2026年東京都議会第1回定例会の一般質問で、中央自動車道E20の国立府中IC~八王子IC間にスマートインターチェンジを整備する取組みを進める趣旨の答弁がありました。
実際の答弁では、このインター間であることや、具体的な位置は示されていないものの、文脈等から読み取ると、このインター間、日野市付近であると見られます。
一般質問と答弁の内容
この答弁は、2月27日に行われた2026年東京都議会第1回定例会の、自民党本橋たくみ都議(北多摩第二選挙区=国分寺市・国立市)の一般質問に対する答弁であったものです。
現時点では議会録は作成されていないため、録画映像から文字起こししたものを下記に記載します。関連箇所のみの抜粋です。
※文字お越しのため、実際の議会録とは異なり、公式記録ではありません。議会録は数ヶ月程度経ってから作成されることが多いです。発言は訂正されることがあります。また、漢字や句読点等の表記はこれとは異なることがあります。
一般質問
本橋たくみ議員
次に中央道へのスマートインターチェンジについて伺います。現在中央道の国立府中インターから八王子インター間は、約14km離れており、立川防災基地へのアクセスを高めるため、この区間に新たな拠点を設けることが課題であると認識しています。立川防災基地は、様々な防災機関が集積しており、多摩地域だけでなく、広域的な地域に対して、人員物資の緊急輸送を行う重要な役割を担っています。こうした防災拠点の機能をさらに高めるためには、高速道路ネットワークを十分に活用させる必要があります。また、立川市周辺は、多摩地域商業・業務の核ですが、高速へのアクセス難がビジネス上のボトルネックとなっています。スマートインターチェンジの実現は、深刻な渋滞の解消や、物流経済の活性化に寄与するものです。そこで多摩広域防災基地と中央道を繋ぐスマートインターチェンジを実現すべきと考えますが、都の取組み状況を伺います。次に、立川防災基地周辺の道路整備について伺います。立川防災基地周辺の都市計画道路は、未整備な箇所があり、周辺道路では慢性的な渋滞が発生しています。また緊急車両が慢性的に渋滞している市街地を通行せざるを得ない状況となっております。東京強靭化プロジェクトにおいて、立川東大和線や、中央南北線がアクセスルートとして位置づけられていますが、これらの整備により、災害時の物資・医療輸送ルートが複数確保され、対応能力が向上をします。そこで立川広域防災基地へのアクセスルート整備に向けた取り組み状況について伺います。
答弁
谷崎馨一 東京都技監
まずスマートインターチェンジについてでございます。
立川広域防災基地と中央道とのアクセス強化を図るためには、骨格幹線道路の整備や、鉄道との立体化の実現に加えて、スマートインターチェンジの取組みを進めていく必要がございます。都は、多摩のまちづくり戦略におきまして、本取組の方向性を示し、現在関係者とともに防災拠点へのアクセス効果や、周辺道路への影響などに関する議論を進めております。今後とも関係者との調整等を踏まえながら、スマートインターチェンジの実現に向けて取り組んでまいります。
花井 徹夫 建設局長
まず立川広域防災基地周辺の道路整備についてでございますが、災害時に、立川広域防災基地の機能を十分発揮するためには、周辺道路を整備し、本基地へのアクセス性を強化することが重要でございます。現在、立川東大和線のうち、事業中の立川区間約2.5kmで、用地取得等に取り組むとともに、JR南武線と交差する区間では、都市計画変更案等の説明会を行うなど、事業化に向け準備を進めております。また、中央南北線では、JR青梅線との立体交差構造や、河川を横断する橋梁の構造等について、地元市等と調整を行っているところでございます。引き続き、立川広域防災基地へのアクセスルートとなる道路整備に積極的に取り組んでまいります。
立川広域防災基地と都市計画道路

