関戸橋 11月27日下流側旧橋の使用終了

府中市多摩市を繋ぐ多摩川関戸橋ですが、現在架け替え工事が行われています。

このたび、11月27日に3度目の車線切替が行われ、下流側橋(旧橋)の使用が終了しました。

1937年に供用開始された関戸橋下流側橋は81年の歴史に幕を閉じました。

事業概要

多摩川にかかる関戸橋では橋の架け替え工事が行われています。

下流側橋(旧橋)

関戸橋は多摩川中流部に架かる橋です。通称道路名として鎌倉街道が設定されており、東京都が管理する都道です。

橋は多摩市方面に向かう下流側橋(旧橋)と、府中市方面に向かう上流側橋の2橋がセットになっています。

架け替えの経緯

下流側橋(旧橋)1937年に架けられた初代の橋で、当初は2車線歩道なしで供用されていました。橋が架けられるまではは「関戸の渡し」という渡し船で行き来していました。その後、周辺の市街化などに伴い、1971年上流側橋が架けられ、上下線が分離したほか歩道も設置されました。

しかし、下流側橋(旧橋)架橋から80年以上が経過し老朽化していたことや、耐震対策が未了であったこと、設計車両荷重が大正15年の「内務省土木局の道路構造に関する細則」に準拠していて現行基準を満たしていなかったこと、歩行者通行空間が存在しなかったことなどから、架け替えられることになりました。

架け替えの順序

工事では上流側橋の上流側に仮橋を設置し、交通を切り替えながら架け替えます。仮橋を用いた架け替えは多摩川中流部では初めてとなります。また、併せて上流側橋の改築を行います。

橋の設置や解体工事は多摩川の渇水期となる冬季のみ行われ、工事完了までには16年掛かる予定です。

これまでの経過

新下流側橋の緒元

橋長  :380.000m
上部工 :鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
下部工 :逆T式橋台・小判型張出橋脚
全幅員 :16.000m
有効幅員:15.000m(歩道4.500m、車道10.500m)
支間長 :44.000m+40.000m+4@60.000m+54.400m
道路橋示方書・同解説Ⅰ~Ⅴ平成29年

最近の発注状況

工事
発注年度工事名称受注者
2015年度関戸橋仮橋設置工事(27南東-関戸橋)巴山建設株式会社
2016年度関戸橋仮橋設置工事(28南東-関戸橋)巴山建設株式会社
2017年度関戸橋仮橋設置工事(29南東-関戸橋)松井・巴山建設共同企業体
2017年度関戸橋架け替えに伴う仮橋舗装工事及び取付道路改修工事(29南東-関戸橋)木本建興株式会社
2017年度関戸橋架け替えに伴う擁壁設置工事(29南東-関戸橋)有限会社藤篠
2018年度関戸橋整備工事に伴う取り付け道路改修工事及び排水管設置工事(30北南-関戸橋)木本建興株式会社
2018年度関戸橋架け替えに伴う照明設置工事(30南東-関戸橋)デジタル産業株式会社
2019年度旧橋撤去工事及び下部工事(左岸側)(北南-関戸橋その2)オリエンタル白石株式会社
2019年度旧橋撤去工事及び下部工事(右岸側)(北南-関戸橋その3)株式会社ノバック
2019年度関戸橋仮橋補修工事(31南東-関戸橋)株式会社ノバック
2020年度旧橋撤去工事(北南-関戸橋の4)株式会社鴻池組
2020年度仮締切撤去工事及び下部工事(北南-関戸橋の5)成友興業株式会社
2020年度旧橋撤去工事(北南-関戸橋の6)ロード建設株式会社
2021年度旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の7)ノバック・林建設共同企業体
2021年度下流橋下部工事(3南東-関戸橋の8)村本建設株式会社
2021年度旧橋撤去工事(3南東-関戸橋の9)ロード建設株式会社
2022年度下流橋下部工事(4南東-関戸橋の10)坂田建設株式会社
2022年度旧橋撤去工事(4南東-関戸橋の11)ロード建設株式会社
2022年度下流橋下部工事(4南東-関戸橋の12)株式会社フジタ
2023年度橋脚基礎洗堀防止工事(5北南-関戸橋の13)ハネイシ建設株式会社
2023年度関戸橋(5)鋼けた製作・架設工事三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社
2023年度関戸橋取付道路路面補修工事(その14)株式会社北前建設
委託
発注年度委託名称受注者
※これ以前は情報収集していません
2023年度関戸橋詳細補足設計(その8) セントラルコンサルタント株式会社
2024年度関戸橋架替えに伴う道路詳細設計(6南東-関戸橋) セントラルコンサルタント株式会社
2024年度関戸橋(上流橋)詳細設計 セントラルコンサルタント株式会社
この表の注意事項
データ収集期間:工事すべて、委託2023年度~(それ以前は収集していません)
最終更新日:2024年11月24日

