南多摩尾根幹線 若葉台をワープするトンネル関連工事に着手 進捗状況2025.5

稲城市多摩市及び川崎市麻生区4車線化の事業が行われている多摩3・1・6号南多摩尾根幹線のうち、稲城市長峰~多摩市聖ヶ丘の区間では、トンネル関連工事が着手されていました。

契約上はトンネル工事と同一工事で、まずはトンネル坑口付近の擁壁を築造する模様です。

事業概要

多摩3・1・6号南多摩尾根幹線のうち、上記で示した稲城福祉センター入口交差点多摩東公園交差点間では2021年に事業認可を取り、東京都が都市計画道路事業を行っています。

都市計画道路事業の認可は2021年7月30日、施行者は東京都、事業延長は4,030mで、幅員は29~58mです。

 

なお、この区間については、掘割式による都市計画となっていましたが、2015年に策定された『南多摩尾根幹線の整備方針』に基づき、平面4車線構造への都市計画変更を行うことになりました。2019年5月30日に計画段階環境影響評価手続きを開始し、都市計画変更の手続きと環境影響評価の手続きを進め、2021年3月4日に都市計画変更が完了しました。

基本データ

施行者東京都
延長約4,030m
幅員29~58m
事業施行期間2021年7月30日~2030年3月31日
事業費347億円
2021年7月30日現在

※南多摩尾根幹線全線についてはこちら

最近の発注状況

工事
発注年度工事名称受注者
※これ以前は情報収集していません
2021年度道路改修工事に伴う擁壁設置工事(3南東-長峰の1)ライチ株式会社
2022年度道路改修工事に伴う準備工事(4南東-聖ヶ丘)株式会社廣川興業
2022年度稲城多摩トンネル(仮称)(4)擁壁築造工事大成・黒須建設共同企業体
2023年度道路改修工事に伴う橋梁下部工事(5南東-竪谷戸大橋)株式会社松尾工務店
2024年度稲城多摩トンネル(仮称)(6)トンネル及び擁壁築造工事飛島・りんかい日産・朝倉建設共同企業体
委託
発注年度委託名称受注者
※これ以前は情報収集していません
2023年度トンネル詳細補足設計及び道路予備補足設計(5南東-南多摩尾根幹線[3・4工区])株式会社エイト日本技術開発
2023年度橋梁詳細補足設計(5南東-南多摩尾根幹線〔竪谷戸大橋〕)株式会社エイト日本技術開発
2023年度道路予備補足設計及び電線共同溝予備補足設計(5南東-南多摩尾根幹線〔3・4工区〕)株式会社復建エンジニヤリング
2023年度路床土調査及び地質調査(5南東-南多摩尾根幹線〔2・3工区〕外1路線)ソイロム株式会社
2024年度道路構造物詳細設計(6南東-南多摩尾根幹線[3・4工区])株式会社エイト日本技術開発
2024年度道路予備補足設計及び電線共同溝詳細設計(6南東-南多摩尾根幹線〔4工区〕)株式会社復建エンジニヤリング
この表の注意事項
データ収集期間:工事すべて、委託2023年度~(それ以前は収集していません)
最終更新日:2024年11月24日

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次の委託・工事は原則掲載しません。
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・用地の管理工事
・維持・修繕等の単価契約価契約
・入札不調や取り下げられた案件(公表する一部自治体除く)
・占用企業者による工事(下水道・水道・ガス等)
・物件補償や土地鑑定
・積算照査や発注者支援業務
など


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写真等

今回始まった工事は、「稲城多摩トンネル(仮称)(6)トンネル及び擁壁築造工事」です。

入札情報サービスによると、工期は2030年2月15日までとされていますが、現地には2026年6月下旬までと記載があります。おそらく擁壁部分の工事に限る工期と思われます。

施工者は飛島・りんかい日産・朝倉建設共同企業体で、36,095,507,800円で落札しています。

くじら橋から見た様子

稲城側坑口となる稲城中央公園交差点付近には施工ヤードが設けられ、既に現場事務所などの設置がされています。

この部分では、トンネル坑口に至る車道両脇の擁壁工事がこれまで2回行われていて、前回工事となった「稲城多摩トンネル(仮称)(4)擁壁築造工事」も既に完了しています。

今回の工事では、トンネル本坑工事のほかに、トンネル坑口に至るまでの残り約30mの擁壁築造工事も含まれていると見られ、現地看板等では擁壁に係る部分の案内のみがされている状況です。トンネルを実際に掘り始めるのはもうしばらくしてからと見られます。

この部分では、南多摩尾根幹線の事業化の前に線形を変更する都市計画変更が行われました。これは、2014年11月14日に「蓮光寺・若葉台里山保全地域」が計画線形上に指定され(2020年11月11日に拡張)、同保全地域には希少貝類を含む湿地を有していることを理由としていました。
ただ、南多摩尾根幹線の平面4車線化を打ち出したのは2015年2月18日のことで、旧線形は米軍基地を通過し、新しい線形はこれを見事に避けるルートとなっており、米軍基地を避けることが1番の理由だったのではないかなと感じています。当時の説明会は都市計画変更の理由書には米軍基地の米の字も出てこなかったですけどね。

図面によると、トンネルは上下線が別々の構造となり、上り線1848.000m、下り線1834.785mとなる予定です。

山岳トンネルとして一般的なNATM工法が採用され、補助工法として注入式長尺鋼管フォアパイリングも採用される予定です。

環境影響評価書や工事説明資料によると、湿地への影響を最小限とするため、トンネル全周をシート防水材で覆うウォータータイト構造とする計画としています。

トンネル坑口は相模原側が高く、稲城側から緩やかに上り、途中から勾配を増してトンネルを抜ける計画です。

多摩市側坑口予定地付近(多摩東公園交差点)

多摩市側のトンネル坑口となる多摩東公園交差点付近では、現在も東京都水道局発注の「多摩市聖ヶ丘四丁目地先から同市聖ヶ丘五丁目地先間配水本管(1100mm)布設替及び送水管(600mm)移設工事」が2026年6月中旬までの予定で施工中です。

詳しい説明がないのでよくわかりませんが、トンネルや擁壁、その後の工事で支障となる水道管を移設しているのではないかと思われます。

2025年4月1日公表の年間発注予定によると、この多摩市側の坑口付近の擁壁設置工事と見られる「【財】【週休2日工事】稲城多摩トンネル(仮称)(7)擁壁築造工事」が5月下旬に公表予定と記載されています。

多摩東公園交差点以西の様子は次回掲載します。

撮影日:2025年5月6日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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