質問と答弁に出てきた施設等の位置関係はこの通りです。
立川駅の北側には、「立川広域防災基地」があり、陸上自衛隊立川駐屯地、海上保安庁、内閣府、警視庁、東京消防庁、東京都立川広域防災倉庫、国立病院機構災害医療センター、日本赤十字等の施設が集積しています。
東京都では、2026年1月に『多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本計画』を策定し、立川広域防災倉庫を建替え、防災センター機能や機能等を拡充した防災備蓄倉庫を兼ね備えた「新たな防災拠点」を整備することとしています。
答弁では、その「立川広域防災基地」と中央自動車道のとのアクセス強化を図るために、都市計画道路「中央南北線」とスマートインターチェンジの取組みを進めることとしています。
中央南北線とスマートインターチェンジ
「中央南北線」は、立川市内は立川3・1・34号中央南北線、日野市内は日野3・4・17号立川日野駅線といいます。立川広域防災基地内を南北に貫き、旧米軍基地返還以降整備が行われました。一方で、JR青梅線以南は、日野駅付近を除き未整備です。
2016年3月に策定された『東京における都市計画道路の整備(第四次事業化計画)』においては、今後10年間で優先的に整備すべき路線(優先整備路線)に選定されましたが、現時点で事業着手していません。
その計画の後継として現在策定作業が進められている『東京における都市計画道路の整備方針』の、2025年12月に公表された案でも、第五次事業化計画として今後15年間で優先的に整備すべき優先整備路線に選定されました。2026年3月中にも正式に策定される見通しです。
※案のため変更される可能性があります
スマートインターチェンジについては現時点で都市計画は存在せず、上述の都市計画道路の整備方針でも扱いはありません。
答弁にもあるように、2025年3月に策定された『多摩のまちづくり戦略』において、スマートインターチェンジの記述があります。

『多摩のまちづくり戦略』では、具体的な位置についての記述はないものの、挿絵では、日野駅付近を中心に広く矢印が引かれています。
今後具体的な計画などを策定していくものとみられます。
現地の状況
どこに作る?スマートインターチェンジ
どこに作るのか具体的な言及はないものの、現地の状況を見て来ました。
正直言って「どこに作るつもりなんだ??」という疑問しか沸きません。
日野駅前
駅前のため商業施設も密集しており、このまままっすぐスマートインターチェンジを整備するのは、到底考えにくいです。
甲州街道交差部
防災拠点へのアクセスを謳うくらいなので、上下線両方へのアクセスをすると思いますが、どちら側もスマートインターと呼べるような簡素な施設ではなく、大規模な土木施設が必要となると思われます。
日野バス停
ただ、ここにスマートインターチェンジを整備すると、立川広域防災基地へのアクセスは立川通りでもよくなり、中央南北線外の整備意義が薄れる気がします。
このほか、石川PA付近の可能性もあるかなと思いましたが、離れていくなという印象です。
いずれにしても、府中スマートインターチェンジで反対運動があったように反発が出るのは予想される立地です。
中央南北線外の状況
立川日野駅線等

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)

日野3・4・17号立川日野駅線のうち、日野駅前からここまでは、組合施行の四ッ谷前土地区画整理事業で整備が完了しています。
この先の区間は、先述の通り優先整備路線に選定されていますが、現時点では整備は行われていません。
日野駅~多摩川までの区間の計画幅員は20mで、既に供用されている区間は2車線(車道11m)で整備されています。
一方で、2023年度に発注された『道路概略修正設計(5南西-日野3・4・17)』の入札情報サービスに記載された特命理由には、「現行の都市計画幅員で整備することを条件に幅員構成等の課題整理を実施している。本業務では、前提となる委託において抽出された課題等を踏まえ、現行の都市計画幅員にとらわれずに整備することを条件とした検討を実施する。」とされており、おそらく幅員を広げる方向での検討をしているものと思われます。
この先の区間は、ここ数年、航空測量や設計業務が複数発注されています。
| 委託 | |||
|---|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 | 当初契約額(税込) |
| ※これ以前は情報収集していません | |||
| 2019年度 | 空中写真測量(31-日野3・4・17外1路線) | 双葉航測株式会社 | |
| 2021年度 | 道路概略設計(3南西-日野3・4・17) | 株式会社復建エンジニヤリング | |
| 2023年度 | 道路概略修正設計(5南西-日野3・4・17) | 株式会社復建エンジニヤリング | |
| 2025年度 | 道路概略修正設計(7南西-日野3・4・17) | 株式会社復建エンジニヤリング | 2,332,000円 |
データ収集期間:委託2019年度~記事執筆時点まで
入札情報サービスなどをもとに情報を収集しています。見落とし等をする可能性があり、すべての契約を網羅しているとは限りません。また、入札情報サービスに掲載されない契約は記載していません。

JR中央線橋梁の西側で多摩川を渡る計画になっています。
現在の都市計画では幅員15.5mとされています。こちらも幅員にについては変わる可能性があります。
多摩川の中で市境があり、この先は立川市内は立川3・1・34号中央南北線となります。

