川崎3・4・4号世田谷町田線(上麻生Ⅱ期) 上麻生交差点改良工事着手 右折ポケット新設へ 進捗状況2024.6

川崎市麻生区で事業が行われている川崎3・4・4号世田谷町田線(上麻生Ⅱ期)のうち、麻生通りと接続する上麻生交差点で、交差点改良工事(暫定)が着手していました。

事業概要

川崎3・4・4号世田谷町田線多摩川の多摩水道橋から町田市境に至る都市計画道路です。すべての区間で現道があり、津久井道と呼ばれています。

このうち柿生駅付近では上麻生工区として道路の拡幅が行われています。

道路は幅20m4車線に拡幅される予定です。

事業はⅠ期Ⅱ期に分けられており、それぞれ事業開始時期が異なります。

Ⅰ期
施行者川崎市
延長約340m
幅員20m
区域変更告示2009年1月26日
2020年4月22日現在
Ⅱ期
施行者川崎市
延長約430m
幅員20m
事業期間2019年1月25日~2026年3月31日
2020年4月22日現在

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

写真等

工事が始まった上麻生交差点(5月31日)

工事が始まったのは、県道3号(世田谷町田)津久井道》と、県道12号(横浜上麻生)麻生通り》が接続する上麻生交差点です。

この交差点は主要地方道同士が交わる主要な交差点ですが、世田谷方面車線に右折レーンがなく、深夜帯を除いて常時渋滞が発生しています。朝夕で特に雨天時には、町田市の袋橋交差点付近まで4km以上断続的な渋滞が頻発しています(ただし踏切・藤の木交差点・鶴川駅東口交差点・岡上駐在所前交差点・金井入口交差点・大蔵交差点など渋滞発生原因は複数存在)。

川崎市麻生区内世田谷町田線は、新百合ヶ丘付近から上麻生交差点付近の都県境まで連続して拡幅する事業を行っており、上麻生交差点付近は2019年に事業認可を得て上麻生Ⅱ期として事業に着手しています。今回の工事もその事業の一環と見られます。

2023年に、上麻生交差点に面する中古車販売店の一部が用地買収され、更地になっていました。現在は残地部分で集合住宅の建設が行われていますが、その用地買収がされたことで、今回の工事に着手できた模様です。

工事件名は、「都市計画道路世田谷町田線(上麻生Ⅱ期工区)上麻生交差点暫定整備工事」で、株式会社吉孝土建が施工しています。
2024年6月14日時点で現地の測量などはされている模様ですが、看板類は掲出されていません。

看板掲出を確認しました。(7月撮影)

今回の工事では、上麻生交差点の町田側について、用地買収が完了した小田急線側に少し広げることで、世田谷方面車線を広げる模様です。これにより右折ポケット程度のスペースが確保される模様です。

右折ポケットは、右折レーンが整備できるほどの幅がない場合などに設ける滞留スペースのことで、今回の場合、小田急線とは反対側の法面の整備ができていないため線形の都合上右折レーンは設置できないものと思われます。

現状では普通乗用車が右折待ちをする場合でも、すり抜けて直進することは難しい幅でしたが、改良後は普通乗用車程度であればすり抜け可能となるものと思われます。

測量跡

6月14日時点では、拡幅後のラインを描いたとみられるスプレーや、路面の高さ測量をした跡が残されていて、もう少ししたら現場着手するものと思われます。

なお、世田谷町田線の町田市側(藤の木交差点まで)は、東京都が別途路面補修工事(路面補修工事(5南東の10))を行う模様で、これも測量跡が路面に残されています。

世田谷側

上麻生交差点の世田谷側も道路自体に大きな変化はなさそうですが、レーンの若干の移設などが行われる模様です。

柿生陸橋

上麻生交差点から横浜方面に伸びる麻生通りのうち、柿生陸橋についても拡幅する事業が別途行われています。

川崎市のサイトによると用地取得率は96%でですが、現在のところ工事は始まっていません。

麻生通り側についても、信号の青の時間が25秒程度しかなく(計測時)、深夜時間帯を除いて常時渋滞が発生し、柿生駅南口方面の住宅街へ抜け道をする車で住宅街に危険を及ぼしています。
※世田谷町田線町田方面の青の時間は69秒、世田谷町田線世田谷方面の青の時間は54秒(いずれも計測時)。

主要地方道横浜上麻生線(柿生陸橋工区)
川崎市麻生区 主要地方道横浜上麻生線12のうち、終点側上麻生交差点付近の柿生陸橋では、拡幅事業を行っています。 都市計画道路名称は、川崎3・5・14号野川柿生線です。道路区域の編入は2016年5月12日です。 事業延長は約430mで、幅員1...

