、リニア中央新幹線の駅の上を通るルートで、終点部付近に面積13,300㎡の交通広場が設けられる計画です。
この西側も、相模原3・3・8号大西大通り線が都市計画決定され、西橋本二丁目交差点から東側の区間が第一工区として着手準備中です。今回は割愛しますが、後日掲載します。
相模原3・3・7号橋本西通り線のうち土地区画整理事業で整備される予定の区間は、東側の旧県立相原高校敷地がリニア工事で使用中です。
リニア工事により一時的にS字カーブで切回されていたこともありましたが、現在は直線的に元に戻されています。リニア直上部は覆工板による仮設道路となっている箇所があります。
リニア駅周辺整備では、各駅前でそれぞれ周辺まちづくりが進められているところですが、神奈川県駅(仮称)周辺では、計画から着手へと1段階踏み出した形です。
過去記事等
撮影日:2025月1月30日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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