新奥多摩街道と交差する計画です。
先日発注された「道路概略修正設計(7南西-日野3・4・17)」では、入札情報に「過年度の成果を基に計画道路から沿道へのアクセスする方法について(主に、沿道施設を考慮した道路下空間の活用方法)検討することを目的としている」と記載があります。
道路下空間・・・とあるので立体交差とするのか、橋梁へのアプローチ部下部(是政橋みたいな)のことなのか、よくわかりません。仮に中央南北線外が4車線とする場合、新奥多摩街道も4車線なので道路構造令上は立体交差にする必要があります。
中央南北線

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)

新奥多摩街道から北側は、幅員40mの道路として都市計画決定されています。
こちらもここ数年、設計業務等が複数発注されています。
| 委託 | |||
|---|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 | 当初契約額(税込) |
| ※これ以前は情報収集していません | |||
| 2017年度 | 道路概略検討(29街-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | |
| 2017年度 | 空中写真測量(29街-立川3・1・34外13路線) | 中央航業株式会社 | |
| 2017年度 | 道路交通網補足検討委託(29街-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | |
| 2021年度 | 道路概略修正検討(3街-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | |
| 2023年度 | 道路概略補足検討(5北北-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | |
| 2024年度 | 橋梁予備設計(6北北-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | 17,820,000円 |
| 2024年度 | 道路概略修正検討(6北北-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | 8,580,000円 |
| 2025年度 | 道路概略補足検討(7北北-立川3・1・34) | 中央復建コンサルタンツ株式会社 | 8,008,000円 |
データ収集期間:委託2017年度~記事執筆時点まで
入札情報サービスなどをもとに情報を収集しています。見落とし等をする可能性があり、すべての契約を網羅しているとは限りません。また、入札情報サービスに掲載されない契約は記載していません。
入札情報サービスに発注の詳細がわかる内容の記載がないのでどういう内容かわかりません。
平面交差点予備設計などが行われているようです。ここ2年の発注は延長0.9kmとなっており、立川南通りまでの設計を進めているのでしょうか?

残堀川を渡り、多摩川の河岸段丘に差し掛かります。
整備される道路が、平面構造なのか立体構造なのかわかりませんが、平面構造なら崖を登っていくことになります。
2024年度には「橋梁予備設計(6北北-立川3・1・34)」が発注されています。具体的にどの橋かわからないものの、住所的にこの橋なのかなという気がしています。
道路がどのような形態として整備されるのか見えて来ませんが、立川広域防災基地と中央自動車道との直結的なアクセスを図るのであれば、ここから本線は崖に潜って青梅線とも立体交差し、昭和記念公園付近で地上に出てくるくらいの専用道(地上部は緑道多めの2車線程度の地域道路化)を検討してもいいのではという気がします。将来の核幹道的な。
平面交差点設計をやっているのと、沿道アクセスを考慮して地表式だとは思いますが。

途中は住宅地となっています。
いずれの整備形態にしても反発は出そうな立地です。

立川南通りから北側は、現道を拡幅するような計画となっています。
現道の幅員は24m程度です。
立川南通りのすぐ北側で、JR青梅線の支線と平面交差(上野原踏切)しています。この支線は、JR中央線からJR青梅線に直通する電車が主に使用していて、本数自体はそれほど多くはないものの、交差点に近接していて、渋滞の原因となっています。とりわけ行楽シーズンは渋滞が激しい印象です。

現道の緑川通りは、中央分離帯のある2車線24mの道路として供用されています。
現在の都市計画では、両側に拡幅し、幅員40mとする計画となっています。
この先写真⑨の交差点及びその先の踏切を原因として渋滞が発生しがちで、この日も230m程度の渋滞が発生していました。

都道立川昭島線153との交差点は、踏切と近接しているせいか信号がなく、危険な交通状況を呈しています。
踏切待ちの車列を譲り合っている状況のなかに、歩行者が横断するため、接触しそうな状況が見られます。
この先で、JR青梅線(本線)と平面交差(新青梅街道踏切)します。カルテ踏切です。
現時点で、JR青梅線の連続立体交差事業についての情報は出て来ません。また、先述答弁や戦略等でも「立体交差構造の検討」程度の記述にとどまっています。単独立体交差とするのかどうかは現時点で不明です。
なお、踏切対策基本方針は改定を予定していると、公表されています。

JR青梅線北側は、旧米軍基地で、返還後は、一部が道路整備されましたが、ほかの一部は資材置き場として利用されています。
東京都の事例を見ると、空中写真測量や概略設計または基本設計の数年後に事業説明会を開催し、事業着手に移ることが多く、事業着手は近いと予想しています。
なお、現在の都市計画から変更される可能性があり、現時点で整備手法や整備形態について公表されていません。本記事記載の内容は予想や想像を含みます。ご留意ください。
撮影日:2026年3月1日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。











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