川崎市内で軽微な交差点改良

川崎市麻生区内では、レーンの位置をずらす程度の軽微な交差点改良が各所で行われています。

新百合ヶ丘駅入口交差点

新百合ヶ丘駅北口にある新百合ヶ丘駅入口交差点では、2023年秋ごろ(筆者が確認したのは11月)にレーンの改良が行われました。

新百合ヶ丘方面には右折レーンがなく、右折車がいると進めず渋滞が発生していました。アートセンター側を3レーンから2レーンに減らすことで、右折滞留スペースを確保し、右折車が2台程度であればすり抜けが可能となりました。

この改良では新たな用地取得は発生せず、街渠の移設も行われていません。

結構右折車がいる交差点なので抜本的渋滞解消には至っていませんが、幾分改善したような気がします。

高石歩道橋下交差点

県道3号(世田谷町田)県道124号(稲城読売ランド前停車場)が接続する高石歩道橋下交差点では、コンビニとガソリンスタンド間の横断歩道を渡る歩行者待ちに起因して、左折待ち車両による渋滞が発生していました。

センターラインをずらし広幅員化することで、直進車は左折待ち車両の右側を通り抜けられるようになり、渋滞が解消しました(川崎市発表)

広幅員化した世田谷方面車線

今回の改良では、新たな用地取得は発生せず街渠の移設も行われていません。

普通乗用車が並んだ状態

目測ですがレーンの幅員は5m程度あると思われ、大型車同士でなければ通り抜け可能と思われます。

この交差点はよみうりランド方面についても渋滞(400m程度)が発生しがちですので、なんとかならないですかね。

川崎市では第4次緊急渋滞対策(2022年度~2025年度)を行っているところですが、この2つの交差点についてはそれには含まれていない模様です。

撮影日:2024年6月14日(特筆ないもの) 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

  1. あるくむ より:

    初めて川崎へ越した人から聞く定番の愚痴のひとつが右折レーンの少なさだと思ってます。バス社会なのに。上麻生も有名ですね。八王子も昔は似た感じでしたがかなり解消されたイメージです。予算以上にそもそも用地買収が下手だった(またはあちこち反対派が強かった)のかなと勝手にイメージしてます。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      買収以前に事業化していないところがほとんどなので、「何もやってない」が正解だと思います。

  2. gohan-chawan より:

    津久井道沿いの鶴川と柿生のほぼ間に住み、通勤で小田急線に乗る日、上りは柿生駅、下りは鶴川駅を利用。
    脇道、抜け道がない津久井道は朝の、特に上りの渋滞は酷く、柿生に向かう際、自宅前で見掛けた車と並走ならぬ並歩?状態の時速4~5㎞です。
    慢性的に朝夕は渋滞してますが、1ヶ所でも渋滞原因が改善されれば少しは変わるかと。
    上麻生交差点での右折待ち、大型車両は仕方ありませんが乗用車、特に軽自動車がもうあと30㎝右に寄ってくれれば、左脇をすり抜けられるのにと思うことが多々あります。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      右折も直進もする交差点なのでその30㎝はよくわかるんですが、右折する立場になると、その30㎝寄るのが前から直進する車が怖くて難しいんですよね。ギリギリ右のタイヤを中央線の延長線に載せるのでも、ヒヤッとします。
      この交差点は町田市側すぐの信号(東京都公安委員会管理)と連携が取れてるのか取れてないのか未だに謎ですが、現示を見る感じ取れていない気がして、もう少しうまい現示ができそうだなと感じます。

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