新府中街道(国分寺3・2・8号府中所沢線) 熊野神社通り~市役所通り間開通!

国分寺市で事業が行われている国分寺3・2・8号府中所沢線のうち、熊野神社通り市役所通り間の約460mの区間が、2025年2月17日14時に暫定交通開放されました。

※4車線開放ではないので暫定扱い

今回開通したのは、事業区間である多喜窪通り五日市街道間のうち、中間付近にあたる熊野神社通り市役所通り間です。

多喜窪通り熊野神社通り間は、2017年3月16日に交通開放されているので、約8年ぶりの延伸となります。

開通の様子

北側から誘導した白バイとパト車

事前のアナウンスのとおり、開通記念式典等は開催されず、15時ちょうどに南北両側から警察車両等の先導で開通しました。

北側からは白バイと東京都のパト車が先導し、それに一般車両が続きました。一番乗りは自動二輪車でしたね。

先導する白バイと都議らを乗せたマイクロバス

南側からは白バイと都議らを乗せたマイクロバスが先導し、一般車両が続きました。歩行者についても同時に開放であったため、途中で待ち構えて撮影などはできませんでした。

沿道には見物に来た地元の方々がいらっしゃいましたが、平日日中ということもあってか人は少なめでした。南側沿道には地元の小学生らが授業の一環で見物に訪れ、歓声を送っていました。

開通した道路の詳細

開通区間の模式図
細部は省略しています。実際とは異なる場合があります。
画像はスクロールすると横に移動できます。

道路の概要

開通した道路の幅員は36mで、4車線となる設計です。ただし、北側が未開通であることから、北向き車線(所沢方面)は暫定片側1車線での開放となっています。

自転車歩行者道は環境施設帯を含む片側幅員10mで、沿道の利用状況により副道が整備されています。こうした道路形態は、調布保谷線でも見られます。

この道路は、1965年4月13日に都市計画決定されました。当初の計画幅員は28mでしたが、2006年8月22日に幅員を36mに広げる都市計画変更を行いました。その後、2007年11月26日に事業着手しています。

南側、熊野神社通りから見た様子

熊野神社通りと交わる交差点は、丁字路から十字路に変わりました。この工事に合わせて交差点影響範囲部分の路面補修も行われています。

熊野神社通りの西行きには、新しく右折レーンが設置されています。

信号機はいずれも右折矢印は設置されませんでした。見ていた感じだとそこまで滞留は発生していないかなという状況でした。

昼間付近には横断用信号機を設置

開通区間の中間付近、国分寺市道中204号線と交わる部分には、横断用の信号機が設置されました。

夜間押しボタン式で、日中は人がいなくても切り替わります。

市役所通りとの交差点

市役所通りとの交差点にも信号機が設置されました。
新府中街道側が車線を絞り、置きガードレールにより交差点を小さくした形状での暫定形となっています。

なお、この写真の左側には直前まで未買収地があり、開通前の工事の当初設計では未買収地を避ける設計となっていましたが、登記簿によると2024年8月に買収されたようで、正式な歩道幅員での整備となっています。ただし、ここだけインターロッキングブロック舗装ではなかったりと、暫定形となっています。

北行きは暫定1車線

北行き車線

今回の開通は市役所通りまでの部分開通であるため、北行き車線(所沢方面)については片側1車線の暫定形となっています。多喜窪通り熊野神社通り間も同様に暫定片側1車線となっているため、この間約1.6kmにわたって暫定片側1車線となります。

部分開通先の道路規格が下がる場合や、交通量を抑制したい場合などに、車線を絞った暫定形で開通させることは日本全国どこでもあります。(近くだと所沢入間バイパスなど)

南行き車線

南行き車線(府中方面)については完成片側2車線です。

両側に幅員10mの環境施設帯を整備

自転車歩行者道

車道の両側には、幅員10mの環境施設帯が整備され、その中に自転車歩行者道などが整備されています。

環境施設帯は、「道路環境保全のための道路用地の取得及び管理に関する基準について」(1974年都市局長・道路局長通達)により、「第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域及び第2種中高層住居専用地域又はその他の地域であって、住宅の立地状況その他土地利用の実情を勘案し、良好な住居環境を保全する必要があると認められる地域を通過する幹線道路については、次項に掲げる場合を除き、当該幹線道路の各側の車道端から幅10メートルの土地を道路用地として取得するものとする。」として示されているものです。『道路構造令の解説と運用』にも記載があります。

