「町田市は神奈川県だ」などと、東京都から出っ張っていることから揶揄からかわれることのある「東京都町田市」。
最近はテレビでも平気で言うようになりシラケすら感じるほどですが、そんな東京都と神奈川県の県境に敏感な町田市に、都県境をさまよう都県道があります。
表題の通り、「東京都道・神奈川県道139号真光寺長津田線」です。町田市の真光寺を起点として、横浜市の長津田付近を結ぶ一般都道・県道です。
そのうち、鶴川駅付近~TBS緑山スタジオ付近までが今回の区間。道路がちょうど都県境になっているようですが、標のようなものがあまり見つからず、地図によっても都県境が微妙に違うという、ちょっと難解な道です。
ただし道路の管理者が東京都なのか神奈川県なのかは、
鶴川駅付近の都県境から南側は「神奈川県道」です。少しだけ町田市を跨いでいる場所も神奈川県道で、政令指定都市なので川崎市あるいは横浜市が管理しています。
今回はこの道路の施設が「東京都のものなのか」「神奈川県のものなのか」を重点的に確かめました。
鶴川駅東口交差点~岡上跨線橋
こちらが鶴川駅東口交差点付近の都県境。
交差点の南側は小田急小田原線・鶴見川などを越える岡上跨線橋となっていて、橋の北側付近に都県境があります。
川崎市に問い合わせたところ、道路の管理境界は橋の端部ジョイント部分らしく、実際の都県境より少し北側が境界ということになります。奥の川崎市管理の街路灯は東京都内ということですね。
ちなみに奥の鶴川駅東口交差点は雨の日や夕刻を中心に渋滞発生ポイントで、東京都が交差点改良事業を長いこと続けています。柿生方面は横断歩道橋を撤去したことにより1レーンから3レーンへ拡大したりしています。
この橋の方も都内区間の数十メートルの範囲でレーンを増やしたりしていますが、渋滞の解消には至っていません。
渋滞の解消には上麻生や岡上交番前、金井入口、大蔵交差点などの近隣交差点や道路の改良、橋の架け替えと拡幅など必要になるのでしょう。
こちらが反対向きに撮影した岡上跨線橋。川崎市の管理です。
都県境は写真左から1つ目の橋脚と2つ目の橋脚の間付近にあります。
下の駐輪場は都県境を越えて町田市が管理しています。
この付近は川崎市内を町田市が自転車撤去箇所に指定したり、町田市内を川崎市が自転車撤去箇所に指定したりしています。
橋の南側から撮影した岡上跨線橋。歩行者の通行は禁止されていて、しばらく過ぎた小田急線部分のみ階段で歩道橋が併設されています。
1969年完成でそろそろ完成から半世紀です。都市計画上は写真左側にほぼ倍に拡幅する計画ですが、現在のところ橋の架け替えなどの話は出ていません。
町田市議会ではこの橋の話がたびたび出ている気がするのですが、川崎市では……。この付近の都県境問題は鶴川駅南口整備計画でもちょっとしたネックになっているようで、町田市議会で「岡上の町田市との合併、この問題も含めて考えていかなければ」などと質問する議員も出るくらい。いや、そっちのほうがスムーズに物事が進みそうだな。
岡上神社の南側
岡上跨線橋から南側は暫く神奈川県川崎市を通り抜け、岡上神社の南側で再び都県境と遭遇します。
ここから暫くは道路が都県境になっています。カーナビなんか反応することありますね。道路は神奈川県の管理です。
岡上神社の南側のカーブ付近で都県境が重なります。地図によって都県境が微妙に違うのも悩みどころ。境界標みないなのは見当たりませんでした。
車道左側の電柱広告は、手前には神奈川県の地名が書かれていますが、小さい電柱を挟んで1つ隣には東京都の地名が書かれています。
マンホールを目印に書いていますが、水道管は水の供給・高低差のため普通に越境しますのでアテにしてはいけません。
左側の電柱には東京都の地名が、右側の電柱には神奈川県の地名が書いてあります。
電柱広告の電話番号の市外局番「044」は川崎市のものかと思いきや、町田市の一部地域(三輪町・三輪緑山)でも使われています。
道路の交通管理者も神奈川県警のようで、どちらの方向にも神奈川県公安委員会の道路標識が設置されていました。
道路に面した公園の街灯の管理は東京都町田市。公園はすっぽり町田市内で、管理は町田市が行っています(普通のこと)。
【おまけ】東京都と神奈川県の道路の違い
「道路なんてどこも同じだろ!」と思いがちですが、実は少しずつ違います。私が気付いた東京都と神奈川県の道路の違いをまとめました。(例外はあります)
停止線の違い
東京都では段違いになった停止線はよっぽど変な交差点でなければ激レアで、神奈川県では普通に見かけます。
ちなみに東京都三鷹市の南浦交差点は段違いになっている激レア交差点です。
黄線の違い
また、交差点付近でレーンが増える交差点で中央線が黄色の場合、東京都では黄線だけ伸びていますが、神奈川県では黄線と白線が伸びています。
時差式標識の違い
時差式標識は東京都は独特な市松模様を使っています。これは東京都の他に石川県でしか採用されていません。神奈川県は文字で書いてあります。
一方通行の違い
標識の設置の方法が違います。
神奈川県では一方通行の始点終端に「ここから」「ここまで」とともに「一方通行」の標識が設置されます。
一方通行の違い
一方通行に突き当たる道路の標識が異なります。東京都の黒い矢印は一方通行の向きを示します。
他にもこんな違いがあります。
信号用ポールの黄色・黒色は神奈川県ではあるものの、東京都はあまり見かけません。
ただし、最近の神奈川県の信号機はないものもあります。
最近はそうではない気もしますが、街灯の頭の橙色は川崎市の目印です。
ほかにも、都内の道路は街路樹が多い←→川崎市は少ない…といった違いもありますね。
ここに示したのは感覚的な違いですので、例外はあります。
コメント
このあたりは、ここに限らず東京都と神奈川県の境目にあることで道路接続がうまくいかず、通りづらかったり、寸断した道路だらけです。
たとえばここは、県境にあるため整地が連携とれず、抜け道として交通量が多いのに危険なクランクになっています。
https://maps.app.goo.gl/M1rTXsSh6sSY6fYg9
また民間の宅地団地開発は、車の抜け道にならないよう道路を閉鎖したループ状にするため、人口のみ増えて道路は増えずという負のループです。
とても運転しづらく、生活道路で危険なためここに越してからほぼ車に乗りません。。
いっそのこと神奈川県川崎市町田区ならごみ袋も無料なのに。w
この辺は道路整備をしていないのは川崎市なので、川崎市麻生区が東京都になれば幾分改善すると思います。東京都の方がお金持ってるので。