西東京市で事業が行われている西東京3・4・9号保谷東村山線(Ⅰ期)のうち、都道122号ひばりケ丘停車場線~六角地蔵尊交差点間が、8月2日11時に交通開放されました。
東京大学生態調和農学機構(田無キャンパス)を横切る区間です。
当日は見に行くことができませんでしたが、翌日見られましたので、その様子です。
事業概要
西原自然公園通り以西は、2021年9月10日11時に交通開放されました。
都道112号~六角地蔵尊交差点間について、2021年8月2日11時に交通開放されました。
六角地蔵尊交差点付近~西原自然公園通り間が、2024年2月14日13時に交通開放されました。
西東京3・4・9号保谷東村山線は西東京市中町四丁目から西東京市西原町四丁目に至る延長約3,400mの都市計画道路です。このうち、上記で示した区間ではⅠ期区間として事業を行っています。
事業認可は2011年9月28日で、施行者は東京都です。事業延長は約1,380mで、幅員16mで2車線の道路となる計画です。
施行者 | 東京都 | |
事業延長 | 約1,380m | |
幅員 | 16m | |
事業施行期間 | 2011年9月28日~2030年3月31日 | |
交通開放 | 東端~六角地蔵尊交差点間 | 2021年8月2日11時 |
六角地蔵尊交差点~西原自然公園通り間 | 2024年2月14日12時 | |
西原自然公園通り~西端 | 2021年9月10日11時 | |
2024年2月14日現在 |
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写真等
この事業は、都道ひばりケ丘停車場線~東久留米境通り間の約1,380mの区間で、2011年より行っているものですが、今回開通したのは上記の区間となります。
この西側の区間については、引き続き工事が行われる模様です。
今回開通区間は大部分が東京大学の敷地となっているのが特徴です。また、南側にある北原交差点を避けるルートが完成したことになります。
撮影位置はこの通りです。
東端の交差点付近の様子
開通区間の東端(都道ひばりケ丘停車場線)より撮影したものです。
道路は幅員16mで、うち車道9m(一部除く)で2車線の標準的な構造となっています。
交通開放翌日ということもあってか、交通量はかなり少なめでした。
東端の交差点は、ほぼ90度に接続する丁字路になっていて、信号機が設置されました。
都道ひばりケ丘停車場線のうち田無駅方面車線には右折レーンが設置されています。
現在は丁字路な交差点ですが、写真②の右側(東側)も2015年より道路を新設する事業を行っています。将来的には伏見通り(調布保谷線)まで道路ができる予定です。
今回の道路開通により、東端交差点の前後にあった横断歩道および横断用信号機が廃止されています。(隣接する信号機との間隔は原則150m以上必要とされている)
東端交差点の付近には、写真④のように都道ひばりケ丘停車場線の旧道が残っています。この道路が交差点を通過せずショートカットできるようになってしまっています。
危険なので、沿道の同意が得られれば、片方塞いだ方がいいと思います。
開通区間の様子
車道
車道幅は9mで、両方向ともに幅1.5m(街きょ含む)の自転車専用レーンが設置されました(交差点付近除く)。この開通区間の大部分が東大農地を横切りますが、沿道に施設が少ないので、路駐の温床にならないか少々心配です。既に路駐している車がありました。
工事設計書によると、車道の歩道は交差点付近を除き、65型排水性舗装となっているようです。
東大農地区間の排水は、浸透トレンチによって行うようです。
歩道
歩道は片側幅3.5mとなっています(交差点付近を除く)。
植樹帯が連続して設置されていて、低木及び中・高木が設置されています。
低木は全区間、オオムラサキツツジが植えられています。東京都内では定番の低木です。
中・高木については、東大農地の東側では中木のハナミズキが採用されていました。ハナミズキが植えられている区間の植樹帯はG-1(植樹幅760mm)となっています。
東大農地を横切る区間は、高木のシラカシが採用されています。低木のみの区間の植樹帯はG-1ですが、シラカシが植わっている場所のみG-2(植樹幅1060mm)となっていて、出っ張りがある形状となっています。都内ではあまり見かけない形状です。
区間によって樹種を変えた理由など、少々気になるところです。
この区間の横断抑止柵には、このような木材を張り合わせたようなものが採用されています。工事設計図面によると、特記事項として、木材には多摩産材を使うよう指示がされているようです。
多摩産材は多摩地域で育成・生産された材木で、西多摩地域では確保済み用地の管理柵に採用されたりしていますが、北多摩地域でもこのように使われるのはいいですね。芯の部分には金属も使われているようですが、どの程度耐久力があるのか気になるところです。
(※都道の横断抑止柵には、基本的にイチョウの模様が書かれた濃緑色の柵を採用することが多い)
また、そもそも道路の沿道に施設がほぼありませんが、全区間で電線共同溝が整備されています。現段階では街路灯等の電線が地上にありますが、そのうち引き込むものと思われます。
横断用信号機を設置
中間地点付近には、押ボタン式の横断用信号機が設置されています。日中もボタンを押す必要があるタイプのものです。
この信号機の南北には、東大農地の門が新たに設けられています。東大農地は道路で南北が分断されることになりましたので、ここで横断して行き来することになるのでしょうか。
なお、押ボタンには触るタイプのものが採用されています。
西側の様子
西側では、半径約600mのカーブを描いています。
単純なカーブですが、やや勾配の変化があるため、線形が複雑に見えます。
六角地蔵尊交差点付近の様子
今回開通区間の西側、六角地蔵尊交差点です。この交差点は整備前からやや複雑な形状をした交差点でしたが、整備後は5差路の交差点として整備されました。
今回開通した道路方面に向けられた信号機には、矢印が4つ取り付けられています。
交差点の工事により、所沢街道所沢方面と新設道路が直進という形に変更されています。
すなわち、所沢街道どうしを行き来する際には、右折または左折が必要となっています。
また、所沢街道所沢側にあった横断歩道は廃止されています。
この箇所を横断するためには、らあめん花月方面へ迂回するか、六角地蔵尊交差点の横断歩道を4回横断する必要があります。
見ていた感じだと、信号の長さなどはまだ調整する必要があるかなと感じました。
所沢街道どうしの行き来には、右折が必要となったと書きましたが、この影響で100m程度の渋滞が発生していました。
まだドライバーが新設道路を認識していない影響もあると思いますが、信号の調整は必要かなと思います。
この西側の区間、東久留米市のセイムス付近までは別途工事中です。こちらも動きがありましたので、後日レポートします。
撮影日:2021年8月3日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。(0830)
コメント
暑い中レポートしてくださり、ありがとうございます。お疲れ様です。
撮影位置の地図も復活したんですね。とてもわかりやすいです。
随所に細かくいろんな工夫がしてあるので、やはり毎回楽しんで見てしまいます。
「どこ」かは書いてしまうと私だけの楽しみがなくなってしまいそうなので…。
やめておきます。
次回も楽しみにしています!
