多摩市で始まった自動運転バス実証実験に乗ってきた

多摩市で2月13日から始まった自動運転バス実証実験を見に行き、実際に乗車してきました。

※記事内の画像は顔、ナンバープレートなどを加工しています。

これは多摩市内の豊ヶ丘四丁目バス停~スーパーサントク貝取店間の約1.4kmで行われているもので、土日を除く2月13日~22日に行われています。

運行は神奈川中央交通多摩営業所が行います。

このうち豊ヶ丘四丁目→サントク方面が自動運転で、サントク→豊ヶ丘四丁目方向が手動運転で行われます。

サントク方面に乗り、サントクで降りてアンケートに答えると、サントク貝取店で使える割引券と豊ヶ丘四丁目方面の乗車券を渡されます。サントク方面に乗らなければ、豊ヶ丘四丁目方面に乗れないので気を付けてください。運賃は無料。

運行は9:30~16:00までの12時台を除く30分間隔です。私は1時間半ほど待って乗車しました。

なぜこのルートを選んだか神奈中の担当者に聞いたところ、
約1.4kmという適度な距離であること
交通不便地域や団地←→スーパーというニーズの確認
GPSを捕捉できない環境を走行するなど課題をオープンにするため
ということなどが理由だそうです。

車両

乗るバスは冒頭に載せた車両です。コミュニティバスなどでよく使われる日野自動車のポンチョをベースとした車両です。

ソフトバンクグループのSBドライブ株式会社や先進モビリティ株式会社が手掛けているそうです。

車両には前方カメラ、ミリ波レーダ、磁気マーカーセンサ、後側方カメラ、後方LiDAR、通信アンテナなどさまざまなセンサーが取り付けられています。

席は乗車予約順に自由に座れます。右側の席がおすすめです。

車内にはいろいろなモニターが設置されています。
正面のモニタは車内の様子、左のモニタは運転士の様子、右側のモニタは実験に協力しているスーパーサントクの広告が表示されていました。

車内で神奈中の職員による説明がありました。神奈中には自動運転推進課という部署があるそうで、ちょっと驚きました。考えているんだなぁって。

車両は遠隔監視システム「Dispatcher」で、車内の異常はないかや危なくないかなどを遠隔で監視しています。

ほかにもこんなモニタもあったので載せておきます。SNS等に載せるのは特に問題ないそうです。

走行データを蓄積していくそうですが、結構な容量みたいなこと言っていましたね。

GPSと磁気マーカによる運転

自動運転はGPSによる区間と、磁気マーカによる区間があります。

この写真のような幅の広い道ではGPSで自動運転します。

一方で、このように幅の狭い道は街路樹や建物等によりGPSが受信できない場所では、道路に埋め込まれた磁気マーカーを頼りに運行します。

磁気マーカというのはこういうもので、直径約2㎝のものが約2m間隔で、一方の車線の中心に埋め込まれています。舗装とほぼ同化していました。

乗車する!

というわけで、私も乗ってみました。

豊ヶ丘四丁目バス停は普段から地域の拠点となっているバス停で、回転場が設けられています。その一角に簡易的なバス停ポールが設置されていました。

神奈中の係の人がいて、先着で乗車を受け付けていました。自動運転では定員8人で、必ず着席することになります。

バス停には時刻表の他、同意事項が書かれています。

今回の実験では運転士が確認をしたりする場所もあり、すべての動作が自動というわけではありませんでしたが、ほとんどが自動でした。

路上駐車を追い越す際も手動運転に切り替えていました。

自動運転区間では、運転士は手を添えているだけです。

正直、想像以上にスムーズに走るんだなぁと感動しました。特に発進やカーブはかなりスムーズに感じました。ただ、この車両はブレーキ動作は停車時の揺れなどまだまだ課題がありそうだなと感じました。

多摩市ではない別の場所で実験を行った際には、信号と連動させていたそうで、将来的には車両のみならずインフラ全体での対応も必要になってくるなと感じました。

今回は多摩ニュータウンで実験を行いましたが、多摩ニュータウンは起伏の激しい丘陵地であり、この永山周辺地区は高齢化も進んでいたり、多摩ニュータウン当初の設計理念である近隣センターなどが、生活環境の変化などで形が変わりつつあり、団地と沿道型スーパー等とを繋ぐ手段の検討も必要であろうと感じます。実際、多摩ニュータウンの開発時から、4人乗り程度の軌道公共交通の導入が検討されていたこともあるようで、自動運転は今後身の回りを大きく変えていきそうだと、将来が楽しみになりました。

近年、自動運転をよく耳にするようになり、まだまだ課題はあると思いますが、公道を完全な自動運転車両が普通に走る時代もそう遠くないのかなとも感じました。

撮影日:2019年2月13日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

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