都内では、調布保谷線で先行して整備が進んだほか、現在整備中の東八道路(府中~国立間)でも整備が予定されています。なお、この沿道ももともと第1種低層住居専用地域でしたが、都市計画変更により沿道地区計画の決定とともに第1種住居地域(一部除く)に変更されています。

自転車通行部分

自転車歩行者道は、歩行者と自転車を視覚的及び物理的に分離した構造となり、その間には植栽が設置されました。(副道整備部分を除く)

歩行者部のみインターロッキングブロック舗装(平板)で、自転車部は透水性アスファルト舗装です。

植栽は、低木にオオムラサキツツキ、サツキツツジが、高木にはシラカシ、ハナミズキ、司シルエットが植えられているようです。司シルエットは国分寺市原産のモミジで、熊野神社通り以南の区間にも植えられています。

車道と歩道の間には透明ポリカーボネート板による遮音壁が設置されています。

市役所通りの2箇所の信号は廃止

国分寺五小入口横断路

今回の道路開通にあわせ、市役所通り上にあり近接する国分寺五小入口横断路国分寺九小入口交差点信号機は廃止されました。合わせて横断歩道も撤去されています。

国分寺九小入口交差点

信号機の運用終了後、速やかに信号機にカバーが掛けられました。後日撤去するものと見られます。

しばらくの間、府中街道へは踏切と恋ヶ窪交差点を経由

恋ヶ窪交差点

今回開通したルートで府中街道に行く場合は、恋ヶ窪駅南側の踏切と、恋ヶ窪交差点を経由することになります。

踏切は駅に近くやや遮断時間が長くなることもあるほか、恋ヶ窪交差点は変則的な交差点となっています。

渋滞とかしないかなと若干心配はありますが、現状も西恋ヶ窪一丁目交差点を中心に時間帯によっては渋滞していたため、うまくばらけるかもしれません。そのあたりは要観察ですかね。

なお、恋ヶ窪交差点は、かつては府中街道に右折レーンがなく渋滞頻発ポイントでしたが、交差点すいすいプランに基づく交差点改良が行われた結果、右折レーンが新設されています。市役所通り側も変則的な信号現示により右折待ちはないです。

五日市街道までの区間で工事続く

国分寺市内の未開通区間である市役所通り五日市街道間についても工事が進められています。

この区間はすでに電線共同溝排水管などの埋設物工事が行われているほか、西武国分寺線とのアンダーパスも工事が行われています。

大方残るは表面の工事となっています。

2024年12月5日には「街路築造工事のうち擁壁設置及びトンネル歩道整備工事(6北北-国分寺3・2・8)」の入札が開札され、株式会社島田組が落札しています。主にアンダーパス内部の歩道舗装と一部擁壁設置を行うようです。

また、2024年12月19日には「街路築造工事(6北北-国分寺3・2・8)」の入札が開札され、成友興業株式会社が落札しています。入札情報サービスによると、工期は「契約確定の日の翌日から令和8年12月16日まで」と記載されています。この工事でおおむね道路形態となるようですが、遮音壁や道路照明、植栽工がないため、これらは別発注と思われます。

五日市街道上水本町交差点西側

この区間の開通には、別途事業中の五日市街道の整備が不可欠と見られますが、五日市街道の工事は発注されていません。来年度の発注予定に載ってくるといいのですが。

なお、上水本町交差点西側の事業所駐車場だった部分の用地取得されたようで、更地になっていました。

小平3・1・2号東京立川線及び国分寺3・4・10号東京立川線
小平市、国分寺市

この北側小平市内も事業中ですが、依然と用地取得中で、工事は始まっていません。

小平3・2・8号府中所沢線
小平市 府中所沢線・鎌倉街道線

多摩南北主要5路線として全線整備中

都市計画道路「府中所沢線」及び「鎌倉街道線」は、多摩南北主要5路線のうちの1つとして整備がされており、現在未整備または未拡幅の区間すべてで事業中です。(今回開通は④の一部)

他の区間については、下記からご覧ください。

撮影日:2025年1月17日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

  1. 自然風景 より:

