府中3・4・3号狛江国立線(Ⅰ期)事業着手に向け準備中 着手前の状況2023.3

府中市で事業を行うため準備中の府中3・4・3号狛江国立線(Ⅰ期)の現在の状況を見てきました。

府中街道かえで通り間で、道路を新設するため、2023年2月に施行予定者の東京都が近隣住民に対して説明会を開いていました。今後測量等を行い、2年程度で事業に着手する見込みです。

事業概要

府中3・4・3号狛江国立線は、府中市押立町四丁目から府中市四谷六丁目に至る延長約8520mの都市計画道路です。

このうち上記図で示した府中街道からかえで通りに至る区間では、東京都が道路新設に向けた準備を行っています。2023年2月には、沿道予定地関係者に対し説明会を行い、3月にその資料がインターネットに公表されました。今後測量等を進め、2年程度後に都市計画法の事業認可を得て事業を行う予定です。

延長は約1275mで、幅員は20~32.5mの2車線の道路となる計画です(一般部は20m)。JR南武線及びJR武蔵野線とはアンダーパスにより立体交差する計画です。

なお、この区間の委託類は契約件名に「Ⅰ期」が記載されているため、当サイトも「Ⅰ期」と記載していますが、今後変更になる可能性はあります。

施行予定者東京都
予定延長約1275m
予定幅員20~32.5m
事業施行期間未認可
2023年3月16日現在

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

写真等

撮影位置はこの通りです。

①分岐予定地付近の府中街道(地図

府中是政郵便局前です。右の道路が府中街道で、この付近から左奥方向に分岐する計画です。

計画図を見ても分かるように、府中街道とは鋭角に分岐する計画で、車道はここから少し進んだ場所から分岐する予定です。

左の郵便局は、1階部分のみになっている部分に建築制限が掛かっているようです。

②是政三丁目交差点南側(地図

車道(本線)部はこの付近から分岐する計画です。

付近は戸建て住宅や小規模農地が主な土地利用です。

余談

このルートの都市計画道路は、1943年に現在の府中市域で都市計画街路が決定された際に、府中市の南側を東西に結ぶ都市計画街路が決定されています。ただし、現在の府中3・4・3号とは大きくルートが異なっていました。

1962年に、1943年の都市計画街路をすべて廃止し、現在の都市計画道路網の原型となる都市計画道路を一括で決定したところから府中3・4・3号の計画が生まれました(当時は府中2・2・9)。

この1962年決定当時は、府中3・4・3号は、現在の是政交番前付近から東側へほぼ直線的に通る計画でしたが、1969年に中央自動車道の建設を理由として、中央自動車道に沿った現在のルートに変更されています。

また、それまで是政橋から清水が丘方面へ直線的に結んでいた府中3・4・7号を、現在のように2回折れ曲がるような形に変更しています。このような経緯から、この付近では都市計画道路が直線的ではなく折れ曲がっているような線形になりました。

余談を書いたばかりに勘違いされると嫌なので書いておきますが、府中3・4・3号は都市計画道路の形状とは異なり、府中街道から分岐する形で造られる計画です。(都市計画道路の形状にしないといけないみたいな決まりはないので特段問題はない)

③JR線との交差部(地図

JR南武線及びJR武蔵野線とは、アンダーパス📝で立体交差する計画です。

都市計画上はオーバーパス📝で立体交差する計画になっています。

JR線には、オーバーパスを見込んで建設されたと思われる橋脚の躯体が片側4本×両側=8本が準備されています。航空写真を見る限り、JR武蔵野線の建設時からの準備のようです。これらの構造物は使われないことになります。

一般的に、アンダーパスは擁壁や排水設備などで工費が高くなりがちで、排水機能の維持が必要である一方、景観上及び日照阻害・電波障害などの面からは有利とされています。都市部では、これらの理由から地形や地質の制限がない場合はアンダーパスになりがちであると聞いたことがあります。この場所の場合でも、JR線が築堤の上を走っており、アンダーパスの方が優れているような気はします。

④ローソンスリーエフ(地図

この付近に道路ができる計画です。

⑤サントリービール工場前(地図

左に見える卸売市場、右はビール工場。この道は間を通る。南町に続く。

左の建物が大東京綜合卸売市場で、右がサントリービール工場です。この間の両敷地を通る計画になっています。

⑥ビール工場西側(地図

途中、府中用水も流れています。

⑦新田川緑道(地図

この付近は準工業地域に指定されていますが、農地のほかに戸建て住宅やアパートも多い地域です。

古い航空写真を見ると、この付近は多摩川の氾濫原でもあるようで、砂利採掘などが行われていた場所で、1960年初頭までは建物はわずかな場所だったようです。

⑧芝間通り付近(地図

この付近を通る計画です。

⑨かえで通り交点(地図

事業予定区間西端のかえで通りとの交点です。

かえで通りは、都市計画道路に合わせるように直角にカーブしており、ここに繋がる計画です。

府中3・4・3号は、ここから西側の四谷体育館東交差点までの区間も2016年に策定された『東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)』で優先整備路線に選定されています。その先の立川東大和線も優先整備路線になっています。また、調布方面も鶴川街道までの区間が優先整備路線になっています。すべて完成すると新たな道路ネットワークができますが、それはいつの話のことでしょうか。

撮影日:2023年3月17日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0760)

コメント

  1. 平山苑住人 より:

    いつも楽しく拝見しております。

    >左に見える卸売市場、右はビール工場

    荒井由実の中央フリーウェイですね(笑)ビール工場の看板は無くなってしまったので寂しい限りです。
    かえで通り南端のカーブは長年不思議に思っていましたが、そのような計画だったのですね。

    狛江国立線と言えば
    35.65877440756158, 139.45042547138624
    にその名前があるようなので、この辺りにつながるようになるのでしょうかね。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      おっ。気付いてくれましたね。

      かえで通りの南端の直角カーブはこれが理由ですが、東西方向数十メートルの道路は、都市計画の幅員より狭いため、少し拡幅されるはずです。
      狛江国立線は、ここから進路をやや南に変えながら西進し、鎌倉街道と交差、その後キユーピーの工場の中を突き抜け、四谷体育館東交差点に繋がる計画です。ご指摘の箇所はGoogleMapsでは表示されていますが、現段階ではまったく関係のない道路なので、GoogleMapsの間違いです。

      • 平山苑住人 より:

        なるほど、四谷体育館東交差点に繋がるまでは理解していたのですが、どうやってあの地点を通っていくのかが理解できなくて…ご教示ありがとうございました。

    • バシルーラ より:

      左に見える卸売市場、右はビール工場。この道は間を通る。南町に続く。

      二行目も続いていますね☆

  2. たつな より:

    めっちゃ近所〜!
    この狛江国立線はネットニュースで見て初めて知ったんですが、こんな計画があったなんて…。
    四谷体育館東交差点〜矢川3丁目交差点の道路の広さには気になっていましたが、まさかそこに繋がる予定とはびっくりしました。

  3. black_Perl1026 より:

    今日もお疲れさまです

    ポップアップウインドウで用語の説明ありがとうございます

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