撮影位置がわかりにくいもののみ図を作成しています。
尾根幹のは作るか迷いましたが、やめました。
六角地蔵尊交差点の、ひばりが丘団地からの道路にあった7時~9時、17時~19時の右折禁止は今でも残ってますか?
ちょっとそこまでは見ていません。
ただ、これまであった標識が同じ位置にあるようですので、もしかすると残っているかもしれません。
これまで通り所沢方面から六角地蔵を通って北原交差点へ行く車だらけで20分程ここを抜けるのに待ちました汗
右折の矢印信号2台ギリギリ通れる位の長さしか時間ないんですもん泣
信号の長さが調整されたとうわさを聞きましたが、まだ短いんですかね。
直進してからでも新青梅街道方面に行けるようになったことがドライバーにも浸透したらいいのですが。
8月2日、西東京市の東大農場を分断する都道が交通開放されました。
その際、近くの北原二丁目バス停横の横断歩道が廃止され、歩行者用信号が撤去されてしまいました。そのことを、地域メディアの「ひばりタイムス」に記事を書かせてもらいました。
その後すぐ、あなたのレポートがでましたが、そのなかで「信号から150M離れていないと歩行者用信号はつけられない」と書かれていました。それは、どのような根拠によるものか教えてください。地元住民は、北原二丁目バス停横の歩道信号が撤去され歩道表示も消されて、安心して横断出来なくなり、不安が広がっています。横断歩道復活を望んでいます。東京都は半世紀前の計画を実行したら、地域住民の安全は置き去りで良いということでしょうか。
私が書いたのは
「信号から150M離れていないと歩行者用信号はつけられない」
ではなく、
「隣接する信号機との間隔は原則150m以上必要とされている」
です。ニュアンスがちょっと違います。
このことについては、警察庁交通局長より、各管区警察局長、各都道府県警察の長に対して出された通達「信号機設置の指針」の中の、「信号機の設置のための必要条件」に記されています。
以下、抜粋
「隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていること。ただし、信号灯器を誤認するおそれがなく、交通の円滑に支障を及ぼさないと認められる場合は、この限りではない。」
この場所の信号機についても、新設交差点信号機との間隔は約80mです。さらに、田無北原保育園前の信号機との間隔も約80m(例外的設置)でした。
新設交差点に信号機が設置されていないのならまだしも、設置されていますし、横断ルートの確保はできていると考えます。
信号機が近すぎる場合には、手前と奥の信号機を誤認する可能性があるなど、信号無視を誘発し、危険性が高まる可能性があります。
したがって、安全性を考慮したうえでの撤去であり、指摘は当たらないと考えます。
「地元住民」や「地域住民」といった主語の大きな言葉を使われていますが、本当に地域住民の総意なのですか。
このサイトを楽しみにしている読者の一人です。ここは記録と考察を行っている個人サイトで、コメントは管理人と読者がコミュニケーションを取る場所だと勝手に思っています。
もし増田様が道路行政に不安があるようでしたら、個人サイトに意見を求めるのではなく、しかるべき窓口に相談するほうが不安の解決には早いと思います。
返信有り難うございます。
信号撤去の根拠教えていただき有り難うございます。
「地域住民」「その総意」の定義はどのようにお考えですか。
これからも道路情報期待しています。
定義は状況によって異なると思いますが、この場合は、この道路を日常的に横断する者または横断歩道の撤去・移設によって日常的に影響を受ける者、あるいはこの地域に属する自治会・町内会ではないでしょうか。
総意はそれらの人によって一致する考え、あるいはこの場合では多数決等によって示されている考え、自治会・町内会等の長の名によってその機関の決定手段を経て示されている意見も含まれると考えます。
もし、この場所に横断歩道の復活を望むのであれば、警察に要望を出されてはいかがでしょうか。影響なしと判断されれば設置されるはずです。このとき、個人ではなく、自治会・町内会等または議員から要望が出されれば役所内で重く受け止められやすいです。