自治体等が運営する入札情報サービスなどをもとに情報を収集しています。見落とし等をする可能性があり、すべての契約を網羅しているとは限りません。また、入札後随時更新することは労力がかかりすぎて不可能であるため、データ収集開始日以前及び最終更新日以降の情報は掲載できていません
発注年度は入札日を基準としています。工事や業務は複数年にまたがる場合があります。
次の委託・工事は原則掲載しません。
・入札情報サービスに掲載されない契約(特命随契、少額随契、見積合わせ、オープンカウンター方式による契約など)・用地の管理工事
・維持・修繕等の単価契約価契約
・入札不調や取り下げられた案件(公表する一部自治体除く)
・占用企業者による工事
・物件補償や土地鑑定
・積算照査や発注者支援業務
など


この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

今回の切り替え

今回の一連の切り替えは、下流側橋の使用を終了するために、車線を少しずつ移動するものです。

今回はおそらく3回目の切り替えで、下流側橋は使用を終了しました。残すは右岸側(多摩市側)の街路交差点等の改良が行われます。

切り替え後の車線はこんな感じになります。

写真等

府中市側から見ていきます。

府中市側の横断歩道橋から撮影

橋の手前の関戸橋北交差点で車道が大きくカーブしています。

写真左側の多摩市方面車線は車線数やレーン数が従来と変わらないままの切り替えとなっています。

車線の案内

交差点の手前には、大きな看板で車線の案内がありました。

関戸橋北交差点から使用終了した下流側橋

※ガードレール内の安全な場所から撮影しています。

使用終了した下流側橋はガードパイプで塞がれ、歩行者も通行できなくなっていました。

交差点にはテイケイの警備員が配置されています。

関戸橋北交差点

右から仮橋上流側橋です。

今回の切り替えで、上流側橋は多摩市方面2車線、府中市方面車線1車線の対面通行となりました。

右岸(多摩市)側

まだ、ラバーポールの設置工事などが行われていて、車線が一時的に規制されていました。

多摩市側の横断歩道橋より撮影

一番右の下流側橋がひっそりとしていますね。

多摩市側の車道・交差点の改良はこれから

イメージです。

多摩市側の横断歩道橋より撮影

写真部分の右折レーン(関戸公園方面へ行く方)は工事に伴って一時的に閉鎖されています。今後、この部分の改良を行って復旧されます。

別件ですが、写真左側の府中市方面車線いつも右側車線が混んでいますね。案内板も増強されています。

シェル前から多摩市方面車線
盛土予定の関戸公園方面の街路

こちら側の道路は少し盛土して鎌倉街道に接続します。

多摩市側転回路も改良

ここの転回路も若干改造されています。

新大栗橋交差点側

関戸橋の府中市方面車線は片側3車線から2車線に減り、車線が絞られる箇所が新大栗橋交差点付近に変更されました。

改めて下流側橋を見てみる

車線切替とともに使用を終了し、歩行者も通行できなくなっていました。結局私がこの橋を最後に渡ったのは25日日曜日でしたね。

13径間RC連続ゲルバー式T桁橋という橋梁形式です。径間数の多さやRC橋(当時まだ日本にPC橋はなかった)、ゲルバー桁という、歴史を感じさせる形式の橋ですね。

細部まで意匠にこだわりがあるように感じます。

良き。

下流側橋は今冬から一部解体が始まります。

業者は既に決定していて、松井・巴山建設共同企業体が橋脚躯体4基・橋脚基礎3基・橋面撤去工L=375.7m、床版・桁撤去工7径間」の撤去と、「工事用道路工1式、市道切回し工1式」を行うようです。

今冬の撤去予定箇所は上図の通り。※この他、高欄や橋面の撤去あり。

橋に向けて言うのもあれですが、これまでありがとうございました。

撮影日:2018年11月27日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました