前々回記事で晴海線の開通記念イベントに参加した後、首都高速晴海線10の都心方面への延伸計画線を歩くことにしました。
現在の晴海線10は東雲Jct~晴海出入口までの盲腸のように伸びる路線となっていますが、都市計画上は都心環状線C1まで決定されています。
都市計画決定は1993年(平成5年)7月19日東京都告示第805号で、既に決定から25年近く経っていますが、今のところ事業化に向けた動きはありません。
今回は晴海側から築地を通り新富町に向けて見ていきます。
現在の晴海線10の終点、晴海出入口を降りると有明通りに合流します。
晴海線10の計画では、晴海出入口の場所から地下に潜り、築地方面に向かうものとなっており、出入口は別の場所に設けられる予定となっています。しかし、事業化の見込みはないため、仮出入口として現在の場所に晴海出入口が造られたことになっています。
一般道の有明通りはこの先で晴海三丁目交差点にぶつかり、この先は晴海通りと名前を変えます。
晴海三丁目交差点は片側6レーンを持つような大きな交差点です。道路構造令上も立体交差が望ましい交差点であるように、本来は立体交差となる計画です。こちらも事業化の見込みは不明。豊洲・築地市場問題でいろいろある環状第2号線が交通開放されれば周辺の交通事情も変わると思うのですが。
晴海線10はそのまま晴海通りの地下を通って北上します。勝どき駅前交差点の地下構造など気になる場所があるのですが、都市計画図では判断が付きません。
そして、勝鬨橋の手前で北西側にそれ、隅田川を渡ります。
隅田川を渡ると築地場外市場に差し掛かります。高速の計画線は写真左側の「築地魚河岸」と書かれた「築地魚河岸幸橋棟」の付近に計画されているものと思われます。
築地市場(場内)は豊洲市場への移転が決まり、東京都による再開発検討会議も行われているようです。
晴海線10はこの先で二手に分かれます。一方は都心方面車線として采女橋方面へ。もう一方は晴海方面車線として築地本願寺・新富町方面です。今回は新富町方面だけを見ていきます。
新富町方面へ分岐した場所です。写真に写る建物「築地魚河岸小田原橋棟」の付近が計画線に当たります。この地上部には都市計画道路補助第316号線も決定していますが、こちらも事業化はされていません。
ちなみに、ここに行った日曜日は条例による築地市場の休業日であり、それに合わせて場外市場も一部店舗がお休み。この築地魚河岸も閉館日でした。
再び晴海通りを横断すると、築地本願寺の裏手を通ります。写真の左側に築地本願寺があります。
ここから先は用地として確保されているようで、公園や駐車場として活用されていました。もともとは築地川があり、それを埋め立ててできた場所のようです。その場所には一般道を造る計画だったようですが、その後新しくできた晴海線の計画にとって代わっています。
計画線上は築地川公園として整備されていました。
計画線は新富町出口の南側で直角に曲がります。
写真の左奥が都心環状線C1方面、左手前は築地方面です。左の橋は入船橋。
この付近は築地川を埋め立てた後、蓋をせずにあるようで、現在は運動場として仮開放されているようです。擁壁等は晴海線の計画前からあるらしく、劣化が進んでいるため写真右側では補修工事が行われていました。
今まで見てきた築地川公園にはトンネルがあります。どこまで続いているのでしょうか。
右側に見える高架のようなものは現役の新富町出口で、そのとなりに道路の遺構のようなものが観察できました。
現在、この場所は新富町出口としてしか使われておらず、左側の遺構部分に車両が通ることはないようです。
写真左奥には中央区役所があります。この真下には有楽町線の新富町駅があります。
中央の道路は新富町出口のランプです。両脇は“遺構”から続く道路で、中央区役所前の道路に出てこられるようになっています。
航空写真では、1980年ごろには新富町出口はこの先入船橋手前で回転しこのランプを使って中央区役所前に出てきていたように見えます。
1990年ごろには現在の出口が完成しているように見えます。
先ほどの築地川公園も駐車場として使われていた時代もあったりと、近辺の道路形状は目まぐるしく変わっているようです。
詳しく調べたら変遷も調べられそうですが、今回はそこまで追わないことにします。
現在は柵で封がされています。この道幅では今後活用できるのかも微妙に見えますがどうでしょう。
この区間の晴海線は現在も事業化されていません。計画はあっても急カーブが連続するこの場所で今の時代果たしてできるのかも謎だと思いました。中央区の反対があったり、築地の再開発も検討される中、晴海線が都心環状線まで繋がることはあるのでしょうか。
撮影日:2018年2月18日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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