    事業中全線リンク採用ありがとうございます!そしてまとめお疲れ様です。
    ここはなかなか交差点名が付きませんね。。

    ところで、設計書だと根岸病院付近の交差点の北行は片側2車線でうち1車線分はすぐ側道(内藤橋街道方面)に流れる形態に再整備されるかのような図でしたが、結局根岸病院交差点北行は左専用、直、右専用のままのようですね。

    • 管理人 管理人 より:

      そんな設計になっていましたっけ。
      持っている資料では、多喜窪通り~熊野神社通り間北行は2車線化するものとなっていました。ただその数量が拾われているようには見えないので錯誤かもしれません。
      実際には1車線のままの開放でした。

  2. 調布市民 より:

    ようやくここ開通したけど、まずは五日市街道まで通してほしいのが本音
    さらに青梅街道まで通る日はいつになる事やら

    • 管理人 管理人 より:

      小平市内は工事すらやってないので、10年以上ですかね。
      そろそろ工事を始めてもよさそうな区間があるのですが。

  3. とものしん より:

    今回の開通で府中街道の南行きは恋ヶ窪の交差点の右折待ちで渋滞しそうですね。
    早く府中街道から熊野神社通り東行きの部分が開通してほしいです。
    そうすれば西恋ケ窪一丁目の交差点の渋滞もだいぶ減ると思うのですが…

    それにしても新府中街道の小平市部分は全くひどいですね。
    小平市は前市長から道路が全部ストップしてます。周りの自治体との協調が全く果たせていません。

    • 管理人 管理人 より:

      小平市域の府中所沢線も東京都の事業ですので、小平市は基本的には関係ありません。
      小平市側の事業着手が数年遅いので、その分遅いです。

      むしろ前市長が住民投票の成立要件を加えたのは東京都側に歩み寄ったのでは。それに前市長時代から道路事業に何本も着手しています。この規模の自治体でこれだけ事業を行っているのは全く少なくないです。

  4. 匿名 より:

    tag/kokubunji328/
    での紹介文で開通日時が2017年開通区間のコピペのままとなっております。ご確認ください。

  5. 自然風景 より:

    小平3・2・8は都の事業なので市の権限では止めることは出来ない、と至極真っ当なことを仰っていた市長という印象ですね(要するにストップさせた事実がない)。成立要件もそうですし。

    小平大和線もそうですが、用地取得が劇的に進展しない限りは目に見えないので評価されにくいんですよね。。

  6. ToNe より:

    更新お疲れ様です。
    いつも楽しく拝読させて頂いております。

    やっと一部開通ですね。仕事で良く通る道なので、少しは楽になるかなと思います。
    他の方の意見でも、府中街道に出る恋ヶ窪交差点、朝夕はいつも渋滞しているので心配です。

    あと、記事の説明で使用されている「開通区間の模式図」などの図はどのように書かれているのでしょうか?CADかな?
    わかりやすい説明、いつも感心しています。

    これからも応援していますので、無理のない範囲で更新を頂ければと思います。

    • 管理人 管理人 より:

      市役所通りは歩道があるとはいえ熊野神社通りよりも狭いこと、商店街のようなところを通り駅近で歩行者やわき道からの車が多いこともあり、熊野神社通りよりも気を遣う道路かなと思います。私が見ていた時間帯でも、小学生の通学路となっているようで、歩道に広がって歩く小学生がいて、開通後の交通量増加で事故しなければいいなと思いました。

      模式図はAdobe illustratorです。(さすがにCADは高すぎます)

  7. むーさん より:

    いつも綿密な取材で情報を提供していただいてありがとうございます。この区間(熊野神社通り〜市役所通り)の開放だけでは今だ細い市役所通りから恋ヶ窪駅踏切を渡り府中街道へ出るしか無くて、府中市方面から北上する交通量を受け止めるキャパが足り無いですね。五日市街道区間の完成を待ってから一緒に交通開放した方が良かったのでは?と思ってしまいます。

    • 管理人 管理人 より:

      五日市街道まで開通したとしても、そもそも付近の五日市街道が常に渋滞気味であること、上水本町交差点と近接することで交通処理が複雑になることから、それもそれで気がかりなことは多いです。
      小川町西までつなげるまでは本当の開通にはならないなと感じます。

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